4作品とも好きですわ。BBBムービー【ショーン・ベイカー 初期傑作選】「スターレット」「テイクアウト」「フォー・レター・ワーズ」「プリンス・オブ・ブロードウェイ」。
ショーン・ベイカーの初期傑作選4作が、公開されてる。
「ANORA」で、カンヌ、アカデミー、制覇したもんなあ。
「ANORA」、ワシはあんまりピンとこなくて、
その前作の「レッド・ロケット」の方がおもろかったんで、
初期は、もっとおもろいかもな、思って、
「ひとつくらいは観ておくか」思って、観に行くと、
おもろくて、結局、何日かかけて、4作とも観てしまった。
確かにケン・ローチ監督の影響は感じるけど、
もっと湿度が低くて、カラッとしてて、気持ちいい。
ANORAやレッド・ロケットもそうやったけど、
セックス・ワーカーとか、社会的マイノリティに眼を向ける姿勢は、
この時から貫かれてたんやな。

「スターレット」。
娼婦とおばあさんの友情物語、と一ゆーて、ええんかな?
なんてことない、小さな物語なんやけど、
なんか温かみがあって、ホッとする。
主人公含め、若い奴は、ろくでもない奴らばかりで、
「おばあさん、騙されてるんちゃうか」と心配になるんやけど、
この若い娼婦も、おばあさんの前だけでは、
本来の、穏やかな気持ちを取り戻せるのかもしれない。
どの映画で観たんか忘れたけど、
最近他の映画でも、ビンゴ大会のシーン観たなあ。
アメリカでは、老人の楽しみとして普及してるんやろか。
そうか、その映画、たぶん「ユニバーサル・ランゲージ」でした。
終わり方も切なくて、温かくて、
この映画を一本目に観たので、
結果、4作品とも、観ることになった気がする。
「テイクアウト」。
なんか映画の半分以上、中華料理の配達シーンで、
「このまま終わっちゃうんやないか」と思うくらい、
最後の方まで、同じようなシーンが延々と続く。
終盤、急展開するんやけど、
そこから遡ると、ちゃんと、その急展開に繋がるシーンが、
前半にも埋め込まれてることに気づく。
終わり方は、少しホッとする。
「ひどい世の中やけど、少しくらい救いはあるやん。
諦めずに生きていこうよ」みたいな感じで、
温かい気持ちで観終われるのが、良かった。
デリバリーの仕事って、感謝されることもあまりなく、
少しでも失敗すると、なじられて、ほんま大変やなあ。
ウーバーとか使ったことないので、実感わかないけど、
少し似てる気がして、宅配の方に、感謝せんとあかんな、思ったんでした。
「フォー・レター・ワーズ」。
ほんま、どこの国でも、若者男子の考えること、やることって、
バカで、小ズルくて、小汚くて、どうしようもないなあ。
いきなりのゲロシーン。「プリンス・オブ・ブロードウェイ」でも、あったな。
ショーン・ベイカーって、ゲロ好きなのか。
今の基準で行くと、完全にミソジニーで、
もう灰色どころか、真っ黒の映画なのかもしれない。
そこは、申し訳ないけど、置いとくとして、
若い男子だったことのあるやつなら、
似た経験、してしもてるよな、とは思った。
あと、ワシも経験あるけど、ホームパーティやった翌日、
ひとりで片付ける時の気分って、
ほんま、あれ以上の虚しさってのも、なかなかないと思う。
盛り上がれば、盛り上がるほど、片付けがたまらんようになるんよなあ。
どんだけ片付けても、なんかビール臭くて、もう一度点検すると、
棚の下から、少し残って、こぼれてる缶ビールが出てきたりしてなあ。
ああ!ムカついてきた!(笑)
「プリンス・オブ・ブロードウェイ」。
最後にこれを観たのも良かった。
八方塞がりのインチキでダメな奴らの話なのに、
なぜか不思議と、悲壮感はあまりなく、
観終わった後、気持ちいい風が吹く。
子どもの演技?多分演技じゃないんやけど、
表情が、ほんまにかわいくて、
その子を見つめる主人公の気持ちと、
観てるワシらの気持ちは、きっと同期してしまうんやろなあ。
「この子をほっとくわけにはいかん」
最後のシーン、本当は、どーゆー結果だったのか。
もしかしたら、あの店長、嘘ついたのかもしれんけど、
そこは、問題じゃない。
自分がその子を愛していて、
その子の信頼も得られれば、
そこに「親子」という信頼関係は成立するのだろう。
そのぼやかした見せ方が、とても粋。
4作品とも、ほんま、小さな出来事かもしれんねんけど、
「人間を肯定したい」という気持ちが背骨にある気がして、
すごく気持ちのええものを観た気がした。
これ観てから「レッド・ロケット」とか「ANORA」とか観たら、
また違う感情を抱くのかもしれない。

