本当にイヤな映画やけど、観るべき映画でもある気がした。BBBムービー「タンゴの後で」。

公式サイト
マリア・シュナイダーも、マーロン・ブランドも、ベルトリッチも、
鬼籍に入られた今なので、映画化が実現したのだろうが、
やはりあまり観てて、気持ちのいい映画ではなかった。
ベルトリッチが、わりと好きで観にいったのだが、
観た後、なんとも言えない苦いものが、
食道を逆流してくる気がした。

いかにもベルトリッチがやりそうな演出方法だけど、
女性としても経験が少なく、女優としても駆け出しの19歳にやれば、
それは強烈なトラウマになることは間違いないだろう。

「映画だから」というのは言い訳にはならない。
どれほど「演技」と割り切っていても、
演じているのは生身の人間なので、傷つくときは傷つく。
ましてや、自分の知らない展開で尊厳が傷つけられたのなら。
「あの涙は、演技の涙ではなく、私の涙です。」という言葉の重みを感じる。

映画というのは、想像以上に封建的で、
家父長制的な序列の厳しい社会なのだろう。
この場合、関係者が亡くなってからではあるが、
公にすることができたけど、
同じような目に遭って、誰にも言えずに泣き寝入りした人たちも、
たくさんいるのだろうと思う。

どれほど、崇高な理想があったとしても、
表現が、誰かの人生を踏み躙っては、いけないのだと思う。
映画史に残る大監督、名優の黒い過去として、
すべての映画人が、反面教師として、
観るべき映画ではないか、と思った。

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