20代とは思えない巧みさと、独特の「間」。BBBムービー「見はらし世代」。

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絵も、音作りも、すごくセンスがいい。
エンドロールの文字、背景の並行した横スクロールとか、
気がついたら同じスピードになって、
ガラスに書いた文字なのか?と思ったら、
次の瞬間、違うスピードになってたり、
細かいところにまで、
センスの良さが溢れている。

そして、全体を貫く、独特の「間」、
これって、作ろうとして作れるものではない気がする。
この映画の監督が、もともと持ってる、
自分にとって、自然な間なのではないか、と思った。
それの独特のリズム感が映画の主題によくあってる気がした。

詳しくは描かれてないのだけど、いろいろ相剋もあったのだろう、
バラバラに離れて暮らす家族。
「関係ない」と、自分に言い聞かせつつ、
途切れそうではあるが、細い細い糸で、
微かには、繋がりあい、思い合ってるようにも思える。

だけど、この家族関係の崩壊が、
それぞれのトラウマになってて、
姉は、結婚にも、もう一歩、踏み出せないのだろう。
姉、弟、そして父の感情が、寡黙に丁寧に描かれてるなあ、と感心する。

しかし、あのタイミングでファンタジーが絡んでくるとは。
映画にメリハリがついて上手いなあ、と思った。
ほんまに20代半ばの若い監督なのだろうか。

ここ以外も、全体的に迷いがなく、
ひとつの考えが貫かれてて、
若いのに、ブレの少ない人やなあ、思った。

弟の役者さん、「ブギウギ」の六郎くんなんや!
全然気づかんかった。
ブギウギとは全く違う役柄で、
今の若い人らしい、ええ演技してたんやけど、
声が低過ぎて、聴力も衰え始めてる還暦過ぎには、
ちょい聞き取りづらかった。

都市の変化と、家族の変化を重ね合わせるように表現するのは、
面白い視点やなあ、と思った。
ホームレスの問題とか、「忘れてませんよ」と、
かじる程度に出てくるのは、
「出すなら出すで、もうちょっとちゃんと描けよ」と、
思わんこともなかったけど。
あれを変わっていく都市の風景のひとつとして捉えてるのなら、
それは、ホームレスの人たちに少し失礼な気がする。

一番分からんかったのは、タイトル。
「見はらし世代」って、どの世代のこと言ってるのだろう。
姉と弟の世代にしても、親世代にしても、
どこをどう見はらしてるのか、よく分からない。
もしかして、僕らの世代は世界をこんな風に見てます」という
監督ご自身のことなのか?
そうだとしたら「それタイトルに持ってくるなよな」と思ってしまうし。
謎のタイトルやなあ。

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