素材がいいだけに、もったいないと思いました。BBBムービー「おーい、応為」。

※否定的な意見を含みます。

公式サイト
最初に良かったところを上げておきます。

役者さんの演技は、みんな役になりきってる感じがあって良かったです。
特に長澤まさみさん。
やさぐれた感じにハマりきってて
「こんな役柄もできちゃうのか〜〜!」と、
意外でありつつ、感心してしまいました。

美術や衣装、照明も、時代劇の伝統をある程度、
踏まえた上で、今らしさを表現しようとしてて、
それが成功してるように思いました。
意欲的で好感が持てる、思いました。

大友良英さんの音楽も、さすがやな!思いました。
息の成分の多い、トランペットがすごく良くて、
「誰が吹いてるんやろ?」と気になって、
エンドロール見ましたが、分かりませんでした。
つまり、演技とスタッフは、すごく良かったと思ったのです。

ただストーリーが。
葛飾応為さん、この時代にはほとんど唯一無二の女性絵師だけど、
けっこう謎の人物で、
作品もそう遺ってないので、
どう解釈してくれるのかなあ、
どんな絵師として描くのかなあ、
と、そこを期待して観に行ったのですが、
その辺には、ほぼ触れず、
北斎との生活を描いただけって気がしちゃって、
「なんのためにこの映画作ったんやろ?」思ってしまいました。

写真はネットから。

応為さんの代表作のこの絵、ワシ好きで、
「この絵って、歌麿にも、北斎にも書けない、
女性視点ならではの吉原やなあ」思ってて、
ポスターにも使われてたので、
この絵が描けるようになる人生を描いてくれるのかなあ、思ってたんですが。
実際、この絵の切り返しのような視点で、
遊郭、覗いてるシーンがあったけど、
それだけで描ける訳やないし。
遊女の悲しみに出会うようなシーンもなく、
ただ喧嘩しながら、北斎と暮らしてた印象しか、
残らない映画になってる気がして、
すごく残念でした。
その北斎との生活は面白かったんですけど。

最晩年の北斎は、「ほんまに永瀬正敏さん?」思うくらい、
うまく老けてたなあ、と思いました。
あれ、ほんまに永瀬さんやろか。

結局、ストーリー的には「なんだか平坦な映画やったなあ」というイメージです。
謎の人物やから、実像に迫るのは難しいでしょうが、
だからこそ、わかってない部分を想像で補って、
作れる隙があって、それこそが映画を作る面白さのような気がするのですが。

結局は「侍タイムスリッパー」の大ヒットの流れで、
京都の撮影所で時代劇を撮ろうとして、
大河ドラマ便乗で浮世絵をモチーフにして、
その中で、女優さんを主人公にできるし、
少し異色の人物でもあるので、
葛飾応為さんをモチーフにした映画、
というスペック優先の映画って気がしてしまいました。

応為さん、あのままのキャラでええので、
絵師として、変化していく様とか描かれてたら、
きっとええ映画になったでしょうに。
ほんとに、もったいないと思いました。

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