子どもの頃、怖かった泉涌寺へ。

東福寺を足早に出たのには、わけがあった。
もうひとつ行きたい寺があったのだ。
ワシのおかんは、東山七条のあたりで勤めていて、
近くということでガキの頃、
連れてきてもらったのだが、
あまりの厳かさに、なんとなく「怖いお寺」と
記憶してて、それ以来、来たことなかった
泉涌寺に挑戦してみようと思ったのだった。

Google先生に聞くと、歩いて10分ちょい。
しかし、それがかなりの登り坂。
ようやく着いたと思ったら、
そこから、さらなる車も通れない山道。
しかしここまで来たなら、、と踏破する。

まずは庭が有名な泉涌寺の別院、雲龍院。
いやあ、ここは見せ方がうまい。
円窓や四角窓で切り取って、
庭を絵画のように見せる。

有名な石灯籠の庭。
石灯籠の周りに描かれた砂絵は、菊の御紋。
そう、泉涌寺は、天皇家の菩提寺として有名なのだ。
なので「寺中の寺」みたいな意味なのか
「御寺(みてら)泉涌寺」と呼ばれている。

では、その御寺の中心、仏殿や舎利殿、本坊のある場所へ、
大門を通って行ってみよう。

大門を抜けると、いきなり長い下り坂。
なんとなく、ワシがガキのとき、
怖いと感じた理由が分かった気がした。
だいたい神社にしても、仏閣にしても、
門を潜ると、登り坂や登りの階段になってるところが多い。
下り坂は、なんか不安を与える。
出雲大社も下り坂だった。
あれは大国主の御魂が出てこれないため、
大和朝廷が考えた装置ではないか、
とワシなりに分析したのだが、
歴代の天皇が眠る泉涌寺にも、
もしかしたら同じ機能が求められたのかもしれない。
その御魂を鎮めるための装置だってのを、
ガキのワシは、なんとなく感じたのかもしれない。
ちょうど空も黒い雲に覆われて、
おどろおどろしい雰囲気になって来た。

しかし、勅使門とか玉座の部屋とかあって、
「さすが天皇家の寺」という気のする本坊の庭は、
紅葉が一番鮮やかで素晴らしかった。
あまり知られてないようで、
人もそんなに多くなかった。
激しくお勧めしたい場所でございます。

再び大門を潜ると、雨がぱらつき始めた。
天気予報通りだ。

まあ、よくここまで持ってくれた。
足早にバスの通る東山通りに出ると、
ちょうどバスが来た。
すかさず乗り込み、次の目的地に近い
烏丸丸太町を目指す。

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