こんなに自然にドラマとドキュメンタリーが組み合わさってる映画は初めて観たかも。BBBムービー「新居浜ひかり物語 青いライオン」。
先日展覧会を観に行った、石村嘉成さんの、
少年時代を綴ったドラマと、現在の嘉成さんのドキュメンタリーを
組み合わせた映画。
展覧会の感想は、こちら。
ドラマ部分とドキュメンタリー部分が、
すごく上手く組み合わされてて、
観てて、何のストレスも感じなかった。
嘉成さんが本格的に絵に取り組む前に亡くなったお母さん、
お母さんの遺志もついで、嘉成さんと仲良く楽しそうに生きているお父さん、
そして、何よりもいつも、やりたいことがあって、それに真っ直ぐな嘉成さん、
三人のお互いを思う気持ち、
三人を取り巻く人たちの、的確で温かい三人への視線、
何もかもが、この殺伐としたニュースばかりが飛び込む世界に、
忘れがちな温かいものを届けてくれている気がした。
忘れられないシーンがある。
嘉成さんは、いろんな方の理解や支援で、
養護学校ではなく、普通の小学校に通ってたのだが、
学校で問題を起こした嘉成さん、
校長先生にお母さんが呼び出される。
お母さんが嘉成さんに、
「そんなことしたら、学校に行けなくなるよ」と言うと、
嘉成さんが「いやだ〜〜〜!」と言ったという話を聞いて、
校長先生が「良かった〜〜!嘉成くん、学校が好きなんだ」というシーン。
(言葉は、あやふやで、この通りではないかもです。)
今まで、いろいろ謝って回ってたお母さんをどんなに勇気づけただろう。
そして嘉成さんも他の生徒と同じように見ている
校長先生の視線が素晴らしいと思った。
驚いたのは、嘉成さんの幼稚園時代、小学校時代を演じた二人の子役。
本当にリアルに自然に、難しいであろう自閉症の子どもを演じていた。
あそこに嘘っぽさがあったら、
この映画、台無しになってたかもしれんもんなあ。
こうやって書いてるだけで、
映画思い出して、涙が出そうになってる。
なんで、あんなまっすぐな絵が描けるのか、
この映画を観て分かった気がする。
この映画を観る前より、一層、
石村嘉成さんが好きになって、
「やっぱり、あの展覧会で、作品のポスター、かっとけば良かった。」
と、後悔してる、愚鈍なワシであった。