むちゃくちゃへんてこりんやけど、鮮やかな現代風刺やと思う。BBBムービー「ドリーム・シナリオ」。
まあ、ようこんな変なこと、思いつくもんやなあ。
ほんで「そうなったら、こうなっていくかも」という
展開のアイデアが突飛なんやけど、
ある意味「そうかも」と思わせるとこもあって、
どんどん引き込まれていく。
すごい発想力と構成力。
ほんま、アリ・アスターさんの絡む映画の、
変さと面白さから目が離せませんわ。
検索すると、もともと「This Man」という人為的な
ネット・ミームからの着想だと分かったんやけど、
これを、こんな奇妙なストーリーに仕立てていくのは、やっぱりすごいなあ。
ニコラス・ケイジさん、若い時は、
なんかイタリア系のニュルっとした顔で、
あんまり好きではなかったんやけど、
年取って、ええ味出てきたなあ。
この映画の「そう特徴のない、どこにでもおる」感じは、
すげえ映画にリアリティ、加えてる気がする。
ネット・ミームとか、承認欲求とか、差別とか、
ネット上でのイメージが一人歩きする、とか、
今の社会問題を、うまいこと、ストーリーに入れ込んでるし、
主人公が、シマウマやアリの研究をしてることも、
映画終わってから「なるほどな〜〜」と思ったり、
ほんまよう練られたストーリーで、
今の時代をへんてこりんだけど、
鮮やかに風刺してるんやな、と思った。
ラスト、主人公がブカブカのスーツ着てるのとか、
エンディング曲が、あの曲のとか、
ストーリーの序盤を思い出してニヤリとするのだが、
歌詞の内容からして、「ああ、このシーンも、、」と思うと、
やりきれないくらい悲しくなってしまうのであった。
ちなみにエンディング曲はこれ。