評判に負けない名作やと思いました。BBBムービー「国宝」。
公式サイト
何度か観にいこうとしたんやけど、
ネットで予約見ると、いつも満席に近い。
少し長めの映画で、尿意の心配もあったので、
通路側の席が確保できて、
できれば隣に人が座ってない状況を待ってて、
なかなか行けなかった映画「国宝」ようやく観てきた。

ワシ、こういうヒット映画やと、
どうしても斜めに観てしまう悪い傾向があるんやけど、
この映画だけは、文句のつけようのない映画だった。
こういう映画がヒットすることが嬉しい、と思えた。
大河ドラマを一年観たような充実感。
人と人との葛藤があり、生きようとする意思があり、
生きていくということ自体の悲しみに溢れていた。
主役の吉沢亮さんと、横浜流星さんも素晴らしいけど、
その周りの役者さんたちも、
誰もが、鬼気迫るような演技をされていた。
特に、田中泯さんの演技、
舞踏家なのに、目線だけで全てを語るような演技で、心底驚いた。
ワシ、吉田修一さん原作の映画、「愛に乱暴」、「湖の女たち」と
結構きついのが続いたんで、ちょっと警戒してたんやけど、
ほんま、いろんなもん書ける力量のある作家さんなんやなあ。
歌舞伎の場面だけでなく、全体がとにかく美しい。
歌舞伎の場面ではないところでの芝居がかった演技も、
全く不自然ではなく、映画全体のうねりの中に消化されている。
特に、あの屋上のシーンの美しさには舌を巻いた。
一昨年に行った南座のバックヤードツアーでも観られなかった、
南座のディテールが観られたのも嬉しかったな。
先週、今週と、吉沢亮さんと、この映画で歌舞伎指導された、
四代目中村鴈治郎さんの対談番組、NHKでやってたんやけど、
それを観ながら、この映画のこと、しがんでた。
そうやな〜〜、あの映画の中で、芝居をする。
映画の役として芝居をするのか、歌舞伎の役柄で芝居をするのか、
むちゃくちゃ難しいやろなあ。
吉沢さん、本番直前に監督さんに、
「喜久雄(映画の役柄)で」と言われたらしい。
その話に痺れてしまった。
直前に言われた吉沢さんの心のざわつきまで、映画の一部として、
フィルムに焼き付けようとしはったんやろなあ。
四代目鴈治郎さんが言わはるように、
歌舞伎での役柄と、その前提としての喜久雄としての役柄を、合わせて演じる、
しかも、歌舞伎も少しずつ上手くなっていかんとあかん、
とか、ものすごく複雑な役柄やったんやなあ、と改めて思った。
こういう2025年の日本を代表しそうな映画が、
上方歌舞伎、という伝統芸能をモチーフにできたことが、すごく嬉しい。
そういえば、出演者の関西弁、何一つ違和感なかったのもすごいな。
映画館か、家でかわからんけど、この映画は、もう一度観直したい。
ディティール、巻き戻したりして観たいから、家になるかもやな。

