秋の丹波路、だらだら焼きもの巡り。

ここんとこ、スッキリしないことが続いてて、
ちょっとモヤモヤしてたんだが、
今日の関西はあったかくて、ええ天気だったので、
気分転換がてら、前々から行ってみたかったとこに、遠出してみた。
遠出と言っても、途中で一回乗り換えるだけで、一時間ちょっとで最寄り駅に到着。
時間によっては、乗換なしでもいけるようだ。

とは言っても、さすが、JRの一時間、錦繍の峡谷を抜け、
目的地周辺には、のどかな秋の風景が広がっていた。
うん、そう言えば、今年はまだ、ちゃんと紅葉観てなかった。
この時期なんで、人混みの紅葉より、こんな田舎の紅葉の方がええやろ。

目的地、最寄りの駅は、ここ。

思わず出てくるあのCMソング。

ワシより、ふた世代も下やとなんのこっちゃわからんすよね。すんません。
そのCM探したんですが、ズバリのもの、なくて、
そのCMソング歌って、背景を語ってるおっさんの動画あったので、
それでご勘弁を。
これ見たら、世代どころか、九州と関西の人間しか見てないのか。。

ところで、このおっさん誰やねん。

まあ、そんなことはどうでもよろし。
ちょっとサビの浮いた神姫バスに乗って、15分ほど、
目的地の兵庫陶芸美術館にやってきました。

ここは、丹波焼とか、立杭焼とか言われる焼きものの産地。
かなり歴史は長く、日本六古窯のひとつに数えられてるらしい。
備前焼より、ちょっと柔らかい感じの自然釉が好きで、
写真で見る限り、建物もええ感じなので、いつか来たいと思っていたのであった。

けっこう色々建物があるので、ようわからず、
とりあえず、入場券売り場のお姉さんの言われた方向に進んで、
エレベーター乗ったり、右に曲がったり、渡り廊下、渡ったりするうちに、
建物の構造が、なんとなくわかってくる。
木をベースにした、なかなかええ建物である。
窓から見える紅葉も美しいし、まだ有料ゾーンでない途中に展示してある焼きものも、けっこういい。
ええタイミングで来たなあ。

中でも階段室が見事やった。

階段室、もう一枚撮ったのだが、どこをどう撮ったのか、
自分でもよくわからない。
なんだかエッシャーの絵を観てるようで、酔いそうになる。

今、考えると、スマホの持ち方、ややこしかったみたいで、
回転させてみて「なんだ」と思ったのだけど。

とか、なんだかんだで、やっとこさ、有料ゾーンに到着。
たまたま今日は出石焼の展覧会やってて、
そっち観てから、丹波焼観ろ、と言われる。
「え〜、ワシ、丹波焼、観に来たのに」と思わんでもないが、
まあ、別に急いでるわけでもないので、
言われた通りの順路で回ることにする。

展示室は撮影禁止だったので、入り口の看板や
展示室の前にあったタペストリーやで
出石焼をご鑑賞ください。

う〜〜む、見事や。
カラフルなんもあったけど、出石焼の真骨頂ってのは、白磁にあるんやな。
白磁でこれだけ細かい細工してるのって、あまり記憶にないなあ。
白も、伊万里とかより、さらに白く、透き通るような白や。
それを活かすために、彩色より、造形に特化したんやないかなあ、と思う。
この花の造形とか、まあ、細かい。
すげえな、と思いつつ、
けど、欲しいのは、真っ白のやつより、
赤一色で絵、描いてるやつやな、とも思ってた。
たぶん、どっちにしろ、買える値段やないんやろうけど。

で、肝心の丹波焼である。
出石焼の華やかさに比べると、かなり地味だが、
ワシはやっぱりこっちの方が好きやなあ。
ぼてぐりっとした形も愛嬌があっていい。
撮影できるとこに、置いてないのが残念だ。

けど、案内係のお姉さん、この順番で観たら、
「やっぱり出石焼の方が洗練されてて素敵ね!」ってことにならんか?
丹波焼の産地ど真ん中にあって、それでええんか?

まあ、兵庫陶芸美術館で、出石焼も兵庫県なので、それでええのか。
大阪府民としては、地元のことは、地元に任せよう。

ひと通り観て終わったので、次は庭鑑賞。

建物もいいし、紅葉も見頃で、歩いてて飽きないなあ。
特に気に入ったのは、広いバルコニー。

もうちょっと暖かくて、ベンチがあったら、昼寝したいとこだった。
それはともかく、腹が減ってきた。
このバルコニーの横に併設のカフェがあって、
生パスタやら、ケーキがあるらしいのだが、
なんだか、そういう気分ではない。
それに、1時間に一本くらいしかないバスが、あと20分で来てしまう。
パスタを食うのは危険だろう。
かと言って、相野の駅前にも何もなかったよなあ。

入場券売り場のお姉さんにバスのこと確認するついでに聞いてみると、
すぐ隣に「陶の郷」という立杭焼の窯元の作品を一同に集めて売ってて、
食堂もある施設があるという。
ああ、そう言えば、来るとき、一個手前のバス停が、「陶の郷前」とかゆーたな。
バスを一本遅らせて、そっちに行ってみるか。

歩くと、5分くらいで着く。
物販施設なのに入場料取られるのが少し解せないが、
200円なので、まあいいか。
古丹波の展示もあるらしいし。
物販会場に入ると、それぞれは小さなブースだけど、
まあこんなにたくさん窯元があるのか、と驚くほど、
窯元ごとにブースが並んでいる。
あんまりありすぎて、一個一個観てると、
次のバスまで逃しそうなので、ザザザっと観て、
目に留まったものだけ、手にとって観る。
しかし、ええもんはやっぱり高い。
いくつか気に入ったのだが、とても手が出ない。
諦めようか、と思ったとき、小さな一輪挿しが目に留まる。
ミルクピッチャーとあるが、一輪挿しでも構わんやろう。
値段見ると、行ける!これなら買える!
あちもうひとつ、幾何学魚紋の小皿を頂くことにした。

しめて¥1,040。
これは、ええ買い物と言えるだろう。

丹波焼の現在の作家の作品展示、古丹波の展示も観て、
けっこう満足。

バスの時間まで30分以上ある。
ゆっくりそばを頂き、
帰る途中、敷地内にある登り窯や、今日一番鮮やかだった紅葉を楽しむ。

バス停に着くと、まだ五分くらいある。
バス停の向かいにある陶製のベンチで休むとしよう。

そこからの眺めが、まあ最高。
緩やかな川が、曲がりくねって、
紅葉に彩られ、気持ちを奥に奥にと誘う。
あの向こうは、丹波篠山の城下町につながってるのだろうか。
人工の物音が何一つ聞こえないので、
緩やかな川の水音だけが聞こえてくる。

なんか心が浄化されて行く気がした。
その辺に落ちてたレシートとか、
自分のものでないゴミを拾ってたのも、
そんな浄化された心の為せる技なのであろう。

その風景の中をバスがやってくる。
ああ、なんて長閑でええ景色なんやろう。
帰ってきて、思い起こしてみると、
一番心に残っているのは、この風景であった。

残念なのは、このとき頭で鳴っていたのが、
「数え切れない」の「足音バスにのる」だったことくらいか。

帰りの電車で、学校帰りの高校生たちに囲まれながら、
見た夕焼けもえも言われん綺麗さで、
気がつくと、ササクレ立ってた気持ちは、
この一日にす〜〜っと撫でてもらってたようだった。

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秋の丹波路、だらだら焼きもの巡り。” に対して2件のコメントがあります。

  1. 崎山明美 より:

    お元気そうで!よかったです
    JR伊丹駅徒歩圏内なので、武田尾駅相野駅丹波は、本当は近いのに。
    でも、御堂筋のライトアップ、大阪城公園などに行きたい!と惹かれます。
    ありがとうございました武田尾駅歩いて紅葉楽しみたい!次、行きます‍♀️

    1. hashimoto より:

      コメントありがとうございます。
      武田尾もいいですよね。
      昔、福知山線の廃線路を通って、
      武田尾温泉に行ったことがありました。
      なんかすごく気持ちよかった。
      紅葉の時期なら格別でしょうね。
      楽しんでください!

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