平日奈良巡り。「大安寺のすべて」@奈良国立博物館など。

本日は、昨日の大雨から一変、青空も見えるし、なんとか天気持ちそうだったので、
奈良まで、出かけてきた。
「行きたい!行かなきゃ!」と思ってた
奈良国立博物館の「大安寺のすべて」という展覧会が
次の日曜日までだったので、「多少の雨でも」と出かけたのであった。

大安寺は、今でこそ、こぢんまりとした鄙びたお寺だが(それはそれでええ味、出してます)、
その歴史を紐解くと、聖徳太子の建てた熊凝精舎を起源に持ち、
藤原京時代は、百済大寺→大官大寺となり、平城京で大安寺となった歴史あるお寺である。
歴史の古さなら元興寺や四天王寺に譲るかもしれないけど、
大安寺は、史上初の国家寺院、つまり国が建てた我が国初の寺院なのだ。
なので、東大寺ができるまでは、国家の仏教政策の中心的役割を果たし、
その東大寺の創建にも深く関わってる、
謂わば、かつての日本ナンバーワン寺院だったのだ。

というのもあって、卒論のテーマに、古代の寺院政策を選んだワシにも、
縁の深い寺院なのであった。
群書類従で「大官大寺」とか「百済大寺」とか調べまくったなあ、
と学生時代を思い出しながらの見学であった。

歴史は長いが、何度も落雷や戦火での消失を繰り返したため、
仏像も、そんなにたくさん残ってはいないのだが、
大安寺に伝わる奈良時代の仏像は、今回全部展示されてるという
かつてない展覧会なので、結構見応えあった。

発掘された瓦も、移転を繰り返しただけあって、
百済大寺時代のもの、大官大寺時代のもの、いろいろ混ざってて、
元歴史小僧の目には、宝の山であった。
この時代、瓦は、今とは比べ物にならないくらい貴重品だったので、
移転しても、使えるものは使ったのだろうな。

映像コーナーでやってた、江戸時代、大安寺の再興に尽力した和尚堅雄の像が、
見事にピースサイン出してたのがおもろかった。

もしかしたら、日本初、いや世界初のピースサインではないか。
この像は映像でしか見られなかったので、
本物観に行きたいなあ。

と、いつもは、特別展で粘りすぎて行けなくなるのだが、
今回、展示品が比較的少なめだったのと、
割と早い時間に着いてたので、地下通路通って、
旧館の「なら仏像館」に行ってみた。

この写真は地下通路にあったミュージアムショップと、カフェ。
地下にこんな巨大空間があるとは知らんかった!
ほんで、この博物館、いつも特設のグッズコーナーしかなくて、
「しょぼいな」と思ってたんやけど、
こんな立派なミュージアムショップがあったんやね。
欲しいもの、手の出ない値段ばっかりだったので、
なにも買わなかったけど。

で、このなら仏像館。
明治時代の片山東熊(迎賓館などで有名)の設計のええ建物。

前から中に入りたいなあ、思ってたんですよね。
中では、もう立ちくらみするほどの仏像の山。
ちょうど、吉野の金峯山寺仁王門の金剛力士立像の展示やってて、
そこだけ写真撮っても良かったので。

でけえ!すげえ!!
東大寺南大門に次ぐ二番目の大きさらしいが、こんな近くで観ることないので、
もっとでかく感じました。

中国の青銅器館との間の渡り廊下からは、
奈良名物のやつらののんびりした姿が。

鑑賞し終わって、近鉄奈良駅に向かうのだが、
せっかくなら興福寺通って、まだ入ったことのない、
割と最近に再建された中金堂を観て帰る。
今回は時間なくて、外から観るだけだったけど、
次回は、是非中に!

と、半日だったけど、元歴史小僧は、興奮しっぱなしの奈良でした。

平日やったけど、だいぶ人出は戻ってきてるみたいで、
高校生かな?修学旅行生の姿が目につきました。
博物館で、熱心に観てる高校生がおって、
先に行った友だちが戻ってきて「おい!行くぞ!!」と言われ、
名残惜しそうに歩いて行ったの見て、
「ああ、あれは50年近く前のワシや」と思い、
懐かしさと、人に合わせなくちゃ、と自分のフェチを押し殺してた切なさ、
思い出しました。
今は、思うさま、好きなもんに時間かけられて幸せですわ。

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