盛島おじいを尋ねて。

先日、ライブにお邪魔した奄美竪琴の継承者、
盛島貴男さんの工房&露天ステージは、
ひさ倉のすぐ横。
ライブのときにお誘いを受けて大喜び、
金曜日にはツアーから帰って来ると言うので、
お邪魔してみた。
誰もいない(笑)

すぐ横には龍郷湾が広がってて、
干潮時なのでヒルギが見える。
すごくいいところだ。
だけど誰もいない(笑)

思い切って頂いた名刺の携帯電話の番号にかけてみた。
十数回鳴らしたら、
起きたばかりなのか、フゴフゴ何を言ってるのか
わからない人が出た。
わずかに「盛島」という言葉は聞き取れたので、
盛島おじいだろう。
けど、何を言ってるのかわからないまま、
切れた(笑)

天気いいので、4時まではここで待とう。
何が起こるかもしれないし、
何も起こらなければ、それも面白い。

諦めようと思ったが、念のため、
ひとつひとつの小屋、見て回った。

小屋には盛島おじいのトレードマークの白シャツとモスグリーンのズボン。
入口にはなんと!天才バンドとウリョンくんのサイン。
間違いなくここなんやろなー。

この小屋に寝ておられたー。

入口近くの小屋を見ると、おった!
グッスリ寝ておられる。
ちょっとお声がけしてみた。
反応はあったが起き上る気配はない。
ツアーでお疲れなんやろな。
バスを一本遅らせて、
あと30分待ってみよう。
まあ、会えただけで満足なので、
起きていらっしゃらなければ、
そのまま帰ろう。

やっぱり面白いことが起こった。

なかなか起きて来ない盛島おじい。
またしても諦めて帰ろうとした瞬間、
気配がしておじいが小屋から出て来て立ち小便。
小屋に戻るとき、手招きしてくれた。

昨日喜界島でライブの後、
朝まで飲んだらしい。
若いなー。
反省の言葉しきり。

まだ起き切ってない感じだが、
ボツボツと喋り出してくれた。
奄美竪琴のこと、演奏の仕方、歴史、
樟脳売りのこと、民謡のこと、昨日のライブのこと、
ひとつひとつの言葉が重く、深い。
けどユーモアを交えてくれるから、
ただただ面白く聞き入ってしまう。

里国隆さんが好きで、自力で奄美竪琴を
復活させたそうだ。
素材は、杉だけど、杉は割れやすいので、
違うのを試してるらしい。
弦はギターの弦。
演奏の仕方も色々自分で考えてるらしい。
ノートを出してくれたり実演してくれたり。
里国隆さんが売り歩いたという樟脳も見せてくれた。

少し弾いて歌ってくれたが
「あかん!今日は調子悪い」で
すぐやめてしまった。
そらそうやろ、
朝まで飲んでたんやから。
そして明日からは船で与論にライブしに
行くらしい。
今日は無理しないで、
明日のライブに備えてくださいね。
少し弾かせても頂いた。
「奄美竪琴カンタンだから、みんなにやってほしいわけ。
好きに演奏すればいいのよ」

永山愛樹さんのことや、タテタカコさん、
知久さんの話も出た。
年もジャンルも全然違っても、
音楽としていいと思えば繋がって行く。
大工哲弘さんを思わせる柔軟さだ。

贅沢な時間を過ごした。
気がつけば1時間以上も、
盛島おじいを独占していた。
おじいの話が、ぽつりぽつりになった。
また眠気が襲って来たようだ。

最高の時間だったが、
そろそろおいとましよう。
奄美最後の晩を過ごしに、
バス停に向かう。

たぶん、この工房で撮られた動画があった。
ええ声やなあ。竪琴の響きもええなあ。

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