秋を探しに。初秋の京都①お寺めぐり編。

昨日、目が覚めると秋晴れのええ天気。
「北の方に行けば、もう色づいてるかもしれない」と思いつく。
行きたいお寺もあったので、洛北に出かけることにした。

さすがにサンダルだと寒そうだし、けっこう坂も多いだろうし、
半年ぶりの靴&靴下で、京阪特急に乗る。

京阪電車から見える風景が好き。
木津川と宇治川の鉄橋は、ワシ的ハイライト。
たまたま同じようなタイミングで写真撮れました。
空が、秋やなあ〜。

出町柳から市バスに乗って、西賀茂車庫まで、30分ちょい。
賀茂川のこんな上流まで来るのは久しぶり。
MKボウル上賀茂、懐かしい。
大学時代、何度か、ここのバイキング、食いにきた。
学生に優しいリーゾナブルな値段やったなあ。
そう言えば「残したら倍額」というシステムがあったらしい。
(友だちの尾西さんが教えてくれました)

西賀茂車庫は大文字の舟形のすぐ麓。
それを右手にGoogleマップで目的地に向かう。

洛北には畑が多い。
なんやわからんけど京野菜作ってるんやろな。
その背後に竹藪、そのまた背後に秋の青空。
ちょっと気に入った写真、撮れた。

縦バージョン。

ちょっと道間違えて、展望台みたいなところに出てしもた。
真正面に比叡山。
方向音痴は、得することもあるなあ。

ひとつ目の目的地は正伝寺
「紅葉を見るなら、ここ」と思ってたんやけど、
紅葉にはまだ早かったみたい。
だけど、その分、人が少なくて、それはそれで良かった。

着いたときは、まだ何人かお客さんいたんやけど、
そのうち、ワシ一人になった。
この景色を独り占め!
なんて贅沢や。

お寺の門からこの庭まで、境内の中、ちょっと坂を登るんやけど、
その分、視界には手前の境内の木々と、彼方の借景の比叡山しかない。
あの坂は登り甲斐のある坂やなあ。

ここに来たのは、昔この庭が「そうだ、京都行こう」のポスターに使われてて、
「行きたい!」と思って以来なので、20年以上ぶりやと思う。

サツキやツツジを、こんな風に円形に刈り込むのは、
確か日本では、小堀遠州が始めたことだと聞いたことがある。
その小堀遠州は、西欧の庭園術から、その手法を知ったらしい。
西欧の技法を輸入して、これほど日本的な庭園術に高める、
やはり小堀遠州は、尊敬に値する日本の美意識の源泉のひとつやなあ。

そう言えば、ここ正伝寺は、デビッド・ボウイの
CMのロケ地として使われた場所でもある。

お寺の隅っこにあった新聞記事で知ったけど、
ボウイからの要望で、ここでロケしたらしい。

てことは、この頃は、全然観光寺院じゃなかった、この寺のこと、
元々知ってたってことやなあ。
やっぱり、すごいなあ、この人。
本物の日本通やなあ。

けっこうな時間、ボ〜〜っとしてたんやけど、
他のお客さん来たのをきっかけに山を降りることにする。
ところどころ、色づいてる木もあった。

次の目的地は鷹峯、直線距離だとすぐなのだが、
山がちな土地なので、山を迂回しなければ行けない。
適当なバス路線もないし、時間もあって、天気もいいので、
歩いて行くことにした。

コンビニも見当たらない住宅街だけど、
正面に比叡山が見えたり、
お墓に続く石段が味があったり、
歩いてて退屈しない。
上り坂は少々こたえたけどね。

二番目の目的地のすぐ近く「ここが目的地?」と思って見てみると、
常照寺」だった。
「ああ、常照寺もこの辺だったんや!」
今回の目的地ではないけど、いつか行きたいと思ってたお寺、
ちょっと秋の風情も感じられそう。
寄ってみることにする。

ここは、島原の音に聞こえた名妓「吉野太夫」のお墓のあることで有名なお寺で、
毎年四月、島原太夫が艶やかに歩く「太夫道中」でも有名なお寺。
境内、けっこう広くて、高低差もあって、
思った以上に見どころが多かった。

鷹峯のこのあたりは、別名、光悦村、
江戸初期、本阿弥光悦が住んで、芸術村のようになっていたそうだ。
光悦美術館は残念ながら休館中だったけど、
ただの黒壁かと思ったら、螺鈿が施してあったり、
紅葉がうっすら浮かんでたり、さすがの細工のある建物でした。

その本阿弥光悦のお墓のあるのが、光悦寺
今日、二つ目の目的地だ。

参道は撮影禁止ってことなので、
手前の道路から撮影。
石畳ひとつとっても、光悦の名に恥じないデザイン性。

お庭の中にいくつか茶室が点在してる感じ。
少し色づいてる紅葉もあったので、
今回の当初の目的も果たせたが、
もっと深まると、ほんまに綺麗なんやろなあ。

庭から見える京都市内。
少し高いだけあって、ちょっと違う風景が見られる。
Googleマップで調べると、
一番手前の小さな丘みたいなのが船岡山で、その向こうの低い連なりが東山、
はるか向こうの高い山並みは、滋賀から宇治〜笠置に連なる山のようだ。

茅葺の鐘楼は珍しい気がした。

お向かいの圓成寺にも寄ってみた。
ここは境内全域撮影禁止だったので、門だけで。
無料で入れて、観光寺院ではなさそうだが、
紅葉も多く、滝があったり、けっこう見どころが多かった。

消防の用具に「光悦町」の表記。
ええなあ。
光悦が熱心な日蓮宗の信者だったそうで、
この辺のお寺は、ほとんどが日蓮宗だし、
貼ってある政党ポスターは、ほとんどが公明党だった。

さて、今回、最後のお寺に参りましょう。
源光庵は、この辺では多分唯一の曹洞宗のお寺。
本阿弥光悦以前から、ここにあったからかな。

参道、光悦寺に似てるな。
どっちが先なんやろう。
萩が咲き始めてました。

禅宗らしい丸窓の門。いい!!
下が赤い砂なのも禅宗っぽい。
根拠ないけど。

方丈は、お寺なのに鴟尾とかついてます。
伏見城から移築された建物だからでしょう。

人形が手に持った炉から香りが出てくる香炉。
これ、欲しいな。

お庭もなかなか。
こりゃ、秋深まったら、ますます良くなるんやろな。

源光庵の見どころは、何と言っても、隣り合った二つの窓。
左の丸窓が「悟りの窓」、右の四角いまどが「迷いの窓」。
それぞれに切り取られる風景は、いくら観てても飽きません。
本格的な紅葉シーズンにも来てみたいなあ。
ホームページ観てたら、こんな感じらしいです。

すげえ!

この建物は、伏見城から移築されただけあって、
徳川家康の忠臣、鳥居元忠が石田三成に攻められて⾃刃した時の
恨跡、血塗の天井もあって、手形とかが生々しいのだが、
そこは怖くて写真撮れず。

てな訳で、都合5箇所のお寺を参拝。
紅葉にはまだ早かったけど、
満足ございました。
ここからまた市バス一本で、千本今出川に向かい、
美術館巡りの始まり。
「美術館編」に続きます。

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