榮百々代&Shinbow@下町パラダイス。

昨晩は待ちに待ったShinbowさんのライブ@下町パラダイス。
去年、同じここで聴いて、衝撃を受けたので、
再演を待ち望んでいたのだ。

まずは、奄美の榮百々代さん。
正しく奄美の宴席らしく「あさばな節」から。
裏表を行き来して、伸びる声、
うん、初めて聴くけど、ええ唄者や。

高台の展望台から観た加計呂麻が、
きれいなのに、なんか寂しい龍郷の海が、思い浮かぶ。
強烈に奄美に行きたくなる。
何人か知ってる人おるのに、
ひとりも知ってる人おらん
沖縄の離島に行ったときより、
孤独感を感じたこと、思い出した。
けど、その孤独感が嫌ではなかったのだ。
今や、なんか少し懐かしくさえある。
その孤独感と、哀切極まる奄美の島唄とは、
きっと不可分な関係なんだろう。

お!ジャンベ入って「豊年節」。ええなあ。
踊る人出て来た!
踊りの手つきが、ちょっと沖縄っぽいど、
まあええかー(笑)
そのまま六調に。
六調はカチャーシーみたいな乱れ踊り。
ほんま、人は悲しいときも、嬉しいときも、
悲しいことを忘れたいときも、
歌い、踊るもんなんやなあ。
続いて鹿児島「小原節」。
百々ちゃん、賑やかに閉めてくれました。

百々ちゃん、都島の駅前で奄美沖縄料理「美ら島 真心」って店、
やってて、歌ってるらしいから、誰か今度行きませんか??

さあ、そして休憩挟んで、とうとうShinboさん始まった。

ひとつひとつの音を、声を、
確かめるように、とつとつと歌われる。
それが、すべて宝石のように輝いて聴こえる。
「てぃんさぐの花」は、まるで奄美のように、
裏と表を行ったり来たり。
Shinboさんには、沖縄民謡の型がない。
どこでも聴いたことのない唄だ。
だけど間違いなく沖縄の唄なのだ。
自分だけの沖縄民謡を見つけること、
誰もがやりたくても、真似のできないことやと思う。
百々ちゃんの合いの手も、切なく、素晴らしい。

何百回と聴いたかもしれん「十九の春」が、
まったく違う歌のように聴こえる。
これだ!これを聴きたかったのだ。
続いて「十九の春」と同じ歌詞で違うメロディー。
なんやろ?と思ってたら「黒の舟唄」になってた。
Shinbowさんのすごいのは、内地の唄、
歌っても、やっぱりShinbow流沖縄民謡になってる。
歌と自分との距離がなく、もう一体になってるからこそ、
できる技なんやと思う。

おー!恵理さんのリクエストゆーて
やり始めたのは、ワシも一番聴きたかった
「ラストダンスは私に」。
観たことのない、古い名作映画を
観てるような気持ちになる。
きっと、歌も三線も凄くうまいんだろうけど、
ワシには、もうそんなこと関係ない。
ただShinbowさんの歌がそこにあって、
それと対峙してるワシがいるだけ。

うわ「リリーマルレーン」!
これは意外やった。
でも、すぐに好きになった。
この軍歌でもない、反戦歌でもない、
切ない歌を、沖縄のShinbowさんが
歌う意味を考える。
わからないまでも考える。
意味はわからないけど、
気持ちは少し分かった気がした。

目瞑って、浸ってるワシ。ちょっと恥ずかしい。

少し、辺野古のことを話された。
簡単には割り切れない思い、
それが正直な気持ちなんだと思う。

いい「上を向いて歩こう」を聴いた。
この歌、なんか災害のたび、
お高いとこから「大変なの、分かってあげてるよ」と
被災者を見下ろして歌われてる、手垢がついてる気がして、
聴いてゲンナリすることが多かったが、
本来は、こんなに哀しくて、
切なくて、美しい歌やったんやなあ。

首里城のことも少し。
やっぱり、それにも、ワシらのような
単純な嘆きだけではない思いを感じた。

オシッコがしたいから、と休憩タイム(笑)

二部は、太鼓の代わりにジャンベ入って、
安里屋ゆんたから。
会場盛り上がって参りました。

続いて「ちょんちょんキジムナー」。
なんか気持ち、上がって来るわー。
思わず踊ってまう。
一曲踊ると、途端に痛くなる五十肩。
お?早くも「唐船ドーイ」。
二部は、ずっとカチャーシーか?
もう終わるんかと思ってドキドキしたわ!

終わらなかった!良かったー。
沖縄方言巡りの「言葉の違いは面白い」。
Shinbowさんの地元、本部から名護、宜野座、
言葉は、全然わからんけど、
音としての違いや、リズム感の違いはわかる。
面白い。

そこからShinbowさんの半生記になり、
神戸でへこたれそうになったときに聴いた歌として、
昌吉さんの「すべての人の心に花を」を。
これも百回以上聴いたことあるけど、
こんなに哀切こもった「花」は、
初めてかもしれん。
一緒に声出して歌ってしまったが、
そのとき、30年以上前に初めて行った
沖縄の風景が浮かんできた。
今の沖縄に、この歌は、ピッタリは来ない気もする。
それだけ、沖縄にも時間が経った
と言うことかもしれない。
ワシにとってだけのことかもしれんけど。

そう言えば、ワシが初めて昌吉さんの「花」を
生で聴いたのは、確か神戸のフィッシュダンスホールだった。
今は亡き親友と肩組んで歌った。
嬉しい偶然だ。

そして「ケセラ」。
ときどき間奏でやるShinbowさんの
歯笛(口が動いてないのでたぶん)が、
透き通ってて、美しい。
歌の途中で呻くようにShinbowさんが呟いた。
「仲良くしようと歌うと、
なんでかあの炎上が浮かぶんです。
ごめんなさいね。
なんであんなことになるのか」。
そうか、Shinbowさんが首里城炎上から
人前で歌うのは、これが最初なんだ。

さあ、フィナーレへ。
再びジャンベ入って、
さっきと違うテンポアップした楽しげな
「ラストダンスは私に」。
なんか温かいもんが、会場を包み込む。
Shinbowさんも「わー!この曲終わりたくない」と、
一番に戻る。

ラストの曲は琉球古典音楽から。
なんて曲か知らんけど、
きっと王朝時代の御庭(ウナー)でも、
演奏されてた曲なんやろなと思うと、
また燃え盛る首里城が浮かんで、ちょいと辛くなる。
しかしShinbowさん、完全自己流やろうけど、
古典も味あるなあー!

うわー!「時代の流れ」やってくれた!!
ワシの大好きな曲!!
コースケ君、ジャンベでええ太鼓叩く!
全然知らん曲やろうに、
ちゃんと流れを読んで叩くセンスがあるんやろうなあ。

おお!最後に「誰が作ったか分からないけど、
沖縄が守って来て、みんな歌える沖縄の誇りの歌です」
と紹介して、「てぃんさぐの花」をもう一度!

おー!エンディングで「キラキラ星」。
これがまた、聴いたことのないキラキラ星。
ネコハチさんがブルースハープで合わせ出す。
なんて綺麗な夜だろう。

終わったら、23時を超えててビックリ!

終わってから、久しぶりにシバやんともゆっくり話す。
シバやん、あの日、泣きながら「首里城が。。」ゆーて
電話かけて来た。
ややこしいけど、根っこは純粋なおっさんや。

百々ちゃんとも、Shinbowさんとも話せたので、
興奮してしまったワシは、久しぶりに泥酔して、
終電逃して、うちに泊まったリクに、
朝起こされたのでした。

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