ROIKI@萱島大将。

昨日、用事済ませて、映画観て、家帰って、
Facebook見てたら、
お！ROIKIさんが、気になってた店でやるやん！
ギリギリ間に合いそうやん！

とりあえず、
お京阪乗って萱島の大将に向かう。

萱島は大学時代、バイトしてた町。
けど40年近く前で、なんの記憶もない。
「こんなええ感じの商店街あったかいな」と
キョロキョロしながら道を進むと、
ええ感じの提灯、ここが大将か。
中も、ええ感じのカウンターだけの居酒屋。
店の人もざっくばらんで、よそ者でも
温かく迎えてくれはった。

間も無くライブ始まる。ほんま、ギリギリやったんやな。
ひさしぶりあのROIKIさん。
ああデルタ、ああいなたい。
最近、大阪から高知に居を移された、
と言うか、ROIKIさんは元々高知の人、
戻ってしまわれたわけだが、音は全然変わってない。
それが嬉しい。

プレーンチューハイが美味い！
ええ店の証拠や。
豚しゃぶサラダも、鰹タタキも、ほうれん草胡麻和えも、美味い。
で、全部300円。
文句ない店やなあ。

一曲一曲、今やった曲、使ってるボトルネック、
いろんなことについての質問とかが
客席から飛ぶ。
それに楽しそうに答えるROIKIさん。
こんな風に、演奏に意識の行ってる雑談は、
全然嫌じゃない。むしろ大歓迎。

ディープサウスのブルースライブって、
こんな感じなんかもなー、
と、根拠もなく思った。

二杯目は、芋のソーダ割り。
九州で言う芋パンチな。
ブルース聴きながらの芋焼酎。
これもええやん、ジャパニーズスタイル。

お店の兄ちゃんが解説する。
「三弦で弾いてはるんやで！」
ROIKIさんが「アホでんねん。
一弦やったら、こんな感じや」と
一弦だけ使って弾いてくれる。
アフリカっぽくて、かっこええ。
客席から声が飛ぶ。
「萱島には、歯が一本のおっちゃんおるで」。
みんな爆笑。ROIKIさんも爆笑。
ROIKIさんが言う。
「ここはJUKE JOINTや」。
あー楽しい。

壁には、好きなミュージシャンの
サインが散らばってる。
ああ、もっと早く来れば良かった、
と思わせてくれる店や。

やっぱりROIKIさんのギターはええ。
ボトルネックをスライドさせるときに
出る擦過音にも、指を押さえるかすかな音にも
すべて意味と狙いがあるように思える。

お客さんで来てたバンドネオンの生島さんを
スペシャルゲストとして、一緒にやり出す。
いなたさが、さらにグレードアップ。
こりゃすげえええ！
ぶっつけとは思えん。
何も難しいことしてないけど、
いきなりこのダルさを醸し出せるのは、
センス以外のなにもんでもないやろ。
高いとこから手拍子聴こえる。
振り向くと、カウンターの高い椅子に座って、
膝で拍子取ってるおっちゃんがいた。
あー！その気分わかる！

河原町のジュリー、ROIKIさんバージョン。
元々、詩的ですごくええ曲やけど、
バンドネオン入って、
もう映画みたいになってもた。
泣けるほど素晴らしかった。

ラストの曲は「ものさし」。
これを初めて聴いたときの衝撃を思い出す。
ROIKIさんのお父さんが懇意だった
高知の詩人の作品にROIKIさんがメロディを付けた曲。
敢えてジャンル分けすると、
フォークになってしまうのかもしれないが、
生で聴く印象はブルーズ。
聴いた後に、ワシの中に透明な哀しみと、
温かいものが残されていた。