エチオピアジア、デビュー。

怪しいんちゃうか？
おもろそうちゃうか？
とは、思ってたけど、
ここまでとは。

茨木、D barで、
「エチオピアジア」のライブ。
最初から、懐かしいような、
初めて聴くような、
なんや不思議な音楽始まった。
ボーカルの下村ようこちゃん入ると、
もう何拍子かも考えたくないような
変拍子に、カオスのようなエネルギー。
とにかく楽しい音楽！
客席も平均年齢高いのに、
めっちゃ賑やかで元気ええ。
ベースの水田十夢くんと
ドラムのワタンベが、
なんか呪術みたいなリズム作ってる。

エチオピアジアは、エチオピアの
音楽がベースになってるらしい。
1960年代くらいのエチオピア音楽は、
ヨーロッパのブラスや、
アメリカのジャズ、ファンクの
ミクスチュアが流行ってたらしいんやけど、
そこに朝鮮戦争時代に国連軍に参加して、
横須賀で聴いた日本の歌謡曲も
微妙に混じったらしく、
北島三郎さんが有名らしい。

まあ、その辺をベースに
メンバーの想像力も交えて
音楽を組み立てたらしく、
結果として「民族プログレ」
としか言いようないような音楽になってる。

そのノリで、じゃりン子チエの
「バケツのお日さんつかまえた」やら
沖縄の「ヒヤチカミ節」とか、
知ってる曲が、めっちゃ
かっこええ感じに変わってる。
こんなん聴いたことない！！
今日は、ワシが平均年齢下げるくらい
高齢客席やけど、みんなえらいええノリ！
ちんどん通信社の川口さん始め、
みんなご機嫌さんです！

イガキアキコちゃんのバイオリンと、
阿部万里江さんのアコーディオンが
重なると、なんかホーンのような
音が聴こえるのが不思議。
そうなると、プログレというより
ファンクにも思えて来る。
そう思って、ワタンベのドラム
聴いてると、わ！ほんまファンクに
聴こえてきた！！
こういういろんな聴こえ方するバンド、
絶対おもろいバンドやん！！

二部も最初から、ええグルーヴ感！
アリハッサンクバーンみたい！
このグルーヴ感を共有してるかどうかが
大事なんやろなあ。
そこが共有できてれば、
エチオピアであろうが、
ヌビアであろうが、
タイ、日本、アルメニア、ディープサウス、
なんでも構わんのかもしれん。
逆に、実は全然離れた地方の音楽でも
リズム、グルーヴに近いものがあって
それを見つけてまとめてしまうのが
このバンドのおもろいところなんかもしれん。

そして、それを成り立たせてる
大きな要素がようこちゃんのボーカルなんやろな。
奄美と民謡と演歌とブルガリアンボイスと
アリサ・フランクリンを
混ぜたような
ようこちゃんの歌は、
世界中のどこの歌も飲み込んで
しまうのかもしれん。
どの曲もようこちゃんが歌うとしっくりくる。
どの曲もようこちゃん節としか
言えないボーカルになってる。
すげえ。

しかし、こういう変態リズムになると、
アッコちゃん、俄然嬉しそうや！
理屈飛び越えて、気持ちで弾きまくるときの
アッコちゃんは、ほんまかっこええ。
中林キララさんのギターソロも
そーとー頭いかれてて最高！
万里江さんのアコーディオンと
アッコちゃんのバイオリン、
キララさんのギター、
三つ重なったユニゾンが
こぶし回る感じで最高どす！

ラス前の曲、エチオピアジャズの
名曲らしい「メラメラ」って曲やり始めた。
「なんか日本のリズムっぽいなあ」思ってたら、
キララさんが弾きだした
ギターは？あれ？江州音頭やん！
エチオピアジャズと江州音頭が
完全一体化した演奏！
音楽としてもすごいんかもしれんが、
それほっといても、楽しゅうて、楽しゅうて！！
このバンド、今日が人前でやるの
初めてらしいが、
よくぞここまで作り込んで来てくれた！
絶対アルバム出して欲しいっす！

ラストの曲もすごいノリええ！
これ、ベースが、ギターとユニゾンやったり
ソロみたいなことしたり、
すごい動き回る曲やったけど、
十夢くん、指つらんかったやろか（笑）

アンコールは、40年間最近まで
動向がわからなかったらしい
エチオピアの社会派歌手の
「ハサベ」って曲に、
ようこちゃんが、社会派の歌詞（笑）を
つけた曲。
これ、たぶんワンコード？
キララさんのギターが
ファンクっぽくてカッコよくて
途中で「あ！トーキングヘッズやん！」
と思った！
もうたまらん！かっこええ！！
もう、今日のライブ録音してたら、
そのままアルバムで出して欲しい！！