ナオユキ&ナカヒラミキヒト@レインコート。

今日は、初めての場所で、初めての人を聴く。
場所は十三のレインコート。
お店主催のイベントには、2度もお邪魔してるのに、
まだお店には行ってなかったので、
いつか行きたいと思ってたのだ。
そこに、ここんとこ、ずっと気になってた、
ナカヒラミキヒトさんが出るのだ。
しかも対バンはナオユキさん!
行かない理由を探す方が難しいくらいだ。

まずは、ナカヒラミキヒトさんから。
曲が始まる前から、ギターの音色で惹きつけられた。
ドブロじゃないと思うんだけど、
全部金属でできたリゾネーターギターて言うやつ?
よく知らんけど、ナショナル社ってやつかもしれん。
とにかく音が硬質で、いなたい。
そこに、ぶっとくて、しゃがれた声が乗っかる。
こりゃかっこええブルースや。

ナカヒラさん、MCでゆーてはったけど、
高知県の土佐市出身らしい。
ワシの「高知県、ブルース太平洋超えて直輸入説」が、
また証明された気がする。
ジャパニーズブルースの色の付いてない、
ディープサウスから直接入ってきて、
独自の進化したような重厚で、味わい深いブルース。
それぞれ違ってるけど、藤島さんと言い、ROIKIさんと言い、
ほんま高知のブルースメンには驚かされる。
驚かされて、ニタニタしてるんやけどね(笑)

「フライミートゥザムーン」のオリジナル訳詞カバーも、
かっこええわー!

最後は「ぷかぷか」。
いろんなカバー聴いてきたけど、
これはまた!!
ギターがフォークっぽくかわいいのに、
その上にコクのあるボーカル。
こんなかわいくて男臭い「ぷかぷか」、初めて。
ワシは、多分、ここで、落とされました。

そして、ナオユキさん。
レインコートのちょっとやさぐれた雰囲気に、
ナオユキさんの存在感はよく馴染む。
まだ来て1時間半くらいやけど、
ワシ好みのいい店やなあ、と思った。
少なくとも、ナオユキさんを観るには、
めっちゃ合ってる店であることは間違いない。

ワシは、ちょっと端っこの方で観てた。
ナオユキさんと観客が、
同じオレンジの光に包まれていた。
一方は飲みながら語り、
一方は肩を震わせながら笑ってる。
ワシは、ただニコニコしながら、
この幸せな光景を眺めていた。

ステージで飲むナオユキさんの
ペースが速い気がする。
気持ちよくやってはるようや。
西成は難波屋のネタで、第1部終了。

二部のナカヒラさんは、
「おーシャンゼリゼ」から。
こんな男臭くて、ブルージーな
シャンゼリゼ、初めて聴いた(笑)
昼間のシャンゼリゼが、
いきなり夜のモンマルトルの裏筋に。
ワシはこっちの方が落ち着くなあ。

うわあ!ほんで次の曲は
浅川マキさんの「カモメ」!
うわあ!何?これ?かっこええ!
浅川マキさんと三上寛さんとを
混ぜてドロドロにしたみたいや!
エンディングのとこの、
不協和音のギターと口笛の組み合わせが、
けっこう狂ってて、ワシ好み!!

金子光晴さんの「くらげの唄」って
詩にメロディをつけはったという曲。
詩の持つ元々のリズムを
きちんと大切にしたメロディ、
結果的に、なんとなく昭和的な色合いが香る。

二部から染み出して来た日本っぽさ、
ワシのすごく好きな方角や。
日本的と言っても童謡とかではなく、
間違いなくブルースなのだ。
ナカヒラさんなりの味付けをした
何にも似ていないジャパニーズブルース。
みんなやりたくてもできてない方向やと思う。
素晴らしいなあ。

「きよしこの夜」のメロディから
始まったのは「懺悔の酒」。
ああ、このどうしようもない哀しみを、
開いてしまった、自分じゃ埋められない穴を、
酒で埋めようとするような…。
この人は、ワシと同じような
哀しみをどこかに抱えているのかもしれない。

ラストは「乞食の王様」。
なんかこないだ芝居で観た
「三文オペラ」を思い出した。
三拍子、ほんで子守唄のようなメロディ。
ええなあ。

まだナオユキさんの2回目残ってるけど、アンコール!
ええお客さんや!
ええ店には、ええお客さんが集まる。
歌ったのは、スライドで、憂歌団の「16トン」。
渋い選曲やあ!渋い声やあ!
スライドも決まってるわー!
これ、めっちゃブルースやったけど、
どこかパンクな節回しも感じた。
どっちにしてもかっこええわい!

すっかり1回目のライブで落とされてもた。

そんで二部のナオユキさんは、
一部より動きが大きいのは、
酒が進んだからか(笑)
なんかナオユキさん、
今日は酔っ払ってる、と言うより、
ご機嫌さんな感じでやってはる。

こういうときのナオユキさんの
緩急は、いつもにも増して、自在になる。
どこからでも切り込むし、
ふっと話、フリートークにしてみたり。
計算はすごいスピードでしてはるんやろうけど、
なんか好き放題、天衣無縫な感じで
やってはるように思える。
その計算が感じられないところが、
本物のプロたる所以なんやろう。

ラストは最近ワシも大好きな
「ガム噛んでへんおじさん」。
あー笑ろた!

アンコールは、ナカヒラさんとナオユキさんで。
と思ってたら店長の小林さんも、
ハーモニカで参加。
ええやんか!
このトリオのブルースライブあったら
絶対行くと思うわ。

アンコール終わったら、
もう最終電車まで、
なんぼもあらへん時間。
同じ方向のナオユキさんと急いで、十三駅へ。
長かったけど、全然退屈しない
濃密なライブでございました!!

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