『ムジカで女性信仰〜青木マリ×長野友美×伊藤せい子』。

本日は、ムジカで女三人衆、のはずだったが、長野友美さんが急病で、
伊藤せい子ちゃんと青木マリさんの対バン、もしくは対マンになった。
長野さん楽しみだったけど、病気じゃ仕方ない。
早く良くなって、またあのすごい歌、聴かせてくださいねー!
今日聴けなかったので、友美さんの動画を一本観ておきましょう。

さて、ライブの方、まずはムジカの主、せい子ちゃん。
せい子ちゃん、いろんな偶然が重なって、この誕生日月、四回目のムジカステージです。
ワシは四回とも観に来た。いわゆるコンプリートってやつですな。
ワシ以外にも何人かいたが、これはせい子ちゃんに褒めて頂かなくては(笑)

夕凪とは、また別な弾き語りのせい子ちゃん。
夕凪のときは、偉大過ぎて仰ぎ見てしまうが、
弾き語りのときは、なんか親密になれたような気がしてしまう。
元々せい子ちゃんの歌には、何もかもを包み込むような
大らかな優しさがあるが、その大きさ、優しさは、そのまま、
どんどん肩から力が抜けて来てる気がする。

泉谷しげるさんの「陽が沈む頃に」という曲のカバー、
全然知らん曲やったけど、ええ曲やなあ。ええ歌詞やなあ。

ミチロウさんの「ア・イ・ウ・エ・オ」。
この曲初めて聴く人は、きっとせい子ちゃんのオリジナルだと思うはず。
ひとつひとつの言葉が咀嚼されて、せい子ちゃんの腹から出て来ている。
これが自分の歌を歌うということ。それが歌うということ。
歌わされてるんは、自分の言葉になってないんは、たぶん歌やない。
ワシは歌が聴きたいのや。

せい子ちゃん、ギターもすごく良くなってる。
もちろん技術もあるけど、弾き語りでのギターの位置っていうのが、
せい子ちゃんの中で、はっきり定まってきたんやないか、と思った。


花粉にコロナ、何かと出かけるのが億劫になる日々だが、
この気持ちの解放感は家におるだけやったら、
たとえせい子ちゃんの音源聴いても得られない。
ライブってやっぱりええなあ。

休憩挟んで、初めて観る青木マリさん。まず立ち姿が素晴らしい。
全身黒づくめ、耳飾りとギターはゴールド。
スクッと立った姿がムジカの赤のカーテンに映える。

緩やかにギターの音が空気を染めて行く。
すっかり空気がマリさんの色に染まった頃、
その空気に乗っかるように、声が聴こえ始めた。
ミチロウさんが褒めてたって、せい子ちゃん言ってたけど、分かるなあ。
この空間の奥行きの広がり方は、なんとなくミチロウさんを思い起こさせる。

息が後ろから押し出してるような力強い声と、
ときどきフッと息を抜いたような声と、
指がギターの弦を擦るときに出るような息継ぎの声と。
硬派っぽいイメージもあるけど、こんな色っぽいボーカルって、
そうそう聴けないよな。

基本的には無音の世界、それを切り裂くように声が現れる、
そして歌が終わると世界はまた無音に包まれる。
そんなイメージが頭に浮かぶ。
似たイメージを受ける人を思い出すと、やはりミチロウさん、
そして友川カズキさん、あと鈴木常吉さんが浮かんだ。
みんな好きな人ばかりだ。マリさんを好きなならんわけがない。
※メロディーや声が似てるというわけではありません。
何というか音楽の佇まいに、共通するものを感じたんだと思います。

「カチンカチン」て曲がカッコ良かった。
そんな激しい曲やないけど、「ロックやなあ」と思った。
「ロックでござい」ってポーズしてるやつより、数百倍、ロックやと思った。

その「カチンカチン」も聴ける動画があった。
ちょっと長いけど、マリさんがようわかる動画やと思います。
イマイアキノブさんとやってるんや。
なんとなく、めっちゃ納得。

ラストはせい子ちゃんと、ミチロウさんの「ジャスト・ライク・ア・ボーイ」。
やったー!ただただ嬉しい。せい子ちゃんの下でハモるコーラスとか、
スキャットとか、もうたまらんわー!

アンコールはマリさん一人で、今日の余韻を楽しむように、
ゆっくりと、朗々と。


こんな時期なので、キャンセル多発やったらしく、
こじんまりとしたライブではあったが、
その分、ひとりひとりに濃密に歌が残った気がする。

深くて、ええライブやった。

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