久しぶりの、あなぐま亭。

あなぐま亭は、西向きに扉のあるお店。
西向いは、学校。昔のムジカを少し思い出す、いいロケーションだなあ。
西向きなので、明るいうちからのライブだと、
西日が差し込んで、時刻の変わるのが感じられるのが、なんだか嬉しい。

昼間からええライブ観て、美味しいもん食べれる期待に、ドキドキし始める。

ライブ始まる前、10分くらいの間に、最初頼んだ、チョレギ巻き、ベーコンとズッキーニ、
ヤゲン軟骨、インカの目覚め(じゃがいも)とうずらのインドポテサラ、全部喰うてもた。
全部美味しかったが、ベーコンとズッキーニにかかってたソースがたまらんかった。

美味しいものがちょっとずつ食べられるのは、
ワシのようなお一人様基本に動く人間にはありがたい。
そんで、皿の共有が憚られる今の状況にもあってる気がする。
ああ、美味しいもん食べ始めると、ブレーキなくすなあ。

そして17時過ぎから始まったのは、良元優作さん。「マミー」「たーちゃん」と家族の歌が続く。
ワシ的に騒動の期間は、家族を強く思う期間でもあった。
会えない分、母のこと、姉家族のこと、弟家族のこと、強く思った。
もう30年以上前に死んだ父のことも頭に浮かび、
父だったら、こういう時、どんなこと言うやろか、と思うことがよくあった。
なんかその気持ちと歌がシンクロしてる気がして、ええ滑り出しやなあ、思った。
次もちょっと変化球やけど家族の歌、「ネギネギブギウギ」。
人数限定ライブなので、コール&レスポンスも控えめで、これはこれでほっこりして面白い。
ほっこりムード高まったとこで「愛さずにいられない」。
え、これ、すごくいいぞ!
なんて、気持ちええ流れなんやろ。

ここまでは、ずっと家族中心のほっこり路線。
だけど、空気はさっと変わる。アベノボルさんの「何も考えない」。
この曲ですっかり優作さんの世界に巻き込まれた気がした。
もうどの曲が来ても、ワシは嬉しくてたまらんモードに入ってるのだろう。
アコーディオンに持ち替えて「ケセラ」。
本当に明日のことなんて分からんもんなあ。とにかく今を生きるだけ。
ずっとそうだったけど、今回のことで、さらに思った。
ワシにとっては「今を生きる」は、「今を楽しむ」と同意語やな。
苦労もあるし、泣きたい日もある。
だけど、それを含めて、生きている毎日が、全部愛おしいということを、
今回の騒動に教わった気がする。

何やるか迷った末「ヘタクソな歌」。
これが絶品やった。
いつもより肩から力抜いたくらいの、張らない声で、とつとつと歌う。
その分ギターの音が、クリアに聴こえる。
声を張らない強さを感じさせてくれるのは、間違いなくええミュージシャンや。

「たんぽぽと太陽」。いつもより抑え気味だけど、
今日は全体がずいぶん静かなライブなので、めっちゃ元気よく聴こえる。
その落差で「京阪電車」の静けさが、より落ち着いて聴こえて、心地よい。
ラストと言って「月と金星」。

ラストを惜しむお店からのリクエストで「ゆうれい」。
なんと初チャレンジのバンジョーバージョン。
ワシも思ったけど、バンジョーあまり曲に合わず、
途中で中断して、アコーディオンに持ち替え(笑)これが、浄土。
気持ちよくて、たまらん演奏でした。

ほっこりしてて、張り上げない声の美しさを感じさせてくれるライブだった。

そして、まだ明るいうちから、ナオユキさん(笑)
お昼のネタから始めるとこが、さすがやなー。
祭囃子ネタ、久しぶりやなあ。季節感あって、なんかええなあ。
こういうタイミングやからこそ、夏越しの祭りは、ちゃんとやらんとあかん気がする。

あれ?いつの間にか、酔っ払い話になってる。
気づかんうちに、もうナオユキさんの術に巻き込まれてる(笑)
ああ、やっぱり生はええなあ。たとえ生中継の同時配信やとしても、
本物の生と配信とは何かが違う。
同じ空気を共有してるからこそ、伝わるもんがあるんやろなあ。
あ、ワシは配信を否定してるわけやないですよ。
配信も面白いし、生と配信では面白さのポイントが違うし、
配信でも、生と録画だと、また違う、ということを実感した、ということを言いたかったのであった。
書き言葉と喋り言葉、どっちがええ?とか聞かれるのに似てる気がする。
どっちも、それぞれにええところがある。
配信は、まだ文化として浅いので、極めてる配信が少ないだけやと思う。
ワシ個人としては、だんだん配信は苦手やなあ、と思うところがあったんやけど、
配信でないと味わえない面白さを何度か味わせてもらった。
あとは好き嫌い。
たとえばプロ野球、「やっぱり球場で観たい」とゆー人と
「アップとか再生とかあるからテレビの方が」ゆー人がおるのと同じやと思う。

久しぶりのナオユキさんやけど、観てると、騒動の前の時間と繋がって、
なんや昨日もナオユキさんのライブ観てたような気持ちになった。
こういう日が戻って来たことが素直に嬉しい。
そんでナオユキさんは、やっぱズバ抜けて面白い。
ちょい腹がよじれて、旨い串出てきたのに、
まだまだ腹っ減ってるのに、
笑いすぎて、喰えなくなることが何度かあった。 あってしまった。

ちょっと息苦しくなって、外に出るとまだ明るい。
小さなお店なので、外に出てもナオユキさんの声は聴こえる。姿も観える。
ちょっとフェスに来てる気分で、それはそれで面白い。

最後は、ナオユキさんと優作さん、二人で、餃子くさいおっちゃんの歌に乗せて。
ネタではなくてフリートークっぽく。
ナオユキさんが、この騒動中考えてたこととかが、すごくよくわかって、それは基本的にワシも考えてたことで、
それがナオユキさんの口から出ると、ワシの脳味噌で考えてたのと内容的には同じなのに、
全然面白くて、なんやろ、なんか「同じ時間を生きてる」感じが、すごい嬉しかった。

ほんまに嬉しい時間やった。
楽しくて、嬉しくて、面白かったのに、
終わったとき、泣きそうになってるのは、なんでなんやろ、と少し思ったけど、
たぶん、それは、それで2020年6月28日として、正しいんやろな。

お店の前は、小学校。
お店の方に聞くと、廃校になったらしい。
こんなええ場所に。こんなええ建物やのに。もったいない。
ぜひ、つまらんあまり始めてるマンションとかにするんやなくて、
この建物活かした、おもろい展開して欲しいものだ。

ライブ終わったときは、まだ青空だったのに、
終わってから、人と話すのが楽しくて、わ〜わ〜言ってるうちに、
すっかり夜景に変わってしまった。

バラバラに帰ったのに、帰り道の堺筋線で、またナオユキさんと合流してしまう。
ほんの10分ほどだったが、
「やっぱりこの人、芸人さんとしても、人間としても好きやなあ」と
実感するには、十分な時間だった。

前と同じではないけど、こういうことをライブで感じられる日が戻ってきたことを、
今は素直に喜びたい。

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