大石みつのん＆ナオユキ＠清荒神 末廣寿司。

清荒神駅に降りたのは初めて。
ワシは地図好きなんだが、その割には方向音痴。
駅から500メートルという目的地に迷わず行けるか、
ちょっとドキドキしながら歩き始めると。
踏切のあたりから「橋本さん」と声かけられた。
ナオユキさんだ。
聞けば、一度会場には行ったらしい。
これで、も迷うことはない。ホッ。
清荒神は、名前の通り、清荒神さんの門前町。
平日なので閉まってるところも多いが、
坂に沿って、お土産物屋さんや、炭酸煎餅のお店が並ぶ。
「なんや観光に来てるみたいな気分ですねえ」
「天満の家（二人とも天満在住）から来てるのが嘘みたいな気がしますねえ」
ほんと、少し寂れた温泉街を歩いてるような気分になる。
何より、ナオユキさんとゆっくり歩いてるこの時間が、
満ち足りていて、幸せな気分だ。
なんとなく因島の商店街や、美保関の石畳の路地を思い出しながら、歩いていた。
しまった。こんないい道って知ってたら、
早く来て、清荒神さんにお参りしてから来るべきだった。
次の機会あれば、ぜひそうしよう。

今日の会場は、末廣寿司というお店。
お寿司屋さんと聞いてたので、カウンターと御座敷のお店を想像してたが、
広々してて気持ちいい。メニューも寿司に限らず、蕎麦などもある。
観光地にある昔ながらの食堂の風情。
立派なステージもこしらえてある。
意表突かれたけど、さらにライブが楽しみになる。
店の外ではつくつく法師が鳴いている。
大阪市内では滅多に聞けない鳴き声。
さらに観光気分が染みてくる。

まずは福岡から大石みつのんくん。
久しぶりやなあ。もちろん騒動の間は聴けてないし、たぶん今年初めてやな。
最初はインストナンバーから。なんかおしゃれやん。
みつのんくんのギター、ちょっといなたくてかっこええってこと、思い出した。
やっぱりちょっと聴かないと体感として忘れてるもんなんやな。
それを頭でなくて、なんか体が思い出す。
これは、ライブならではの感覚かもしれん。

みつのんくんの後ろは窓、提灯が灯っていく。なんとも門前町らしい風情。よろしいなあ。
みつのんくん、相変わらずMCも楽しい。
「ミルクジェイキンブルーズ」の腰使いも、キレがある。
自粛中も鍛錬を怠らなかったようだ（笑）
「テニスに行きましょう」は大熱演。何回聴いても笑ろてしまう。
自粛中にメロディ作って、松ノ葉楽団の松葉さんが作詞したって新曲、めっちゃ気持ちええ。

おお！ラストはとんちピクルスさんの「遠くでひばりが鳴いている」アップテンポ・バージョン。

こりゃカッチョ良い！気持ち良い！
ほんで、みっちゃんの口（くち）トロンボーン、
やっぱり最高！柔らかいのに、攻めてる感じが、たまらんです。
いつの間にか、みっちゃんの帽子が吹っ飛んでいる。
熱演の証拠やな。

対バンあるのに、アンコール。ええねえ。アンコールは、あの曲「死ねばいい」（笑）
ワシはちょっと寝不足気味だったのと、久しぶりのアルコールが効いて、
時々うとうとしてたのだけど、みっちゃんの♪〜ひねもすは、のたりのたり〜って歌詞で
ハッと目が覚めてしまった（笑）
あれは、ワシを起こそうとしてのアドリブ歌詞やったのかな？

休憩時間、外の風にあたりに出る。
だいぶ涼しくなってる。
蝉は鳴き止み、秋の虫の声が聞こえてくる。
月もきれいに輝いてる。
人間さんの騒動、関係なしに、季節は毎年の営みを進めているのだなあ。
なんとなく、ホッとする気持ちになった。

そして、続くのは、ワシ的には二日連続のナオユキさん。
今日はナオユキさんを初めて観るお客さんが多そう。
ゆっくりお客さんとの間合いを詰めていく。
酒以外のネタから始めて、徐々に酒話が混じる。いつしか酒の話ばかりになる。

あまり笑い声が聞こえない。今日のお客さんは、反応が薄いなあ、と思いつつ、
横を見てみると、声を出さず、噛み殺すように笑ってる人が何人かいた。
たまたま、そういう客の多い日だったようだ（笑）

今日もフリートークを混ぜる。
またちょっと違う種類の笑いが起こる。
あの手この手で、初めての客の脇腹をくすぐってくる。
最後のガム噛んでないおじさんでは、
噛み殺せず漏れてる笑いがだんだん大きくなってきた。
状況に合わせて、笑いに持って行くナオユキさんの
プロフェッショナルを、また観せてもらった。

最後は、ナオユキさん、みつのんくん、二人で。
これがまためちゃくちゃカッコいいトーキンブルース。

ワシ、個人的には、ナオユキさんとミュージシャンとのセッション、
一番ナオユキさんを知り抜いてるのは、みつのんくんやと思ってる。
乗せる、走らせる、引き戻す、ナオユキさんを見事に操る。
ナオユキさんも、それをわかってるから、遊べるだけ自由に遊んで、
最後、みつのんくんにポンと掘り投げるように終わった。
このやりとりが観られるだけでも、幸せだ。

初めてだけど、好きになってしまった町での、
なんか、このタイミングでしかあり得なかったライブ、
みつのんくん、ナオユキさん、末広寿司の皆さん、
企画・運営で頑張ってくれた平尾さん、ほんまにありがとうございます！
またここで、このメンバーでのライブ、お待ちしてます！
その時は、絶対清荒神、お参りします！