YAZ BAND@祇園PICK UP。

今日は久しぶりの祇園。
さすが祇園!と唸らせる町家の窓に生花をアレンジしたディスプレーに、
腰が引けつつ、目指したのは、
初めて行くライブバー、PICK UP。

小学校、中学校と同級で、今、本場ニューヨークで、
ジャズサックス吹いてる高ちょのライブを見に来たのだ。

高校は違ったが、全然音楽とかしてると知らんかった高ちょが、
ニューヨークでサックス吹いてると聞いたのは、5年ほど前。
おかん同士がご近所で仲良しのようで、
高ちょのYAZ BANDのCDを、ワシに。と預かって来てくれたのであった。

そして、今日、初めてライブで聞いた。
基本的には、ジャズ・フュージョンで、
少しファンクより。
なかなか激しいサックスを吹く。
同級生なので当然同い年、
汗ダラダラで首の筋立てて吹いてる姿見て、
脳溢血とか大丈夫やろか、とか少し思ってしもた。

客席は高ちょの高校の同級生が多く、
中には同じ中学から行って、
ワシも知ってる人もいるのだが、
少しアウェイ感。
けど、中学卒業以来、という友だちもいて、
同窓会の趣きもある。
そう言えば高ちょとも中学卒業以来だ。

ちなみにライブ前に高ちょは、ワシの顔見て、しばらく思い出さなかったが、
突然「橋本亮介?」とフルネームで呼び「別人やん!」と仰け反った。
わかりやすい反応。
ニューヨークに暮らしてても、関西人の魂は捨ててないようだ。

演奏を聴いてる間に、数十年の間、頭に浮かばなかった、
高ちょとの思い出が溢れてくる。
中学のときだったか、高ちょの家に行って、
お父さんが好きだったのか、べらぼうに並ぶ
ジャズレコードのコレクションにビックリした。
チャールズ・ミンガスやエリック・ドルフィーの名前を知ったのは、
そのときだったかもしれない。
もちろん、聴いても全く理解できなかったが。
あの頃、お父さんに聴かされたのかもしれないジャズが、
高ちょの中にはずっと息づいてて、
今の活動に繋がってるのかもしれないなあ。
だとしたら、お父さん、喜ばれてるんだろうなあ。

高ちょをサポートするギター、ベース、ドラムは、
ワシが普段聴く音楽とは少し違うので名前は存じ上げなかったが、
みんな凄腕!
タイトなドラムに、もくもくとリズムを刻むベース。
ギターは高ちょのサックスに味をつけるかと思うと、
突然きらびやかなソロを披露する。
ベース、いやにネックの幅も、音域も広いと思ったら五弦ベースだった。
見た目20代なのに、すごいテクニシャンだ。
ときどき、マイク・マイニエリや、デイヴ・グルーシンを
思わすような演奏に「世代やなあ〜」とニヤリとする。

演奏が終わると、高校の同窓会の雰囲気になってきたこともあって、
たつみ橋を渡って、
白川南通と大和大路の交差点すぐの、
いとこがやってるバーによって、一杯だけ飲んで、最終で帰ることにする。(二杯飲んだけど)。
30分くらいだが、いとこと話していると、
祇園も町フェスみたいなことやってて、
いとこの店でも西成の神様がライブやったという話が出る。
なんとなく嬉しくなりながら、最終電車に急ぐ。

たつみ橋を渡るとき、橋の上から白川を見ると、
気の早い蛍が一匹だけ、
飛ばずに、川べりで、
緑の光を、呼吸するようにゆっくり放っていた。
それがなんとなく、ニューヨークで一人で頑張る高ちょと重なった。

いつまでも、自分のリズムで、
好きな音楽で光り続けて欲しい。

いつになくウェットな文章になってもた。
蛍を見た初夏の京都、久しぶりの同級生、
軽い酔い、最終電車。
センチメンタルになるには、
十分な条件だ。
許してくれい。

【追記】
余談になるけど、
欲を言えば、小さな音での
繊細なフレーズも聴きたかったなあ、
と思いました。

演者が前に前に来る音楽も好きなんですが、
小さな音で耳をそばだてて、
観客の方から前に前に行く音楽も
好きなので。

サブウェイステーションで
耳目を集めるには、
小さな音では、いかんのかもしれませんね。
興味ない人を振り向かせることが主眼の、
ストリートミュージックをステップに、
高ちょに興味ある人の集まるホールライブにステップアップして、
どんな小さな音を聴かせてくれるのか。
次の来日が楽しみです。

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