初のワンマン、とは思えぬ凄さ。ヨダカノホシ＠ムジカジャポニカ。

音楽に順位をつけるってのが、どうにも苦手で、
絶対やりたくないことではあるのだが、
今、「最近聴いた中でオススメは？」と聞かれたら、
たぶん、真っ先に頭に浮かんで、
自信をもって答えるバンド「ヨダカノホシ」の
初ワンマンライブを観に、昨日、ムジカに行ってきた。

と、ここまで期待してたのに、時間勘違いして、10分ほど、遅れてしまった！
急げ〜〜！と２階にあるムジカへの階段を駆け上った。
（ワシの意識では駆け上ったのだが、客観的に見れば、
ノロノロと登っていたのかもしれない。）
すると、ムジカの入口前でタムロするメンバーたち。
あれ？まだ始まってないの？
聞くと、大雨で、メンバーの一人が遅れてるらしく、
開始もちょい遅れなのだそう。
全国各地で大雨に困ってる人が大勢いるのに申し訳ないが、
ワシは心の中で「大雨！あざっす！」と叫んだ。
迷惑被った方々、ほんま、すんません。

まもなく、ステージの横っちょで、パーカッションの人が、
ちょいアフリカンにも聴こえるリズムを叩き始める。
ヨダカノホシ、メンバーが多いので、ステージに乗り切らないのだ。

ひとり、ふたり、次第にメンバーが増えて行く。
音が、表情を帯びてくる。
かっちょええ始まり方やなあ！
まだ音源も未発表のバンドやのに、
バンド特有の世界がある。
そして、その完成度が恐ろしいレベル。
これから、このバンド、どんな進化していくのか、
先が想像できない。

と、クラリネットがカオスをつんざく。
その奔流に乗って楽しみながらも、
どこか抵抗してるかのようにも聴こえて、ゾクゾクした。
一人一人がそれぞれの意思を持ってないとできない音楽や。
デスクトップではきっとできん音楽や。

そして、そこにボーカルの松本くんが登場する。
今まで複雑で面白かったけど、モノクロだった世界が、
サッとカラーになったように感じる。

どことなくヨーロッパ、夜のヨーロッパ、
繁華街の裏手、暗くて薄汚い町が思い浮かぶ。
しかし、不思議なのは、このバンド、
どこか、気持ちは明るく、能天気なとこも感じるのだ。
言葉にすると矛盾してるようにも思えるけど、
聴いてもらえれば、ワシの言ってること、納得してくれる人、
きっといると思う。
ほんま、不思議なバンドやわあー。

ボーカルのユニゾンは、どことなく
レニングラードカウボーイズを思い出したりもする。
かと思うと、めっちゃパンクな、
音階なくてリズムだけのメロディ出てきたり、
アイリッシュなメロディ出てきたり、
ほんまガラクタのごった煮みたいなんやけど、
どの曲も、たったひとつのフレーズでも、
全部、ヨダカノホシっぽいと思える独自の世界創ってる。
ほんま結成まもないバンドなんやろか？

ジョンソンtsuは、アシッドマザーズのツアー行ってて、
前の日にアメリカから帰ってきたばっかりやのに、
めっちゃ楽しそうに弾きまくっている。

新曲は「朝マック食べたい」（笑）
松本くん、自粛期間中、マックばっかり食ってたらしいが、
夜型やから、朝マックっはなかなか食えなかったらしい。
あの呼び出し音も混じってて笑うんやけど、
曲全体は、えらいかっこええやん！
スクリーミンホーキンスかトムウェイツか、
みたいなやさぐれて、男っぽい音が響いている。

なんか数名ステージに残して、半分休憩、
半分演奏みたいなアイドルタイム始まった（笑）
自由なバンドや。

その間の演奏、けっこう本気のジャズで、
頭で考えると、ヨダカノホシで聴くような音楽ではない気もするんやけど、
やっぱり体感的には、ヨダカノホシの音楽やなあ、と思える。
これって、すごいことかもしれん。

音楽続いたまま、休憩やトイレや酒の注文済ませたメンバーが、
ステージに全員復帰する。
この自由さ、楽しくてええなあ。
なんかこんなライブ、初めてかも。

出ました！ヤカンが白い息を吐きまくる「お化けのタンゴ」。
やっぱり楽しいー！

拓郎くん、体幹、しっかりしてきたのか、
前回より、揺れが少ない（笑）

アンコールの「響けアコーディオン」も大好きな曲。
うす汚れてて、大きくて、優しいワルツ。
一拍目の音が強烈なので、一拍子三連符にも聴こえる。
この力強さって、聴いたことないかもしれんなあ。

思ったより、早く終わったことだけが、
「新しいバンドやから、持ち歌少ないんやなあ」と、
バンド歴が浅いことを感じさせる、
堂々としたベテランのようなライブでした。
こんだけしっかりした太い軸のあるバンド、
これからどんな展開していくのか、
楽しみでなりません。
皆さん、是非一度、聴いてみてください！

動画もまだ少ないみたいで、あまり見つかりませんでした。
この動画、1時間もあるのですが、
ワシの文章で興味持った人、是非、少しだけでも聴いてみてください。
ほんと、お願いします！