ジョンソン・ツ・バンドvsUZ JSME DOMA(ウシュ・スメ・ドマ)@ミセス・ドルフィン。

今日は、昨日アシッドマザーズテンプルの
南米ツアーから帰ってきたばかりで、
(たぶん)時差ボケ中の、ジョンソン・ツ率いる
「ジョンソン・tsu・バンド」通称「tsuバンド」
(今、ワシが決めた通称)。

時差ボケなんのその!一曲目から飛ばしまくる。
民族フォークをこじらせてプログレなっちゃったような、
変態バカテク音楽!
インプロビゼーションもあって、
みんなやってることバラバラに聞こえるとこもあるのに、
合うとこはピタッと合うのが、不思議でならん。
カオスやのに「一糸乱れぬ」って、
矛盾してるような言い方が、
ピタッと来てしまう、おかしなバンド。
こんなバンドふたつとないやろなー。

しかし、このバンド、テクニックに走ってるわけやなく、
かっこたるグルーヴがあって、作ろうとする世界があるのが、
曲を重ねるとどんどんはっきり見えてくる。
しかも、なに言ってるかわからんジョンソン語含め、
なんかユーモアもあって、笑ってしまうバンドなのだ。

ラストの曲は、女性二人がオペラのようなハイトーンで歌うやつ。
これもカッコええんよなあ。
オペラっぽいとこは、ちょっと中世っぽいとか思ったりするけど、
インストになると、なんか
未来世紀ブラジルに出てくる近未来の
やさぐれた風景みたいな感じになったり。
文字にすると、全然違うトーンみたいやけど、
これが不思議と同じひとつの世界を構成してるんよなー。

アッコちゃん、ジョンソンの連続ホーミー!
ホーミーて、こんな誰でもできるテクやったっけ?
そんなはずあるかい!
1バンドにホーミーできるやつが二人もおるとは!
しかもそれを売り物にしてるわけやなく、
最後に一回、やっただけ。

普段メシとか喰ってると、
のんびりしたおもろい4人やのに、
一緒に演奏始めると、こんなエネルギー放出するんやなー。
対バンあるのに、しばらくアンコールの拍手、鳴り止まず。
初めてtsuバンド観る人が
「めちゃくちゃ良かったなー!」
ゆーてるの聞くと、ほんま嬉しなりますわー。
今日も、tsuバンド、最高でございました。

tsuバンド、まだ動画が見つからないので、
ジョンソンtsuのソロアルバムのダイジェストを。

対バンは初めて聴くチェコのバンド。
「UZ JSME DOMA(ウシュ・スメ・ドマ)」。
説明によると、
「チェコの伝説的アヴァンギャルドロックバンドが、
新作“ICE-FLOES(流氷)”と共に6年振りの来日ツアー!!」
らしい。
そら、楽しみになりますわ。

まず第一印象は、みんなでかい!!
特にドラムの背の高さ!!
椅子の高さ、信ちゃん以上かも(笑)

こっちも始まった途端、ぶっ飛んでる!
いきなりの気の狂ったようなトランペットが、
Pigbagを思い出させた。

ドラムが超速爆音!歌はおっさんのゴツゴツした声のユニゾン。
めっちゃカッコええのに、そこはかと香るダメ臭が、
余計、ワシの琴線をかきむしる。
チェコには行ったことないが、
なんとなく「これがチェコらしさなんか?」と思える
土臭さがあるのも、たまらん。
音楽には、それの生まれた土地の匂いが
ないとあかんよなー!と思う。

なんとなくミシャ・メルゲンベルクのような
ヨーロッパジャズのガチャガチャしたとことも繋がる気がする。

トランペット、めっちゃうまくて
ひとつひとつの音クリアなんやけど、
「なんでその繋がり?」と思う
飛び跳ね方して、そこにグイグイ引き込まれる。
ドラム、腕力そーとーないと、こんな太い音、出んよなー!
と思うぐらい地響き立てる力強さやのに、
重くはなく、むしろ軽やかと言ってええほど、動き回る。
こんなドラム聴いたことない。
ベースも地面の下に潜り込んで、
ワシのケツから飛び出してきたかのような
ぶっとく響く音で、駆けずり回る。 
ギターはノイジーで全体をええ具合に
薄汚れた感じに味付けする。
なんか、もう全部が破格!

ボーカルはギターの人がメインで、
ベースがコーラスやユニゾンで入ってくる。
ときどきペットもユニゾンのときに入って、
3人ユニゾンは、めっちゃ迫力ある。

ギターの人とベースの人が歌ってると、
ギターの人はなんか哲学者のような
マッドサイエンスような風貌なのに、
ベースの人は市場でフルーツ売ってそうな
にこやかなおっちゃんみたいでおもろい。
その体で言うと、
ペットは世話焼きのトラック運転手で、
ドラムは気のいい、無駄に体力あるカフェ店員か。

ギターの弦が切れてミニブレイクの後も、
テンション下がらずバッキバキ!
考えたら、チェコのバンドって、
ライブで観るのどころか、
聴くのも初めてやと思う。
それがこんなすごいバンドやったから、
今のところ、チェコのバンドシーン、
ええイメージしかないわ。
ラストの曲がまた、たまらんかっこええ!!
特に、ペットの音にギター&ベースがコーラスで
ユニゾンするとこがたまらんかった。

こう書くと、ゴリゴリの男臭い音楽想像するかもしれんけど、
なんか聴いてるうち、知らん間に笑ってるような
おもろいところもある音楽なのだ。

アンコールは、ノリのいい
ストレートなロックやったけど、
やっぱりそこにも、なんかおかしなもんが混ざる。
このクセ、たまらんわー。

ダブルアンコールに合わせて、
ドラムとペットが「ピィルピィルパパピィール」?
謎の言葉を繰り返し、そこにベースがリズム付け、
ギターがボーカル乗せて、曲に。
最後みんなで「にゃ〜にゃにゃにゃ〜〜ん」
なんちゅ〜人食ったバンドや(笑)

おおお!トリプルアンコール!!
お客さんのノリも最高やったなあ。
1時間半くらいやってくれたんかなあ?
ほんまに一瞬たりとも見逃したくない
最高のライブでした。

アンコールのたびに、深々と頭下げるのも、
「日本じゃ、こうするんよ」と誰かに教えてもらって、
やってはるんやろうなあ。
ゴツくてでかいおっさんばかりやけど、
なんか、かいらしい。

終わってから、ワタンベに
「頭の良さそうなバンドやと思ってたけど、
頭良くて、おもろかったなあ」と言うと、
ワタンベに「ほんまに頭ええってことや」言われた。
その通りや。
頭の良さを前に出さず、おもろさに包む。
前に出すより、ずっと賢いやんか。
ワタンベも、すごいな!
そのワタンベとアッコちゃん、ほんでかんちゃんにも、
橋本さん、最後踊ってたで!言われた。
言われるまで気がつかんかった(笑)

考えてみたら、今日のバンド、二つとも、
カッコ良くて、バカテクで、その上、おもろいってとこまで、
共通してた。
その上、今日のボーカル、tsuバンドはジョンソン語やし、
UZ JSME DOMAはチェコ語やし(たぶん)、
意味、一個もわからんかった。
けど、あんだけ、興奮した。
言葉の意味とかわからんでも、
なんかものすごいもんが伝わってたんやろなあ。
ええ対バンやった。
大満足。

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