良元優作トリオ@磔磔。

今日の夜の部は、磔磔で良元優作さんのライブ。
まだ観たことない組み合わせのトリオだったので、
気になって来てみた。

ますば優作さんとウッドベースの今井健太さん出て来て、
「ペンノレ」から。
優作さんがひとりで歌い弾き始め、
途中で今井さんが加わる。
おお!二人になった瞬間、ふっと広がった!
なんかドローンで、地上の視点から、
いきなり広い俯瞰の絵になったような感じがした。

おお!今日ワシ乗って来たぞ「京阪電車」や。
今井さんのひとつずつ置いていくような
ウッドベースが心地よい。
ぽつりぽつりと振り始める雪のようや。

「春の虹」は、こないだMCで初めて知ったけど、
20年くらい前、つまり優作さんが、
20代前半の頃の歌らしい。
そんな前に、こんな大人の優しい歌作ってたんやなあ。

「月と金星」の「こないだ死んだ兄貴には、、」
というフレーズが胸をえぐる。
ワシもいつか、こんなふうに、
毎日のこととして微笑んで、
あの人を思い出せるようになるのだろうか。

あ、「石」。鈴木常吉さんには、
元気で帰って来て欲しいなあ。
まだ自由になんて、ならんでください。
優作さんの「石」は、常吉さんのことを思ってるからか、
いつもより優しく聴こえた。

「天ぷら」。こんな楽しい歌が今は、とても嬉しい。
なんか今日初めて笑った気がした。

「水滴」はちょっとかわいらしいラブソング。
磔磔の高い天井から音が水滴のように
こぼれてくる気がした。
そー言えば、今井さん、弓を全然使わないな。
ジャズのウッドベースて、そーゆーもんなんかな。
ひとつひとつの音が、きれいな粒になって、
耳に届くのが心地よい。

「昨日見た夕陽」が、ワシの胸にグイグイと迫って来る。
このギリギリの切ない歌、
ときどきひとりでいるときに思い出す。
なんか大事なときに、いつも思い出してる気がする。

ふちがみとふなとさんの「愛さずにいられない」。
ふちふなさんも、もちろんウッドベースで弾くけど、
船戸さんと今井さん、同じウッドベースでも、
こんなに感じが違うんやなあ。
どっちも好きやけど。

「マミー」も、気持ちが弱ったときに思い出す歌。
1時間かからん実家やのに、滅多に帰らん。
親不孝な息子ですわ。
帰っても、おかんが喋るだけで、
ワシからは、ほとんどなんも話さんこともあるけど、
顔だけでも見せに帰ろう。

一部のラストは「たあちゃん」。
亡くなられたお兄さんを歌った曲。
ワシには兄貴はおらんけど、
兄貴みたいに慕う人はいる。
今日は、その人のことを思いながら、
この歌を聴いた。
少し悲しくなったけど、なんかほっこりした。
今日、この曲聴けて良かった。

「あともう一曲」と言って「す・喫茶」。
お!今井さんも歌った!
ワシの好きな、昔ながらの「純喫茶」まで行かん、
昔はどこにでもあった町の喫茶店が思い浮かんだ。
新聞と雑誌で時間潰す感じの。
コーラス入ると、ちょっとコミカルなって、おもろかった。

二部は、パイレーツカヌーのヨッシーも入ってトリオで。
この3人の組み合わせが、気になってたのだ。
一曲目は「星を見ながら」。
久しぶりに聴くめっちゃ好きな曲やけど、
この曲の原曲がウディ・ガスリーとは知らんかった!
ヨッシーのドラム、いい!
ちょっと明るくてウキウキする。
こないだの弦牧さんのドラムとは
また違った味感が楽しい。

「まあいいやで日が暮れて」。
こういう気分のとき、本当に助けられる。
なるようにしかならんよな、
哀しみも、辛さも、自分でどうこうしようしても
仕方ないものなんだろう。
悩んでも仕方ない。悲しんでも仕方ない。
悩んで解決できるようなものなら、哀しみとは言えない。
悲しんで、どうにかなるなら、ほっといてもどうにかなる。
哀しみも、辛さも、自分の一部の痛みとして、
抱えたまま、生きていくしかないのだ。

お!優作さんと今井さんがエレキに持ち替えた!
「たんぽぽと太陽」や!
この曲、めっちゃ気持ちいいロックンロールナンバーに、
なってた。ひたすら、かっこええ!!
ニューアルバムにこの曲入ってるはず!
発売が、めっちゃ楽しみになって来た。

「道間違える」は、なんか
マーカス・ミラーのようなベースリフ!
ドラムは小気味いいくらい軽快、
ギターもちょっと黒めで、
なんとなく大阪のバー、アフターアワーズを思い出した。
よう聴いてる曲なのに、全然違って聴こえる。 
カッチョいい!
プレ・レコ発ライブってのが、よくわかった。

今度は優作さん、ピアノに向かい、
「ジェラス・ウーマン」。
優作さん、またピアノうまなってるなあ!
昔からときどき聴いてた歌やけど、
どんどん良くなって行く。

同じくピアノで「I wish Iknew how 」かな?
これも楽しい感じで、バンドサウンドとして固まって来てるなあ。
優作さんが、どんどん広がってる。
ほんまに嬉しい。

アコギ、ウドベに戻って「サンバレー」。
めっちゃ好きな歌。
久しぶりに聴く。。。と思ってたら??
ん?全然違う歌になってるぞ(笑)
歌詞も、メロディも、もう新曲。
なんかテックスメックスっぽくも、
スカっぽくもある感じ。
アメリカの南部とかカリブとかで
ストリートミュージシャンがやってるような気がした。
これはこれでええやん。
ほんま、広がり方が加速度的!最近の優作さん。

ラストは「風につらつら」。
この曲はバンドスタイルがめっちゃ合う。
温度が3度ほど上がってる気がするが、
不思議なことに、心地良さもアップしている。
ああ、爽快!!

アンコールは優作さん、アコーディオンに持ち替えて、
鈴木常吉さんの「アカヒゲ」。
お!これはヨッシーも今井さんもコーラス参加!
ヨッシー、いつの間にか、マレットに持ち替えてる。
柔らかい音がこの曲によく合う。

試しに聴きに来た、このトリオ、
ほんまに良かった。
そして、個人的にも、このタイミングで、
優作さん聴けて、ほんまに助かった。

終わってから、ヨッシー、今井さん、
西田辺から遠征して聴きにきた片岡くんと話し込む。
優作さんもときどき会話に入ってくれる。
今井さんの弓のこととか、ヨッシーから
パイレーツカヌーやラリパパの話、いろいろ聞けたし、
優作さんに「サンバレー」の劇的な変化の話も聴けた。

ちょっとまだ飲みたい気分だったので、
片岡くんと阪急電車で、アート飲み。

片岡くんと話してて「そうそう!!」と共感しあったんだけど、
優作さんの音楽は、弱い人間を弱いまま、
「ええよ」と言ってくれるところがある。
「頑張ってれば、必ず勝てる」とか
「前を向いて歩いていけばいい」とか、
そういうのは、強者の言い草で、それでどうにかなるんだったら、
歌なんてなくても、どうにかなる気がする。
そうやって、生きて行くことにさえ、疲れて、
どうにもならなくなった弱者にこそ、歌が必要で、
そういうときに必要な歌は、
良元優作さんのような歌なのだ。
少なくとも、ワシにとっては。
それを確信した夜であった。

※すみません。ちょっとここで説明しきれない、
ここでは、意味がわかりにくい部分が含まれてると思いますが、
それは、ワシの中で、まだ整理できずにいる部分が、
滲み出てるためだと思います。
その部分をカットしようとしてみたんですが、
そうするとどうにもウソを言ってるような気がしてきたので、
気持ちのまま、書くことにしました。
後日、その辺は、文章にしてみようと思ってます。
今回は、見逃してください。
よろしくお願いします。

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