「東京ブラックホールⅡ破壊と創造の1964年」。
平井さんに教えてもらって、「東京ブラックホールⅡ」観られた。
平井さん、ありがとうございます!
やっぱり面白かった。
と言うより、興味深かったと言うべきか。
あの時代が、みんな「貧しくとも前を向いて生きている幸せな時代だった」という
ステレオタイプのイメージで、くくれる時代では決してなかったことが、
当時の実写と、それと合成された山田孝之さん他の演技で、
ズシンと響いて来た。
あの頃もオリンピックは決して、日本人みんなの希望ではなく、
いろんな矛盾を抱えて、優先すべき課題が山ほどあったのに、
国家予算の1/3をもオリンピックに傾注したこと、
オリンピックの後は揺り返しの不景気で、日本は大変なことになって、
赤字国債をついに発行したのも、その不景気がきっかけだったことなど、
今まで知らなかったことも、いろいろあった。
「いだてん」で、前回のオリンピックをモチーフに、
オリンピック 熱を高めようとしてるのと同じ局が、
熱に浮かされず、客観的な番組を作ってる。
少しNHKを見直した。
面白かったのは、当時、まだ東京の大半が汲み取り式便所だったのに、
大会期間中は、街をバキュームカーが通らないよう、
汲み取りを中断したって話。
そこで暮らす人々の生活、犠牲にしてでも、見栄をはる。
前回も、今回も糞尿が問題になってるんやな。
と言うか、糞尿問題をきちんと解決してはなかったんやな。
結局、国威発揚のため、無理矢理のオリンピック景気で、
予算をバンバン使って建築業界を一時的に刺激して、
後のことは、ちゃんと考えてない、行き当たりばったり、
というところは、前回も、今回も同じなんやな。
前回のオリンピックの良かったとこだけ夢見て、
あかんかったことを認識していないと、
同じ轍にハマるのは、目に見えてる気がするんやけどなあ。
「東京ブラックホール」の「1」、「戦後0年」の方も、
平井さんに教えてもらって、観られた。
こちらも、よくできてて、勉強になった。
過去映像と、合成して、物語を進める、
物語にドキュメンタリー的報道を挟み込んでいく、
手法的には、斬新だけど、
その手法に踊らされてるわけではなく、
描こうとすることの説得力を増すために
手法を利用してるとこも、素晴らしいと思った。
おいおい消されるだろうから、観たい人は、
早めに観ておくことをお勧めします。
2020年3月31日現在、「東京ブラックホールⅡ」は、
NHKオンデマンドで観られます。(20200331記)