劇団どくんご「誓いはスカーレット」@長居公園特設テント。

意味など分からない。わかる必要もないかもしれない。
「なんかすごいもん観た!」「おもろかった」「また観たい」で
十分なのかもしれない。

昨日、劇団どくんごの公演「誓いはスカーレット」を
長居公園に観に行った。

ずっと昔に、都知事選の政見放送で有名な革命家、
外山恒一さんに教えてもらって、興味を持って、
数年前に福岡の手島さんから
「おもろいですよ!説明できんけど」と言われて、
さらに気になったけど、タイミングが合わず、
ずっと行けてなかった。
今回、やっと、うまく予定に組み込めたら、
先にやった米子の公演を、友だち連中が
サポートしたらしく、「良かった!」「凄かった!」
と口々に言うものだから、さらに期待が膨らんで、
かなり前のめりになって出かけたのだった。

行ってみると思ったより小さなテントだが満員の観客、
客席にもスタッフ席にも知った顔がチラホラ。
それが「この人が来てるライブは間違いない」という
連中の顔ばかりなので、余計に開演時刻が待ち遠しくなる。

始まった!!まずは音楽の演奏から。
音楽劇?と思ったが、それはオープニングだったようで、
演技が始まると、何かがものすごいスピードで
駆け抜けて行くようなイメージだった。
それは何か、詩か、物語の断片のよう。
しかし、全体を貫くストーリーなどなさそうだ。
ひとつひとつの意味を理解しようとしてると、
すぐに状況について行けなくなることは、
始まって5分もせずにわかった。
とりあえず、目の前にあるものを楽しもう。

言葉の積み重ねや、役者のポーズ、表情で、
なにがおかしいのか分からんままに笑ってしまう。
ジェットコースターに乗ってるような気持ちにもなる。
背景はカーテン状のカキワリ。
ひとつひとつの絵も面白いのだが、
それが場面ごと、下手すりゃ同じ場面で
いくつも変わったりする。
瞼を閉じてる暇もない。
いきなり、そのカキワリが影絵のスクリーンにもなった。
なに?次は一体何が起こる?

そのカーテン状のカキワリがなくなったと思ったら、
突然、テント全体の壁までなくなってしまった。
いきなり夜の長居公園の風景が広がる。
そして、役者が、テントを飛び出して、
公園をステージに演技をし始める。
壁がなくなって、向こうの風景が広がったときは、
ちょっと維新派の演出を思い出したが、
維新派も、役者が外まで行くことは、
ワシの記憶の中ではなかった。
そしてどくんごは全国を廻る劇団。
その会場会場で、この瞬間、
違う景色が広がるのだろう。
その状況は、きっと役者にも影響するので、
毎回、違う印象の公演になるんだろうな。
もちろん、天気の影響もあるだろうし。

役者たちは、その公園で、なぜか測量を始めてる。
もうほんまに何が起こるか、わからない。

何が起こっても、びっくりしないやろうと思ってた刹那、
役者が、テントに戻って来て、、
ステージにしてた木材を片付け始めた。
すると、そこは浅いプールになってて、
その水に浸かりながら演技を始めて、
やっぱりまた驚かされてしまった。

ようやく、音楽に戻ってエンディング。
息をつく暇もないとは、まさに、このことだ。

終わったら、もう一度、木材を広げ直して、
そこで、物販&打ち上げ。
ワシもビールとおにぎりをご馳走になった。

音楽も、演技も、言葉も、美術も、影絵も、
ひとつひとつ取れば、高いレベルとは言えないかもしれない。
たぶん、そんなことは二の次の問題だ。
彼らがやりたいのは、そういうひとつひとつではなく、
今までの既成のもの、何ものにも囚われない「自由」なのだろう。
あの形で初めて表現できるなにものか、なんだろう。

観た人、関係者、誰もが勧めるけれど、
「とにかく実際に観てみてよ」という理由がよくわかった。
ワシのこの文章も、観て来たこと、感じたことの半分も
表現できてないと思う。
何より、その時受けた衝撃なんて、表現のしようもない。

だから、観たことのない人に、とにかく観て欲しい。
劇団どくんごの全国公演は、まだまだ前半戦。
これから年末まで、全国を廻らはります。
劇団どくんどホームページ。
10月末〜11月頭は京都に来るみたいなんで、
ワシもまた行こう!と思っております。

なんだか刺激受けすぎて、ふらふらになって地下鉄乗ったが、
家に帰る乗り換え駅が、動物園前だったので、
つい途中下車して「釜晴れ」で、難波屋のチカさんと、
釜晴れの早苗ちゃんと話し込んでしまった。
きっとどくんごのこと、誰かに語りたかったんやろな。

※ちかさん、写真無断拝借、すんません!

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


社会

前の記事

校則なき公立中学校。
展覧会

次の記事

ジョン・ルーリー展。