力なき者たちの力。

2月の「100分de名著」は、
ビロード革命を成し遂げて、
チェコの大統領を務めた
ヴァーツラフ・ハヴェルの「力なき者たちの力」。

全然知らん本やったんやけど、
なんか今の社会を覆う「どうせ変わらないから」とか、
「右にならえしときゃええか」みたいな
気分の秘密を解き明かしてくれそうな気がする。

第一回でハヴェルが言ってたのは、
そういう雰囲気を作り出す源は、
イデオロギーってものだということ。
このイデオロギー、ワシらがイメージするもんとは、
少し違って、今の日本語に意訳すると、
同調圧力とか、忖度とか、
それを呼び覚ますスローガンのような一文
ってことのようだ。

それのために、人は対価として、
理性(自分で考え判断すること)、
良心(自分の心が訴えること)、
責任(自分の行為に対する応答)を
支払う、と説く。
つまり、そのイデオロギーを掲げるところで、
判断を、自分の外に全部置いてしまう
ってことなんだと思う。

その結果、一人一人は支配される側でありながら、
支配の一翼を担うことになる、と説く。

進行役の伊集院光さんがここで出した例、
NHKでよく言ったな、と思うけど、
東京オリンピックを取り巻く状況がまさにそれだと思う。
なんだか、今さら「反対」とは言いづらいムードが、
社会として醸成されている。
はっきり言って、ワシは、
反対意見を封じ込めそうなこの状況が怖い。

この本をハヴェルが書いたのは、
共産主義政権下の地下活動なので、
その動きはポスト全体主義と捉えられてる。
全体主義が、ある指導者の元進んだ、
〜二次大戦時代に比べ、
ポスト全体主義は、それを推し進める個人が存在しない。
個人ではなく、いわば社会全体が、
そのエンジンになっている。
標的のはっきりしてる全体主義より、
ある意味恐ろしい。

どんな結果になっても、誰も責任を取らない今の社会を、
読み解く鍵が、この中にありそうな気がする。

100分de名著は、25分ずつの四回シリーズ。
これから、どう秘密を解き明かしてくれるのか、楽しみだ。
ホームページ見ると、全4回の解説があるのだが、
オンエアで、観ていきたいので、
第一回以外は読まないようにしてる。

日本人みんなに観てもろて、
考えてもらいたい番組やなあ。
第一回も、明日、水曜の朝5時30分と昼0時から
再放送あるので、これからでも間に合います。
是非、見始めてください!

テレビない方はオンデマンドでも配信してるようなんで、是非!くれぐれも!

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