革新と保守、真逆の立場のリーダーが、同じ道を歩む、その道筋に日本の問題が見え隠れする。BBBムービー「太陽(ティダ)の運命。

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筑紫哲也さんとともに、沖縄について考え、
世に問い続けている、骨のあるジャーナリスト、
佐古忠彦さん、監督のドキュメンタリー映画。

今までの映画の感想など関連のブログは、こちら。

素晴らしかった。
大田昌秀さんと翁長雄志さん、
革新と保守、真逆の立場だし、
議会で丁々発止、やり合った二人やけど、
最終的には、沖縄に住む人々のことを第一に、
沖縄の人々の尊厳のために、
瓜二つと言ってええほどの、
政策への道を歩んだ二人のドキュメンタリー。

なぜ、そうなるのか。
保守、革新の立場を超えて、
戦わねばならない相手が、沖縄には、いるからなのだろう。
それが、アメリカ政府、
そして、その手前で、アメリカ政府以上に、
アメリカ政府を忖度する日本政府だという不幸。

観てて、何度も涙が出た。
しかも、それぞれ違う、いろんな種類の涙だった気がする。
戦争中も、今も、踏み躙られてる沖縄への涙、
それを許してしまっている内地の人間としての自分への怒り、
舌戦を繰り広げたたのに、顔は合わせずとも、
認め合って、同じ道を選んでる二人の尊さへの敬意。

映画の中で大田さんの口から、
「醜い日本人」という言葉が出てくる。
自分たちの安全、安心のために、
沖縄の人たちの尊厳を踏み躙っても、
直接的ではないからと、知らんふりしていられる内地の人間。
それどころか、いまだに沖縄への差別意識を持った人が、
少なからず、いるという現実。
その現実から目を背けようとしてる人間の、
気づいてさえいない人間の、
卑怯さを大田さんは、言ったのだろう。
それは、大田さんが口にした当時から、
何も変わってないのかもしれない。

沖縄の現実を見ると、内地の保守のナショナリズムが、
いかに歪なのかが見えてくる。
ナショナリズムを肯定するわけではないけど、
ナショナリズムというのは、基本的には、
愛国心のあまり、自国ファーストになってしまう
思想のことだと思う。
ところが、沖縄を見ると、
日本の保守層は、日本の一部である、沖縄よりも、
確実にアメリカを優先しているように思える。

「戦後レジームからの脱却」というなら、
憲法より何より、
日本国民より、アメリカを優先する、
占領下のような姿勢を脱却するべきではないのだろうか。
「日本は自国よりも、アメリカのために、尽くす」
それが当たり前のように感じられること、
それこそが、占領下と日米安保という政策を通じて、
アメリカが日本に仕掛けた「戦後レジーム」だと思う。

トランプ、ほんまに困ったおっさんだが、
これだけ「アメリカファースト」言いまくって、
アメリカの信用をなくすことをやられると、
もしかしたら、日本が、その「アメリカファースト」の
ポジションから、脱却するきっかけができるかも、とふと思った。
まあ、ほんまに困ったおっさんて気持ちは変わらないし、
肯定するつもりもないんやけど、
そんな困ったおっさんが、世界を牛耳ってる事実は、
変わらんのやから、
なんかそこから、ええことを引き出さんとあかんって、
気持ちなんやろうと、自己分析いたするところではあります。

「沖縄の問題」としてではなく、
「日本が抱える問題を写す鏡としての沖縄」として、
絶対に観るべき映画なのではないか、と思った。

映画の中に、何度かお会いしたことのある、
宮里千里さんが出てきた。
翁長さんが那覇市長になった時、
宮里さんが、参謀に抜擢されて、びっくりして
「私、市長に投票してないです」ゆーたら、
翁長さんが「分かってる」ゆーて、引き受けた、
ってやり取りに痺れました。
二人とも、かっこよすぎます!

【追記】
後日、監督の佐古さんのコメントを見つけました。

全く逆の立場で、 議会で反発しあった二人が、
トレースするように、同じ方向に進む。
そこにこそ、今も続く沖縄の問題があるのだと思います。
(20250612記)

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