50年以上、戦い続けるチリの監督が、1970年の短いチリの春を記録した。BBBムービー「最初の年:民意が生んだ、社会主義アジェンデ政権」。
公式サイト
1970年、世界初の民主的選挙によってチリで、社会主義政権が誕生した。
この映画は、その時の喜びを爆発させたような民衆のすがたを追った、
ドキュメンタリー映画。

結局、この政権はアメリカCIAのバックアップを受けた、
軍部の武力で潰され、その軍部政権は左派を徹底的に弾圧し、
3,000人を超える人々が虐殺される。
その中には「平和に生きる権利」を歌ったビクトル・ハラもいた。
その後、チリは新自由主義の実験場のようになり、
多くの命が失われる。
この映画を若き日に作った監督、パトリシオ・グスマンさんは、
その後、ヨーロッパに亡命し、
チリの歴史を記録する映画を作り続けている。
今年の頭に観た「私の想う国」も、このグスマン監督の作品。
50年以上、映画で戦ってる。
すごい意志を持った監督やなあ。
古いモノクロ映像で、同じような場面が続くので、
なかなか寝落ちせずに観るのが辛い映画であったが、
地球の反対側で、あまり情報も入ってこない、チリの歴史、
観ないとわからないチリの歴史が、
垣間見られて良かった。
今のチリの状況、ほんまに民衆が勝ち取った、もんなんやなあ。
それを武力で潰そうとする軍部と、
自国の利益のために、軍部を支援するアメリカ。
「プラハの春」でも感じたけど、イデオロギー関係なく、
大国が自国の利益のために、他国の内政に割り込むと、
必ず、多くの無辜の民の命が失われる。
世界が、大国に武力と経済力で蹂躙されつつある今、
この映画がリバイバル公開された意味は、大きいと思う。
政治の話ではないけど、
同じ軍事政権の中で、生き抜いた夫婦の話。
お隣、ブラジルの話だけど、
軍事政権の理不尽さを感じる話。
理不尽な軍部独裁が、この世から消えますように。
大国の武力や経済力を武器にした干渉がなくなりますように。
この映画がチリで上映できる状況が、いつまでも続きますように。

