圧巻、ナオユキ×梅津和時fromムジカジャポニカ 。

まずは、この動画を。
期間限定かもしれないので、できるだけ早く観ておいた方がいいと思う。
で、今日の23時までなら、投げ銭できるので、是非してください。
投げ銭したら、その人は、この作品の制作参加者になれる。
それが、光栄だと思えるような動画だと思います。

https://www.youtube.com/watch?v=2rCZWLQgf40

動画はムジカジャポニカから、昨晩、生配信された、ナオユキさんのライブ。
なんと、バックの演奏は梅津和時さん。
(たぶん)ナオユキさんをイメージして梅津さんが吹き込んだ音源が流れる。

ライブは、いつもとはかなり違う雰囲気で始まった。
まずは、いつものように、かんちゃんの出囃子のアコーディオン。
だけど、ナオユキさんが登場しても、拍手がない、
ネタを始めても。笑い声がしない。
無観客なので、当たり前だが、これだけで、
なんだかいつもと違う雰囲気が流れ始める。
ムジカのクリムゾンに近い濃い赤に、
生成りの衣装を身にしたナオユキさんが浮かび上がる。

しばらくネタが続くと、満を持したように、
梅津さんのサックスが入ってくる。
サッとムードが変わる。
なんなのだろう。これは。ワシは今、何を観てるのだろう。
一体、どういうジャンルのステージなのだろう。
ちょっと考えてみたが、思いつかない。
つまり、今まで観たこともない新しいものが生まれてるのかもしれない、
としか考えられなかった。

もちろん、おもろい。けど、お笑い、という言葉がしっくりとこない。
何か一人芝居の演劇を観ているような気もするし、
人の愚かさを詠う叙事詩の朗読を観てるような気にもなる。
おもろいという言葉さえ、少し違う気がしてきた。
なんか怖くさえある。人間の奥底を覗いて、そこから表面に吹き出してくる
笑うしかない「おかしみ」を観ているのかもしれない。
とにかく、すごいテンションの、観たことのない映像を観ている。

ナオユキさんは、新ネタもたくさん用意してたようだ。
しかし、「おかしみ」はそこからだけ、出てきてるわけではないと思う。
やはり、梅津さんのサックスとの距離感が、
いつものステージとは違う世界を作っている。

さすがムジカの配信ライブだ。
生のライブでは味わえない無観客配信ならではの独特の世界を創り出している。

ナオユキさんは、同じ要素で構成されているけど、少しずつ言葉をずらして、
違う結末にするようなネタを要所要所に散りばめる。
それはいつもと一緒なのだが、この環境だと、
なにかミニマルミュージックを聴いてるような錯覚を覚えさせる。

ナオユキさん、お客さんがいる時は、お客さんの反応を観て、
ネタの展開を変えていく。
今日は、どんな風にネタを構成してるのだろう。
最初から、大体の展開を考えてその通りにやってるのだろうか。
なんか、多分違う気がする。
最初にやるネタ、最後を締めるネタ、真ん中あたりで入れるネタ、
くらいは考えてるかもしれない。
だけど、それ以外は、観客がいなくても何人かはいるスタッフの反応や、
梅津さんのサックスの動きにも耳をそば立て、
それらを含めて、自分の心が、何を喋りたがってるか、やりとりしながら、
臨機応変にやってるように思えた。
それが、舞台というものなのだと思う。
ナオユキさんは、芸人としても、ミュージシャンとしても、
誰よりも舞台人なのだと思う。

その唯一無二の芸が、梅津和時さんという日本を代表する
ミュージシャンを動かしているのだ。
もし、メジャーな芸人さんが、この動画を観て、
同じようなことをしたいと梅津さんにオファーしたとしても、
その芸が、梅津さんの琴線に触れなければ、
梅津さんはオファーを受けないだろう。
ナオユキさんは、お金では動かない人を、動かしているのだ。
いわば、金銭では動かない人を、琴線で動かしているのだろう。
あ、今、ワシ、うまいことゆーた?

この動画が、このクオリティーでワシらに届くためには、
ナオユキさん、梅津さん以外にも、
「この企画をやってみよう!」と思いつき、
オファーやスケジュールの調整した企画・制作の人(たぶんせい子ちゃん)、
そして現場で、ナオユキさんの様子を観ながら、
梅津さんのどの音源を流すか決めている音響の方(たぶんカバさん)、
そしてフィックスではあるがカメラのアングルや
スイッチングを決めてる映像関係の方、
それをライブで流すために環境を整えてる配信関係の方、
いろんな方の「ええもんを届けたい」という努力と
クリエイティビティーが、どれひとつ欠かせない。
そういう意味では、この動画が生で配信されるのは、確かにセッションなのだ。
ミュージシャン同士のとはスタイルは全然違うが、
ワシらは、極上のセッションを生で観せてもらっていたのだ。
何か、新しいものが生まれる瞬間を同時に感じさせてもらえたのだ。

ほんのちょっとだけ残念なのは、この映像、少しビジュアルと音声がずれている。
DVDにしろ、ストリーミングにしろ、なんらかの形で、有料動画として、
流通させるときは、是非、そこを直して、
リップシンクロバッチシの完全版を創って欲しい。
そう、ワシは、金を払ってでも、これの完全版を観たいと願っている。

あと、もうひとつ、実際にナオユキさんと梅津さんが、同じステージで、
お互いの息遣いを感じながら、ステージを創っていく様子を、
その場で、生で観てみたいと、心から願っている。

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