ナオユキ、オニ、クリトリック・リス＠ムジカジャポニカ。

ムジカで観るナオユキさんは、すごく馴染んで見える。
ナオユキさん自身が馴染んでるのか、
ワシの目が何回も観た光景だからか、わからんが。

今日は、いつになく、テンポ良くポンポン進む。
そのテンポに合わせて、笑いの輪がどんどん大きくなる。
会場があったまって行く。
トップバッターの役割を十分心得て、存分に発揮してるプロの技やなあ。
会場、ポッカポカになって、次の出演者を待つ。

次はあふりらんぽのオニちゃん、こと佐伯真有美ちゃん。
登場するや否や、奇妙な「粒子の歌」を流しながら、
Tシャツ脱ぎまくり、客席練り歩く、椅子もテーブルもお構いなし（笑）
観客全員をサッと違う世界にぶち込む。
なんかもうさすがとしか言いようがないわ。

高くきれいな声で美しいメロディを丁寧に歌い、
「ヒーリングミュージックか」と感じてたその瞬間、
いきなり爆音パンクになってたりする。
その逆もあり。
けど、それは脈絡ないものではなく、
根底には同じもんが流れてる気がする。
そして、その瞬間ギアチェンジは、めっちゃ爽快なんよな。
これってけっこうすごい技なんちゃうやろか？
少なくとも、本気やないとできん、
「変わったことしよう」だけでは、できる技やないと思う。
最後のTシャツは途中顔で止めて「逆マスク」（笑）

ほんま、この娘の野蛮さは、清々し過ぎて、気持ちええくらいやなあ。
その逆マスクのまま、むっちゃきれいな歌を（笑）
「ススメ　私の命」って歌詞の乳がん検診のCMで使われた曲でした。

ラストは新曲、えらい優しく、可愛らしい曲やった。
オニちゃんは、こんなふうに、あっちかと思ったら、こっち、と思ってる間に斜め上、
って、いろんな面があるようにも思えるんだけど、
どの瞬間で切っても、やっぱりすごくオニちゃんらしいところが、
ワシはすごい好き。ウソがないってことなんやろなー。
天真爛漫にエネルギーを出しまくる姿に惚れ直す。

そして、再びアコーディオンが鳴り始める。
二回目のナオユキさんや。
二部は、一部とガラッと変わって、ゆるゆる、ぬめぬめと始まった。
これは、これで、ずぶずぶと引き込まれてゆく。
ナオユキ沼。観客みんな沼にハマってしもうてるようや。

ときどき挟む素の話も抜群に面白い。
知ってるネタをずらされるのも快感。
やさぐれ女ネタのズラシが最高で、腹抱えて笑う。
今日は二日酔いらしいが、飲むほどに、テンションとテンポが上がって来た。
なんかもう表情だけでも笑うてまう。たまーに出てくる、
家族の話は、鉄板におもろい。えらい家庭ですわー（笑）
西成の話も、えげつないやら、おもろいやら！

ラストはワシの好きな、「ガム噛んでない」爺さんで、爆笑死しかけました。

そしてトリは、まさかのクリトリック・リス。
これまた、まさかのレゲエ始まり（笑）
何ゆーてるか、さっぱりわからんが、そのエネルギーだけで笑うてまう。
なんちゅー力技や（笑）

「僕は味噌汁」は、アホで明るいながらも悲しい歌やなー。
初期衝動を真空パックしたみたいなカラオケ流しながらのステージやけど、
予定調和に陥らない爆発力はすごいなあ。
その爆発力は、けっこう正反対に思える気の小ささやマメな性格が
原動力なんちゃうやろかと、ふと思う。
そこを自覚してるからこそ、それをぶち壊してやろうという
エネルギーをひねり出してる気がする。
そして突破するためのあがきが、状況に合わせて、毎回違うから、
予定調和にならんのかもしれん。
ある意味、天衣無縫のオニちゃんの真逆。
でも、二人とも、自分の持ってる元々を
表現に繋げてるってことでは共通してるんやなあ。
それは、ある意味、正しく、清々しい。

今回は、なかなか開けなかったライブが、
彼にとっても大事な場所であるらしいムジカで開けて、
みんな対策をちゃんとしながらも盛り上がってることに、
感動していたことも、突破力のエネルギーになったようだ。
生のライブは、やはり出演者と、観客と、そして店で作るもんなんやな。
配信に配信の良さがあること、分かりつつ、
ワシがやっぱりライブが好きなのは、その辺のことがでかいなあ。
クリトリック・リスさんとも、その辺共有できてるなあ、
と思えたことは、なんかジーンとするくらい嬉しかった。
こんなアホなライブ観ながら、ジーンもどうかとは思うが。