見知らぬ誰かに送る「満月の手紙」

良元優作さんに出会ったのは、この曲。
教えてくれたのは、鈴木常吉さん。
「大阪にすごいのがいるんだよ。言葉が、声が、音楽が、沁みるんだよな。」

すぐに音源を求めて聴いてみた。
その音源の中で、まず心を打たれたのがこの曲だ。
その日から、ずっとワシは良元優作のファンであり続けている。

ライブに行くようになって、この曲のことを優作さんに聞いてみた。
「ギター持って、一番最初に作った曲ですわ」
マジか。。
こともなげに、笑い話のように彼は言った。
その話を鈴木常吉さんにすると、
「これだから天才ってのは、嫌になっちゃうんだよなあ」と嘆いた。

メロディーが素晴らしい。歌詞にウソがひとつもない。
描写が巧みで、聴く人それぞれが、自分の世界で風景を思い描く。
普遍的な名曲が持ってる要素を、この曲は兼ね備えてる。
それを、何の音楽の知識もない20歳そこそこの若者が作ってしまう。
ずっと求道的に音楽を作り続けてきた鈴木常吉さんならではの言葉だろう。

後に鈴木さんは、優作さんの「ゆうれい」を聞いて、
「『満月の手紙』は、ある意味何も考えてないから作れた曲だけど、
『ゆうれい』は、経験を経て、音楽のことわかって、
すごく計算して作ってんだよ。本人が意識してなかったとしても。
それで、同じくらいレベルの高い曲が作れるってのがすごいんだよ。
奇跡の一曲だけで、作れなくなっちゃう奴もいるしな」
というようなことを言ってた。
ワシは、深くうなづいた。
やっぱり良元優作を好きでいて、間違いなかった。

この曲は、ワシといろんな人を繋いでくれた。
知り合いに紹介して、すごく気に入ってくれる人が何人かいた。
その人たちとの縁は、それ以前より、ずっと深まった。
同じ音楽を好きになる。しかも世間で流行ってるような曲ではない曲を。
きっとその人とは、心の中に、何か同じ部分を持っている、
ということなのだろう。

そして、この曲がきっかけで知り合った人たち。
どちらかと言うと、人見知りなワシだが、
この曲のことを語り合うことで、
初対面の人とも、打ち解けて話すことができた。
学校や仕事ではなく、好きなことで知り合った人たちというのは、
面白いもんだ。
共通して所属してる集団が何もないのに、
語らずとも通じる共通の言語があるかのように思えてくる。

そして、まだまだ「満月の手紙」を聴いたことないけど、
聴けば、この曲を宝物のように思う心を持った人は、
たくさんいるはずだと思う。

そういう人が一人でも、この曲に気づいてくれれば嬉しい、
と思いながら、この文章を書いてみた。

ワシの「満月の手紙」が見知らぬどなたかに届きますように。

冒頭のYouTubeの音源は、優作さんが今年、セルフカバーしたもの。
ワシが初めて聴いた音源と本質は何も変わってと思うけど、
年齢を経た深みが確実に増してきていると思う。

優作さん、この曲を作った時は独身で、
息子の立場からこの曲を歌ってたんだと思うけど、
今や父さんになって、息子さんもいる立場、
この曲に父さんとしての気持ちも込められるようになったんだと思う。
一箇所、父さんとしての言葉があるのだが、
このバージョンで、そこが一番激しく歌われてるのには、
きっと理由があるのだと思う。


ワシ、サブスクとかようわからんのやけど、
「満月の手紙」は iTunes store, google play等から
ダウンロード出来るようです。
https://linkco.re/2R518xtY

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