力作。ライブ告知。

「ねえねえ知ってる？」
「嫌い。その思わせぶり。
言いたいことあるなら、言えば？」
「明日ムジカですごいライブあるのよ」
「知ってる。…て誰が出るか知らないけど、
ムジカは毎日すごいライブやってるから。
今日だって、宮武希さん、あ、松永希さんだったじゃない」
「あ、それもすごかったわよね！
あんた泣いてたよね。
見られたくなくて、トイレ行ったよね。
知ってるー。」
「うるさいなー！だから明日ムジカでなんなのよ！」
「まずはヒトリトビオよ、ジョンソンtsu入りの。
あんた、ジョンソンtsu入りのヒトリトビオ、
観たことないって言ってたわよね」
「ドキッ」
「そんでから、ゲンキくんが、インディゴのアイちゃんと、スペシャルバンドでやるんだって」
「え？ジョンソンtsuにゲンキ？
それ、わたしが那覇のドラミンゴで観た、
夢の組み合わせじゃないの！
あのパイレーツカヌーの岩城さんが、
一番好きなバンドって言ってるゲンキコサイバンド？マジ？」
「あんたもうカウパー出始めたわね。
まだまだ先があるのに。
ＡＮＡＴＡＫＩＫＯＵも出るのよ！」
「えー！私が何度かレインボーヒルで聴いて好きになって、
こないだ初めてムジカで聴いて、
ドキドキし過ぎて、
メンバーと喋りたいのに、
喋れなかった、あのＡＮＡＴＡＫＩＫＯＵ?」
「そうよー、どう？来たくなったでしょ？」
「そりゃ行きたいわよ！
よくそんなメンバー集められたわね！」
「終わりじゃないのよ。まだ」
「うそ？もーやめてよ」
「桂雀太さんの落語もあるのよ」
「ひどい！この上、笑いまで吸い上げるの？」
「おまけにキム・ウリョンくんよ！
あんた奄美大島の盛島オジイとこで、
ウリョンくんのサイン見つけて、
泣きそうになってたらしいわね」
「きゃー！そりゃなるわよ！
誰も知り合いいない、奄美の竪琴工房に、
『来い』って言われて行ったのに、
誰もいなくて泣きそうな気分のときに、
ウリョンくんが、壁に書いてるサイン見つけたんだもの。
めっちゃ嬉しくなったわよ！」
「で、明日行くの？行かないの？」
「ない！ここまで言われて、行かないって、
選択肢、私にはないわよ。
で、何時に行けばいいの？」
「普段のムジカより、ちょっと早いわよ。
17時30分開場の、１８時開演。
あんたの好きな『土曜はダメよ』の『小枝不動産』、最後まで見てたら、
間に合わないかもね。
録画予約しておきなさい」
「そこまで好きやないわっ！
で、そんなものごっついメンバー、
なんぼで見れるん？」
「それが、ポッキリ３０００円！」
「うそー！安倍ちゃんが初めて、
人に喜ばれる政策でも出したの？
なんなの？そのお値段」
「実は、これ、インディゴのアイちゃんの、周年パーティーなのよ。
だからゆえのご奉仕価格なんだと思うわー。」
「あー！なるほど！
出演メンバーもアイちゃんらしいよね！
これはアイちゃんのご厚意に甘えてでも、
行くべきやね！」
「うん。行かない選択肢はないわよね」
「小芝居、長かったよね」
「１時間かかったねー！」