泥だらけの美しさ。映画「少年の君」。
家に引きこもりついでに、
去年観逃してしもて、ずっと観たいと思ってた香港中国合作映画「少年の君」を
アマプラで鑑賞。
観応えあるええ映画でしたわ〜。
いじめ問題、育児放棄、貧困問題、そういうとこから生まれる
闇社会の問題や、少年少女のやり場のない気持ちなど、
社会的な問題を真正面から見据えながら、
それをいかめしく伝えるのではなく、
一片の詩のような、
美しいボーイ・ミーツ・ガールの青春映画にまとめ上げている。

「美しい」と言っても、カラフル、とか言うのではなく、
泥だらけの小汚い路地裏を描きながら、
それがなぜか、映画が進むに従って美し見えてくる。
相当な手練れの作品やなあ。
観てる間、次何が起こるか、ずっと不安になりながらも、
ぐいぐい引き込まれて行った。
主役二人の惹かれあい、お互いを思う気持ちが切なくて、
還暦まで一週間を切ったおっさんの胸がキュンキュン音を立てた。
問題が問題だけに、わかりやすい解決方法があるわけでもなく、
決してハッピーエンドとは言えないのに、
観終わったあと、なんか、気持ちのええものが、心を撫でてくれた。
そして、音楽。
全編、ずっと「こら、ええセンスやわ」と思う音楽が流れてるのだが、
さっき書いた気持ちのええもんがワシの中を流れてたエンディング部分で、
さらにその気持ちを高めるようテーマソング。
なんか、映画で観た泥がすべて洗い流されていくような気持ちになった。
ほんまにええ映画やった。
アマプラなんで、もう一回観てみよう。
今度は、ハラハラせず、映像と細部を楽しもう。