タテタカコ＆夕凪＠ファンダンゴ。

今日は十三ファンダンゴで、毎年恒例らしい周年夕凪ライブ
「遥か鳴る唄の祭2018」へ。
今年の先攻、夕凪との対バンは、タテタカコさん！！

まずは、せい子さんの挨拶。

そして。。
もう始まった瞬間から、
標高が二万メートルほど上がった感じ、天上の声に包まれる。
タテさんも夕凪さんと対バンできるのが、
嬉しくてたまらない様子がビンビン伝わってくる。
いいライブにならないわけがない。

「テクテク、イキテク、アルイテク」。
こんなに優しく、柔らかく、
生きてくことを肯定してくれる歌、
背中を押してくれる歌、ほかにあるのか？

タテさんのライブを聴いてるときに
頭の中に浮かぶイメージは、
京都宇治、平等院鳳凰堂の、
雲中供養菩薩のお姿だ。
極楽へ誘う52体の菩薩音楽隊。
タテさんの声に浸って、
目をつぶっていると、
どこからともなく菩薩さんたちが現れて、
演奏を始め、音楽につられて、
体がフワリと持ち上がるような気がするのだ。

カバーで友部正人さんの
「６月の雨の夜、チルチルミチルは」。
うー！カバーのセンスまで完璧！
おー！続けてのカバー！！
ミチロウさんで「我自由丸（ガジュマル）」！
ミチロウさん、回復祈願らしいです。
ほんまに、嬉しくなってくるなあ。
ミチロウさん、早く元気になってくださいね！

続いては、これから公開の映画「慈しみ深き」という映画に、
タテさんが作った主題歌らしい。
穏やかで、大きな歌やった。
それにしてもタテさんの高音、
人間の可聴域を超えてるんちゃうやろか。
そんな高い声が、キンキン耳に痛いのではなく、
優しいってのも、すごいよなー。

動画は「カンヌおめでとう！是枝監督」記念、
タテさんが歌った是枝さんの映画
「誰も知らない」の主題歌。

そして、出ました！夕凪。
今日もツインドラムのフルメンバー！！
ソロのちょっとやさぐれた感じのあるせい子さんも好きやけど、
夕凪のときのせい子さんは、手ぶら裸足でとことん自由だ。
何にも縛られず、隙があれば、飛んで行きそうだ。
お！せい子さんがジャンベ持ち出した。

間奏のプログレ感！
ツインドラムの意味って、こーゆーとこにもあるんやろなー。
他にもいろいろ意味あるやろうけど。
ツインドラムならではの、小気味いいタイトさとか、
夕凪がツインドラムである意味は大きい。

前にナオユキさんが夕凪の
ギターのことを「エロい」ゆーてはったが、うまい表現やと思う。
なんか企んでる感じ、カッティングが鋭いんやけど、
なんとなくぬめってて、めっちゃエロい。

鍵盤はときにきらびやかに、
ときにチャーミングに、
音楽に表情を足していく。
ときどき出るコーラスも極上♪

それぞれが自由に演奏してるかのような、
このバンドを繋ぎ止めてるのは、ベースかもしれない。
確実で、しっかり進んでいく。
音が複雑で見失いそうになったら、ベースを聴けばいい。

そして、その最高のメンバーを
連れて、音楽全体を踊らせてるのは、やはりせい子さん。
せい子さんのボーカルも、
ワシにとっては観音さんのようで、
考えたらタテさんとせい子さん、
今回はワシにとっての
菩薩さんシリーズなんやねー。

ふと気がつくと、ワシのすぐ近くで、
そのもうひとりの菩薩さん、
タテさんが、ステージのせい子さんを見つめていた。
ほんま、相思相愛やなあ。
菩薩同士の相思相愛（笑）

あ！「涙」や！！
この曲、めっちゃ好き！！

ファンダンゴは31周年、
夕凪は24周年らしい。
しかも、せい子さんは
前のバンドからの付き合いらしい。
そしてファンダンゴは諸般の事情で
移転先を探している状況らしい。
せい子さんのムジカジャポニカも
昨年の今頃はすったもんだで、
ようやく今年移転して落ち着いた。
きっとせい子さんの胸にも、
いろんな記憶が去来してるのだろう。

そうか！タテさんが、
「リハの時に過去も現在も未来も
全部ここにあるような感覚になった」
ゆーてはったけど、それが突然、なんとなわかった気がした。
せい子さんが、過去を背負い、未来を見つめ、
今、そこに裸足で立って、歌っているから、
きっと、全部の時間を超えてしまったんだろう。
せい子さん自身、初めてここに来た若い頃に戻ったり、
来年のまだ見たことのない
新しいファンダンゴに行ったりしてはったんかもしれん。
その証拠か、ときどきせい子さんが
童女に見えたりもした。
ボーカリストで、ライブハウスの女主人で、菩薩で、童女（笑）
せい子さん、忙しいのお。

夕凪は最後まで突っ走った。
一度もテンション下がらず、
むしろ最後の瞬間に向かって
どんどん高まって行った。
最後の一音まで、夕凪が詰まっていた。