橋本治さん、ご逝去。
ぽかん、としている。
喪失感?悲しいという感情は、
まだ湧いてこない。
後から来るのか、来ないのかもわからない。
橋本治さんが亡くなった。
偉そうな言い方になるが、
「ワシよりはるかに頭のいい人間って、世の中におるんやなあ」と
真上を見上げた初めての人間やったと思う。
むさぼり読んだ。桃尻娘に驚いた。
ある人の視点で書いた物語を、
脇役だった隣の人を主役にして、書き直す。
全く違う物語になる。
けど、どちらも「わかる」と思ってしまう。
枕草紙。
腰抜けた。
人格とか考えたこともなかった
清少納言が、頭の良さを鼻にかけてる
同級生の女子に見えてきた。
こんな風に、文章に対して感じたのは、
初めてだった。
なので、しばらくは新刊が出るたびに、
マッハで買って、読んでいた。
いつからだろう。読まなくなっていたのは。
橋本治さんが物語の人から、
評論の人になってしまったと
感じたからなのかなあ。
なんしか、いつの間にか
距離を置いてしまったが、
ときどき、時勢について、
橋本治さんが書いてる記事など読むと、
「やはりすげーな!」と思ったりはしていた。
その人がいなくなった。
あまりにいてて当たり前、
世の中の現象について、
ワシより先に、ワシの思ってたことを
言ってくれる人がいなくなった。
そうか、ワシがポカンとしてるのは、
これから自分の気持ちがよくわからんとき、
誰の意見を聞けばいいか、
見当付かんからなんかもな。