追悼リバイバル上映。BBBムービー「フジコ・ヘミングの時間」。
先月92歳で亡くなったピアニスト、フジコ・ヘミングさんを追悼して、
2018年公開された映画がリバイバル上映されてた。
公開時に観逃してたので、行ってきた。
パリ、ベルリン、サンタモニカ、東京、京都、
むちゃくちゃええ場所に、狭いけど芸術家らしいセンスええ自宅。
あ、サンタモニカの家は広そうやったな。
羨ましい。
けど「あのシャツ、どこに置いてきたっけ?」とか、ならんかなあ。
ワシやったら絶対なるな。
とか考えると、ワシには、無理な生活やな。
まあ、できるわけないんやけど。
世界を公演で飛び回りつつ、
各地にある自宅で、少しずつ違った時間を過ごすという
夢のような生活を送ってたフジコ・ヘミングさんやけど、
こんな苦労をしてはったんや!というのが、映画を観てるとわかってくる。
けど、この映画、よくある伝記映画のように、年代ごとに並べるのではなく、
点景のように、ひとつひとつ演奏とともにフジコヘミングという人物を解き明かしていく。
その見せ方や編集が音楽的で、リズムも良くて、
映画全体が、ひとつの音楽のようで、
「さすがフジコ・ヘミングの映画やなあ」と思った。
ほんまに聴きどころが山ほどある交響曲のような人生でございました。
始まった途端、指のアップがあって、
「赤ちゃんみたいな手やな、意外と小さい」と思ったんだけど、
それは錯覚で、ものすごく分厚い手なので、そう見えるだけで、
実は、女性の平均からすると、かなり大きな手なのだな、というのがわかってくる。
それほど大きな体ではないのに、
あんな分厚い手になるくらい、ピアノを弾き込んではったんやろうなあ。
それほど楽譜にガチガチに縛られてない演奏、
ああ、だからあんなに瑞々しくて、他の人とは明らかに違う演奏なんやな、と思った。
フジコさんには悪いけど、その弾き方には、若い頃の苦労も反映されてるように思う。
最後の「ラ・カンパネラ」は、やっぱり圧巻。
あ、少し先に亡くなった弟さんの大月ウルフさんも出てきはります。
改めて、合掌。
ゆっくりお休みください。