スタイリッシュで切実な青春映画。BBBムービー「天安門、恋人たち(頤和園、SummerPalace)」。
こんなにセックスしまくる中国映画、初めて観たなあ。
けど、エロい映画ではありませんよ。
賢いけど、セルフコントロールが苦手な女性(ワシの個人的見解です)が、
自分の性欲や、愛欲(愛を求める気持ち)で、
自分自身や周りの人を振り回しまくる。
そこに天安門事件も絡み、人生や生き方まで翻弄されてしまうって感じかな。

絵的にはスタイリッシュで、惹き込まれはするけど、
ある意味、かなりナルシスティックな映画やなあ、と思った。
まあ、難関大学の大学生なんて、
ナルシスティックの塊みたいなもんなので、
そういう意味では、映画のトーンや音楽も含めて、
登場人物に寄り添った映画になってるのかもしれない。
ひとつひとつの感情や行動は、
ヒリヒリと痛くなるくらい、リアルで切実だ。
覚えたての性欲に振り回されたり、
求め過ぎるくらい愛を求めて、
相手だけでなく、自分をも振り回してしまったり、
死の匂いに憧れを感じたりするのも、
この世代の特権かもしれない。
そう考えると、この世代の感情にきちんと向き合った
青春映画、なのかなあ。
1987年の大学の校舎内風景は、中国なのに、
ワシの大学時代と重なってくる気がして、
なんとなく、懐かしい気がした。
今の日本の大学の小綺麗な感じより、
ワシの記憶に残る大学風景は、
こっちの方が近いなあ。
そんなことも含め、なんとなく濃厚な匂いを感じる映画ではあった。
天安門の頃って、中国は、こんな感じやったのかなあ。
退廃的な感じはするけど、
今よりも、ずっと民主的な気はする。