厄払い、かもしれない一日。

先月から、、訃報が続いてます。
騒動と直接的には関係ないのですが、
時期が時期だけに、釜晴れの早苗ちゃんと
「厄払いでも行った方がええかなあ」という話になりました。

けど、二人とも厄払いをする神社をあまり知らない。
ワシは、厄年に門戸厄神に行ったのですが、
西成の早苗ちゃんと行くなら、大阪の方がええかなあ、と、
「大阪 厄払い」で検索すると、「お勧め厄払い神社10」というのがありました。
「こりゃ、ええ」と思って、見ると、一番上にあるのは、大阪天満宮でした。
…ワシんちから、歩いて5分ほど。
…楽だが、なんか違う気がする。
もう少し、苦労もしなあかん気もするし、ちょっと遠出した気分も味わいたい。
で、その10社の中にあった、石切神社に行くことにしました。

やっぱり、厄払いしたいと言ってた、平田ママも早苗ちゃんが誘って、
今日、朝11時に地下鉄中央線からそのまま行ける新石切駅に集合。
梅雨明けした大阪、今日はドピーカンの真夏日、登り坂、
少し歩くだけで汗が吹き出します。

実は、ワシは初めて参拝する石切さん。
早苗ちゃんと平田ママも「いつ行ったか覚えてへんくらい」と
限りなく頼りない3人組が「こっちやろか?あっちやろか?」
言いながら、汗をかきかき、坂を登ります。

途中にあった痛そうな建物。

しばらく行くと、何やら大きな神社がありました。
「なんかわからんけど、とりあえず、お参りしとこうか」と
見ると「石切劔箭神社」とあります。

「石切さんの関連なんやろうなあ」と、手を合わせ、
亡くなった方のご冥福と、この訃報が続かないようにとお祈りします。
境内にはお百度参りの石がふたつあって、そこを往復してる方もいらっしゃいます。
「ああ、なんか聞いたことあるお百度参りってこういうものなのか。」
後から検索すると、石切さん、お百度参りで有名らしいですね。

そう。実は、ここが、一般的には、でんぼ(関西弁で腫れ物)の神様として有名で、
厄払いに来る神社だったのですが、
3人とも、気づかず、神社を出て、さらに上を目指します。
と言うのも、その神社を出てからの方が、参拝客目当てのお店が立ち並んでいたからです。

どちらかと言うと、昭和の匂いのする参道のお店たち。
やれ、こういうところには、なぜおばはん目当ての洋装店が多いのか(実際10軒はあった)、
箱が白ちゃけてしもてるおもちゃ類、子供の頃、親にねだったけど、今でも買う人おるのか、
そら、おるから売ってるんやろ、いやおらんから、白ちゃけてるんやろ、
でも、売れてないなら、なんでこういう店が、いまでも営業してるんやろ?
土地持ってて家賃いらんのかな、固定客がおるんちゃうか。
ゆーても結論の出ない話で盛り上がるワシら。

かなりの急勾配に疲れ、お店の人に「あとどれくらいですか?」と聞くと
「え?」と怪訝な顔をされ、「あ、奥の院でしたら、
あと700メートルくらいです」と言われる。
え?奥の院?
どういうこと?
なんか、お店も少なくなってきてる気がする。
普通、神社に近づくほど、賑やかになるものなのに。
その辺でワシらも気づき始める。
あまりの暑さと足の疲れに途中の休憩所でビバークしつつ、
「どうも、さっき行った神社が目的とする石切さんだったようだ。」
「けど、お参りの後で、行こうと思ってた銭湯は、
この上の近鉄石切駅の近くのようだ。」

とりあえず、そのまま、上を目指すが、だんだん足取りは鈍る。
時間は12時ちょい前、早苗ちゃん、朝ごはん食べてないゆうてたな。
なんか、ちょっと広い道に出て、石切大仏というのがあるところに、
ええ感じで、冷房効いてそうな定食屋さんがあった。
「お昼にしよう」

定食は、お刺身メインで、茶碗蒸しや天ぷら、冬瓜もあって、美味しかった。
全員が音楽好きで、ミュージシャンとも親しい。
ここでは言いにくい裏話も楽しい。

さあ、とりあえず、近鉄石切駅目指して、お風呂に入ろう。
汗まみれなので、気持ちええはず。

町は、どんどん寂れて行き、なんだか占いのお店が増えてくる。
「あ、そうそう!石切さんて、占いも有名やねん」
へ〜〜知らなかった。
陀羅尼助の店もある。昔ながらの神社の参道やなあ。

で、いきなりこの参道が近鉄電車で遮られる。
横を向くと、近鉄石切駅だ。
そこで、一行は少し考えてみる。
「あ!そうか、近鉄石切駅は、今日スタートした新石切駅より、
ずっと前からある駅や。」
「つーことは、この道は、近鉄石切駅から神社に行く参道やったんや!」
なんか、いろんな謎がす〜〜〜っと溶ける。
知ってたら、石切駅集合で、ずっと下り坂を歩いて楽だったのだろうが、それはもういい。
問題は、さっきの神社で厄払いができてるかどうかだ。
ワシは、一応、その件も祈ったので、ええが、他の二人はどうなんやろう。
ちょっと怖くて、よう聞かなかった。

そこで、早苗ちゃんから衝撃の発言
「あれ?行こうとした銭湯、さっき見たときは石切駅の近所やと思ったのに、
今見たら新石切駅の近くや!」
今から、さっきの道戻るのか?
「もう大阪市内戻ってからお風呂入る?」
ここまできて、大阪市内戻ってアムザ1000みたいな風呂は入りたないなあ。
「あ!あそこにホテルセイリュウの看板出てる。たしか日帰り温泉あったはず」。
もう、なんでもいいけど、ここでお風呂入って帰りたい。
この近くなら、きっと眺めもいいはず。

向かいつつ、「あの看板、あと何メートルとかなかったなあ。
どうする?あと3キロくらい向こうやったら」とか言いつつ歩いてると、
通りすがりのおっちゃんが「ホテルセイリュウなら、もうすぐですよ」と
教えてくれる。
ワシら、人に支えられて、生きてます。

お風呂からは、大阪平野が見渡せた。
今日はガスってるけど、天気良ければ、六甲から関空あたりまで見えそうな感じ。
しかも、ワシが入るとき、脱衣所に数人いてたが、みな上がる人だったようで、
お風呂は貸し切り状態。
露天風呂は畳敷きだったので、横になりながら、セミの声と、近鉄電車の音を聞く。
長閑。長閑。
立ち上がって、大阪平野を眺めるのも気持ちいい。
ワシ、お風呂大好きなのだが、すぐにのぼせるので、30分弱で上がると、
ちょうど、おじいさんが入ってきた。
おお、偶然貸し切り状態やってんな。ラッキー。
自販機でコーヒー牛乳を買ってると、このおじいが話しかけてきた。
「コーヒー牛乳でええの?ビールがええんちゃうの?」
「ワシも、昔はよう飲んだ」から始まり、おじいのヤンチャ一代記。
次から次から話されるもんだから、なかなか「では!」が言い出せない。
おじい、服を脱ぐ気もない。
無理矢理、時計を気にしてるフリして、15分くらいで切り上げる。
ソファーに座ってると、女性陣も出てきて、
しばし、そこで、よもやま話。
おじい、風呂から上がってきたようで、ワシらの横を通るとき、
ワシに手をあげて、挨拶。
「知ってる人?」「さっき風呂で。。」
女性陣の大爆笑、頂く。

帰りは、もちろん石切駅から、近鉄電車で。
なんか田舎に遊びにきた感じのノンビリしたええ駅だわ。

帰り、鶴橋で降りたのは、4時前だったが、早苗ちゃんが、
その時間からやってる魚が美味しくて安い店を知ってたので、
当然のように、そこに流れ、暗くなる少し前に家に着いたのであった。

こうして、最初から最後まで行き当たりばったりの一日は暮れた。
めっちゃ楽しくて、凹みがちだった毎日を洗えた気分であったが、
問題は、やはり、厄払いになったかどうかやな。
いや、こういう気持ちになることが厄払いかもしれん。
そういうことにしておこう。
石切さん、ありがとうございます!

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