ハモニカクリームズ@ムジカジャポニカ。
昨晩は、久しぶりのムジカ、と言うか、久しぶりのライブ。
ハモニカクリームズ のワンマン。
またあのキレのいいダンサブルケルトミュージックが聴けるのかと思うと、
前の日からゾワゾワしてた。
人数限定とは言え、ほぼ、その限定人数おるムジカの客席は、
そのときを今か今かと待っている。
厳しい状況の中、大阪でライブできたのが嬉しいのだろうか、
珍しく美土さんの挨拶多めで始まった。
うへえ!初めからすげえテンション。
美土さんが言ったように「音大きめ」なんやろうか、
ハモニカもフィドルも吠えまくってる。
エネルギーがほとばしってる。
この勢いで最後まで行かれたら、ワシ気を失うんちゃうやろか。
うねるような繰り返しから、スパッと曲が終わるときの爽快感、
目の前にいきなり見たことのない景色が広がったような気になる。
メンバー全員でリハ重ねないとできない端正な音楽だと思うけど、
端正なだけに留まらない乱暴さも感じる。つまり、最高やん。
なんかメンバーみんな大阪慣れて来てくれたのか、来るたびにMCが面白くなってくる。
そのMCで、今回の一曲目が、前回8月のムジカライブの
ラストにやった曲やと教えてもろた。
どーりで、すごいテンションやったはず!
良かった!あの調子でずっとやられたら、呼吸困難か、過呼吸か、
いずれにしろ、ぶっ倒れてたに違いない。
その話の次にやった「フィニィステラ」は、
なるほど、落ち着いて、音に自分を乗せていける曲。
さっきまでは、ぐいぐい引っ張られてる感じやったんやな、と、この曲聴きながら思う。
一部最後の二曲は、最近MVにした曲らしい「Ice Cream」と「Lom yen sbāy」。
アイスクリームの最後の盛り上がりがすごかった。
なんか静かに狂ってる感じで、めちゃくちゃカッコいい。
ハモニカとフィドルが、暴れる後ろで、ぶっとい流れを作ってるギターに耳が奪われた。
この支えがあるから、狂ってるのに、冷静な印象があるんかもなあ。
ラストの曲は、フィドルとハモニカのソロバトル。
ワウ使うフィドル、めっちゃ新鮮!この曲は、山あり谷ありの展開がおもろくて、
ゾクゾクする。
大渕さんの作曲・制作のMVも近日公開予定らしい。
スパン!と終わって休憩。
いやあ、あっという間、息つく暇もない一部でした。
終わってみると50分も経ってた。
気持ち的にはほんの一瞬やったなあ。
二部は打って変わって、しっとり始まる。
ハモニカの音が沁みる。
そこにフィドルがユニゾンで重なる。
また違う風景を観せてくれる。
いや同じ風景の時間違い、天候違いかもしれない。
ハモクリの曲で浮かぶ風景は、どれもビルなどの人工物がほとんどない。
あっても石造りの平屋の牧畜小屋くらいか。
緑の草原と海に切り立つ崖が、いつも頭に浮かんでる気がする。
お!ハモクリには珍しいボーカル入りの曲。
そうか、同じ場所の時間違いもあるのか。
ちょっと昔を思い出してるような懐かしさ、切なさがある。
あ、曲名「レトロ」って言ってたな。なるほど。
美土さん座り込んで、ドラムソロ。
この熱狂の底には、こんな力強くて、ゆるぎのない、
だけど熱いリズムがあるんやな。
分かってたことかもしれんけど、ドラムソロで、それを再確認。
そこにギターが乗り、フィドルとハモニカが乗る。
熱狂が渦巻く。
何?このエレキギターにしか聴こえないハモニカの音。
エフェクトかけてるにしろ、ほんまにハモニカから、こんな音が出るもんなん?
一瞬バカテク・ヘビメタ・バンドのように思えたりもした。
ハモクリの演奏は、ときどき、ありえない音が出て、
誰が出してるのかキョロキョロしてしまうことがある。
この日も、ギターがベースとギターの音、同時に出してたり、
フィドルからなんとも言えない、つんざくような金属音が出てた。
音楽とは、空気と時間を刻む芸術なんやなあ、とつくづく思った。
刻んで、そして新しい空間と時間を作り上げる芸術でもある。
フィドルが歌い出した。
風景は、家の中へと移る。
足さばきだけで踊る人たちのにこやかな表情が浮かぶ。
こっちの体も、知らん間に動き出してる。
何層にも折り重なった音が、絡みながら、渦巻ながら、
奔流のように激しく一箇所を目指して流れていく。
なんか、これはもうケルティック・プログレやなあ。
関西で対バンするバンド、ワシが探すならジョンソンtsuバンドやな。
一度、大渕さんとイガキアッコちゃんの「き○がいフィドル合戦」、観てみたい!
最後は観客の手拍子飛び出す。
インストでここまで人を乗せられるバンドってすごいと思う。
いやあ、興奮した。凄かった。
二部もあっという間に終わってしまったけど、
やっぱり1時間近く時間は経ってる。
この歳になっても、楽しくて時間が短く感じることもあるんやなあ。
もちろんアンコール。普段やったら、観客総立ちなんやろなあ。
美土さん、もう飛び跳ねながら演奏。
そら、ワシも飛び跳ねたくなるわ。ああ、気持ちええ!
「予定になかったよー」と言いながら、ダブルアンコール。
観客みんなお行儀よく、座って、ムジカ特製フェイスガードかぶってるけど、
気持ちが高まってるのが伝わってくる。
ワシも気持ち的には、立って踊りまくってる。
みんなそうなんやろな。
そういうのって、ちゃんと伝わってくるもんなんやな。
ここまで盛り上がるライブって、いつ以来やろ。
なんか、騒動前の盛り上がるライブ、思い出した。
こんな気持ち、ほんま久しぶり。
このまま客を熱くさせてたら、いつまでも終わらないという判断だろうか、
ダブルアンコールの曲は牧歌的な、少しのどかな曲。
これはこれでハモクリらしい。
終わると休憩挟んで、2時間半近く。
あっという間に感じてしもたけど、本ッ気で楽しませてもらいました。