生活向上委員会@京都文化博物館。

何度か前を通ったことはあって、
「なんか由緒ありそうやなあ」と思ってた建物に初めて入った。
三条通りの京都文化博物館。

そうだ、待ちに待った生活向上委員会のライブ。
「ここでえーんかいな?」と入ったとたん、
梅津さんと出くわして、握手して頂いた。
「あ、ここでえーんやな」と安心しつつ、
思った以上に広い建物に、キョロキョロしながら進むと、
受付らしい場所、そこに座る3人が3人とも知った顔で、なんとなく安心した。

サロン・ド・毘沙門のサッカさん、下村よう子ちゃん、宮田あずみちゃん。

ホールの中に入ると、ほんま素晴らしい場所。
天井は高く、四周を囲む二階の廊下(たぶんなんか名称あるんやろうけど知らず)、
柱や天井板のひとつひとつに、製作者の思いが感じられる。

物珍しくあっちこっち見渡してるうちに、
梅津さんと原田さんが入って来た。
始まった!
30年以上前に知って、憧れ続けた、
篠田昌已さんを初めて知った、
でも生でライブを見たことのなかった、
生活向上委員会だ!

いきなり2人のインプロビゼーションだ。
原田さんは、仰け反りながら、
梅津さんは、アルトとソプラノ、
そしてバスクラを持ち替えながら、
ものすごい熱量の、ものすごく年月を感じさせる演奏を続ける。
このエネルギー、いったいこの人たちはいくつなんだろう。
しかし、この老練さはやはり二人がベテランであることを思い出させる。
しかし、二人は30年前も同じように熟していた気もする。
いったい今は何年で、ワシはどこにいるのだろう。
は!そう言えば、このツアータイトルは「タイムトンネル」!
そういうことか!

など考えながら頭がクラクラしてた頃、
原田さんが叫んだ。
「ドン・モイエ!」
そうだ忘れてた。今回はジャズ界の至宝、
ドン・モイエも出るんだった。
初めて見る大御所は巨体を杖で支えながら、
危機感のない亀のようにゆっくり現れて、のったりと座った。
しかし、座った途端に叩き出したコンガは、目が醒めるようなスピードと抜け!
京都文化博物館の高い天井とコンガの間で、
エアーホッケーやってるような小気味良さ。

本音で言うと「三人で大丈夫かなあ」とか思ってたんだが、
「三人で良かった」と思った。
三人でもこんなに内容の濃い演奏だ。
これ以上人がいたら、パニックになってたかもしれない。

結局、一部は、ずっとインプロビゼーション。
拍手の機会は、頭とドン・モイエさんが出てきたときと、終わったときの三回だけだった。

休憩時間、客席を見渡すと、客席も只者ではない。
どの人も、ワシより年上でミュージシャンと紹介されたら
「やっぱり」と思ってしまいそうな人ばかり。
チョンマゲは当たり前、短髪に後ろ髪を長く伸ばして
三つ編みにした男性、髭を長く伸ばして三つ編みにしてる人もいた。
その中には渋さ知らズの不破さんや、
ラブラブスパークの長谷川さん、
ザッハトルテのヨース毛さんなど、
実際ミュージシャンである人もかなりいた。
やはり、そういう特別なライブなんだろうな、
今夜は。

二部は、一部と逆にドン・モイエさんのドラムソロから。
ドラムセットに座って、
杖はほんまに必要なのか?
と思うくらいの正確で抜けのええドラム。
そこに原田さんと梅津さんが加わって、
やはりインプロビゼーション合戦。
と、思ったのも束の間、今日初めて、
メロディらしきものが聴こえて来た。

「こ、これは!スローバラード?」
サックスからもピアノからも
フリージャズっぽいフレーズが混ざるので、言い切れないけど、
多分、忌野清志郎さんのスローバラード。
同行のクロちゃんも言ってたので、
たぶん、間違いない。
なんて泣かすことするのか!

けどまた拍手のいとまもなく、
再びインプロ合戦に。
梅津さんはアルトとソプラノの同時吹きしたり、
ホントに自由な演奏で、
最後までテンションが途切れなかったのは、
見事としか言えない。
短いアンコールでは原田さんが梅津さんのバスクラを演奏して、
二人でドン・モイエさんを煽ったり。
こんな年上がいる間は、
ワシも年寄り面して、踏ん反り返ってるわけには、いかんなあ。

なんか、ほんまにすげえもんを見せてもらった夜でした。
音楽と言うより、塊みたいなもん、
しっかり受け取りました!

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