すごくいい素材なだけに残念に感じてしまった映画「for you 人のために」。

多くの広島被爆者へのインタビューを中心にした
ドキュメンタリー映画「for you 人のために」。

ポスターの写真とキャッチに惹かれて観たのだが。

ううむ、ワシには1時間20分足らずという
短めの上映時間が長く感じて辛かった。
アーカイブ、と言うか、編集前素材を、
ゆるいテーマくくりで並べたのを観せられた気分。

ひとつひとつのインタビューは、素晴らしいし、
新鮮な視点もたくさんあって、
知らなかったこと、いろいろ知れたりもしたんやけど、
それを深掘りするわけではなく、羅列してる気がした。
たとえば米軍捕虜の被曝死や、その前の虐待っぽい話など、
全然知らなかったので、もっと知りたい、と思うことが多々あった。
その辺全く知らない人への説明が不足してる気がした。

インタビュアーの声がダダ漏れなのが聞き辛い。
撮影者の写り込みも意図的?と思うほど多い。
エンドロールの処理の上手さなどから考えると、
音声も映像も、結構技術を持った人たちが
制作してると思うんやけど。

音楽の使い方も上手くて、
それが却って、説明途中で、叙情に逃げてる印象がしてしまった。

最後のスーパーの言葉は、全然間違ってないのやけど、
ステレオタイプで、自分の言葉で語って欲しいなあ、思ってしまった。

結果的には、タイトルやキャッチフレーズが、
あまり映画の内容とリンクしてないようにも感じてしまった。
もう一度、素材を洗い直して、きちんとテーマを設定してから
観せて欲しいなあ、と思う映画でした。

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