満月のつどい。近石涼、ガガガSP、ソウル・フラワー・モノノケ・サミット@太陽と虎。

1月17日の夜は、神戸のJRガード下の太陽と虎で、
「満月のつどい」というイベントに行ってきた。
久しぶりのオールスタンディング、
出演者も多いので、体持つか、ちょっと心配やったけど、
1月17日、あの日から28年目の神戸で、
ソウル・フラワー・モノノケ・サミットを聴く、
ということが、すごく大事な気がして、
重い腰、気がかりな腰を上げて、行ってみた。

すげえ超満員!
この日、バリウム検査があって、いつ下剤の影響が出るかわからん状態やったのに、
けっこう奥の壁側に陣取ってしもてたら、その後、来るわ来るわで、
トイレに行くのが難しそうな位置に。
人混み恐怖症も発症しそうな勢い。
せめて水分摂るのは控えよう。

ライブは出演三組が三者三様の「満月の夕」を聴かせてくれた。
この曲は、違う人が歌うと、その人のカラーにちゃんと染まる。
それでいて、歌の本質みたいなところは変わらない。
それが、名曲たる所以なのだろう。

まずはオープニングアクトとして登場の近石涼さん。
近石さんは、震災の年に神戸で生まれたらしい。
もちろん、震災のことは直接は知らない。
そんな人が、こんな立派な演奏を聴かせる。
震災からたった時間の長さに驚く。
そういう時代になったんやなあ。

最近の若い人って、ほんま演奏能力も、歌も上手いなあ。
なんか藤井風さんとか、その辺りの今っぽさと、
そことは少し違う弱いものへの視点を感じる。
ワシは世代が違いすぎるけど、
若い人には、そういうところが、しっくりくるのかもしれない。

そして、今回、このイベントを企画してくれはったらしいガガガSP。
たぶん、フェスみたいなんで観たことはあるんやけど、
屋内で観るのは、初めてかもしれん。

一時、街に出れば聞こえてた青春パンクを、一途にやり続けてるんやなあ。
それにずっとついて行ってるファンが大勢いることにもビックリした。
さすが地元。
メンバー皆さん、もう四十代らしいが、ずっとこういう音楽やり続けてはるんやな。
そのエネルギーはすごいなあ、思った。
MCでもゆーてはったけど「満月の夕」が広く知られるようになったのは、
ガガガSPのカバーがヒットしたことにもよるんやろうな。
感謝。

そして、とうとうソウル・フラワー・モノノケ・サミットの登場。
ソウル・フラワー・モノノケ・サミットとしてライブやるのは、数年振りらしい。
沖縄在住だった伊丹英子さんが京都との二拠点生活を始めたから、
集まりやすくなったのかもしれない。
腰が悲鳴を上げ始めたが、なかなか始まらない。
もうひたすら「早くしてくれ〜」と心の中で叫びながら待つ。

始まった!
うわ!太鼓のヒデ坊(伊丹英子さん)はもちろん、奥野真哉さんがアコーディオン、
河村博司さんがベース、おお!クラリネットの大熊亘さんまでいる。
ボーカル&三線はもちろん中川敬さん。
本気や、本気のモノノケサミットや!

ああ、この音や!
ガチャガチャとした、整理されてないようで、
無駄な音は全然ない、モノノケサミットにしか出せない市井の音楽。
阪神淡路大震災が育てた、この音。
時間が、あっという間に、あの頃に戻る。
この日、この音を神戸で聴く、ということは、
ほんまに大事なことやったんや。

中川さんが、震災の頃の話を挟みながら、
あの頃やっていた音楽をやってくれる。
中川さん、ソロやとMC長すぎる時もあるが、
この日はヒデ坊が、ええタイミングでツッコミ入れてくれるんで、
ちょうどええくらいの感じで、曲が進んでいく(笑)

え?早いタイミングで「満月の夕」やったぞ。
最後に残しておくのかと思ったんやけど。

ああ、やっぱりええなあ。
嬉しさと、あの頃の無力感と、
それでも生きていこうとする被災者の逞しさに涙流したことと、、
いろんなことが、ごちゃ混ぜになって、
頭や胸をぐるぐる回る。

その後も、壮士演歌や、ちんどんっぽい曲、いろいろやってくれて、
ワシは、すっかりあの頃の気持ちに戻ってしまった。
奥野さんのアコーディオンにキュンとして、
ヒデ坊の太鼓にお腹の底を震わされ、
懐かしくてたまらんお囃子に合わせて声を出す。
なんとなく篠田昌已さんの音楽も思い出してたのは、
大熊亘さんが出てるからか。
ほんま、ワシが好きでたまらん音楽に溢れてた。
中川さんは、ソロでも、ソウルフラワーユニオンでもライブ観てるが、
ワシ個人としてはモノノケサミットでの演奏が一番好きやなあ、
と、改めて思う。
なんか肉感がある、と言うか、人間が毎日を暮らしながら、
その中に音楽がある感じが、すごくする。
音楽のど真ん中に人間がおる。

そう言えば、今日、高木太郎さんも出るんやなかったっけ?
って、思ってたら、ヒデ坊が教えてくれた。
太郎さん、数日前に骨折して入院中らしい。
え〜〜〜!なんちゅうタイミングで!!
太郎さん、お大事にしてください!

アンコールは、なんと「豊年デービル」。
カチャーシーや!カチャーシー!
ワシも踊らせていただきましたとも。
そう言えば、モノノケ始まってから、腰痛のこと忘れてたぞ!
いやあ、ほんま素晴らしいライブでした。
これから、毎年この日、とは言わず、
もっとモノノケサミット、聴ける機会が増えますように!
できれば、60代以上だけでもええんで、座れるところで(笑)



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