夢野カブ＆キンジョウマサ樹＠F♭LAT。

5月27日、土曜は、夕方清荒神のF♭LAT（フラット）に。
行く前、阪急梅田駅で突然の便意、休日の夕方ということで、トイレ大混雑、
で、少し遅れてしまったが、どうも、ワシを待っていてくれたようだ。
ほんま申し訳ございません！

まずは、カブさん。
休日、夕暮れが近づくええ時間。
薄明かりの町を背景に。
ええねー。
窓の外の町が見えるステージの良さは、
こういう時間に一番感じる。

ギターが、細かい波みたいなグルーヴ、
それに揺らされて、ええ気持ちで、
カブさんの歌世界に漂う。
カブさんのギターの役割って、
他のロックンロールギターとちょっと違う気がする。
かっこよさを求めるロックンロールギターではなく、
聴く人を、歌に誘うギター、歌に寄り添うギター、
歌を心地よく聴かすためのゆりかごみたいなギターやと思った。

カブさん、オリジナルもええんやけど、
カバーがワシの秘孔をついてて、ほんま嬉しくなる。
さすが、同世代！
「マイ・バック・ページ」に、とんちピクルスさんの「この世の崖」。
きちんと自分の音楽がある人がやれば、
名曲は、元の良さを残したまま、その人の曲になるんやな。
中でも、The Endさんの「ロックンロール」は、
もはや、カブさんのオリジナルか、
と思うくらい、カブさん世界を描き切ってる気がする。
この曲に会った時、カブさん、きっと嬉しかったやろうなあ。

そして最後は、ロケンローパーティー！
立ち上がって踊ってはおらんけど、
心がええ汗かいたような爽快感でしたわ。

そして、ライブで初めて体験するキンジョウマサ樹さん。
前々からお名前と曲は聴いてて「一度、生でお聴きしたい」と思い続けてた人なので、
むちゃくちゃ楽しみだった。
沖縄の方かなあ、思ってたら、奄美の方らしい。

やさぐれたカッコええ声と、クリアできれいなギター。
頭で考えると相反しそうな要素なんだけど、
キンジョウさんの演奏聴いてると、なんの無理も感じられない。
「これが正しい」としか思えないくらい、
気持ちよく、説得力のある音楽になってる。

キンジョウさんも、「ロックンロール」って題名のカブさんとは別の曲をやってくれた。
出てくる固有名詞が「ああ同年代！」って思えて、すげえ嬉しくなった。
実際は、ワシより少し年下でいらっしゃるみたいやけど、
若い頃、聴いてた音楽、そうとう共通してるみたいや。

キンジョウさんの歌詞、初めて聴くものがほとんどやったけど、ええなあ。
切ないのもあるし、ちょい乱暴なのや、恐ろしい話もあるけど、
その向こうに優しさとか悲しさとか「本当」がチラつく。
そこに創作があったとしても、嘘はない。
生半可な気持ちで聞いてると、えぐられて、痛くなるくらい、
「ホントウ」が詰まってる気がした。

「ゼロ」って曲がむちゃくちゃ切なかった。
名曲やわあ。
まだまだ知らん、ええミュージシャン、いてはるなあ！

中島みゆきさんの「狼になりたい」も、
節回しで中島みゆきさん独特の感じはあるけど、
説明なしで他のキンジョウさんのオリジナルに挟まれたら、
キンジョウさんのオリジナルって、絶対思うやろうな。
それくらい、キンジョウ節に消化されたた。
お見事。

ラストに「中庭のヘビイチゴ」。
実は今日、これ聴きたくて来た。
山川のりをさんがカバーしてるの聴いて、
「めっちゃええ曲やなあ」、と思った曲。
切なくて切なくて、でも自分の記憶にも繋がってて、
今じゃどうしようもない後悔の味がして、
口の中が苦くなる。
あの頃、してしまったことは、もう取り返しがつかないし、
今更、その人に謝りに行っても、
自分のマスターベーションにしか、ならないのだろう。
その苦さを噛み締めつつ、もう同じ思いを抱くような経験をしないよう、
今を生きていくしかないのだろう。
そのことを思い出させてくれる名曲やと思いました。

アンコールはこれぞ、アンコール！
二人でガラッと雰囲気変えて、楽しく。
キンジョウさん、ヘビメタに憧れてたらしく、
ギター交換して、キンジョウさんがエレキ、カブさんがアコギで。
キンジョウさんの曲「シスターペイズリー」、
キンジョウさん、エレキソロ。
めっちゃ気持ちよさそうでした。
こういうモードが完全に変わったアンコール、
観てても楽しくて、ええですな！

終わってから、キンジョウさんやカブさん、
お店の平尾さんと少しお話しさせて頂いて、
めっちゃ楽しかったので、もっといたかったんやけど、
清荒神から大阪へは、けっこう時間かかる。
カブさんが大阪戻るタイミングで、一緒にお店を後にする。
家に帰ると、日付変更線近くでした。
F♭LATさんは、ゲストハウスもやってはるんで、
今度は、泊まりがけで行きたいなあ。
あの辺の午前中散策も楽しそうやし。