橋本ヒネモスのBBBムービーvol.37「アフターサン」「なぎさ」。

うむむむ。

難しい映画を続けて観てしまった。
数日経って、まだ未消化な部分あると思いますが、
現段階の感想、まとめておきます。

「アフターサン」。

公式サイト

想像力を総動員させないと、ただの歳の近い父と娘の、
リゾートでの楽しい日々のホームビデオにしか見えないだろうなあ。

けど、常に何かが起こりそな不穏なムードがある。
しかし表面上は何も起こらない。
ほぼ、幸せな日々。
けど、その不穏な雰囲気は、やはりただの気配だけではなく、
映画のあと、なにか起こったことを想像させる。
その「なにか」とは、たぶん。。

ところどころ、成長して、たぶん、その頃の父と
同じくらいの年齢になった娘のシーンが挟まれる。
あの時は、ただ楽しい日々だったけど、
ようやくその頃の父の気持ちが想像できる年齢になって、
あの日々を考えると、、。

という後悔にも似た、けどその時はどうしようもなかった思いが、
成長した娘に訪れているのだろう。
父への共感もあるのかもしれない。
そして、ようやく、娘はあの頃の父と少しだけ和解するのかもしれない。
少ししかヒントはないけど、
たぶん性的嗜好でも、父への共感、生き辛さへの理解が、
成長後、生まれたのではないか、と予測する。

娘と息子の違いはあるけど、
ワシも、その心情が理解できる前に逝ってしまった父のことを、
少し思い出して、
その頃の父に、少し近づけた気がした。

映像的には、かなりアシッドで、詩的で、
面白かった。

観終わって、ようやく理解できた背景などを頭に入れた上で、
もう一度観たいなあ、と思う映画であった。

「なぎさ」。

公式サイト

はあ、こっちは、さらに難解だった。
時間潰しで、なんの予備知識もなく観たので、
「最強に辛気臭いなあ」というのが、素直な感想だ。

観終わってから、公式サイトなど読んで、
ようやく、「ああそういうことだったのか」と朧げながらわかった。

たぶん、評論家からは、高い評価、得るんだろうな。
こういう映画を撮ろうとするのなら、
賛否両論を拒まない勇気のある方なんだろうから、
怖がらずに、否定しよう。
こういう映画は、苦手ですわ。
ストーリーの筋が、観終わっても、わからなくて、
すごいモヤモヤ抱えながら、映画館を出てしまった。

同じように難解な映画だったけど、「アフターサン」は、
その難解さも楽しめたのだが「なぎさ」は、その難解さが、
モヤモヤにしか繋がらなかった。

なぜなんだろう、と少し考えた。
はっきりとはわからないのだが、少し思ったのは、
「アフターサン」には、少なくとも「この映画でこんなこと作りたい」という部分、
簡単に言うと、スタート地点での「衝動」みたいなものがワシに伝わって、
その部分に共感したのだろうけど、
「なぎさ」は、その衝動の部分が感じられなかった、ということに尽きる気がする。
だから、その部分が伝わった人には、この映画は高い評価を受けるかもしれない。

こういう映画を「分からん」て言うと、
理解力不足みたいに思われそうで、
言いにくい人は多いだろう。
ワシもその一人だけど、
公式サイトなどの解説がないと、理解できない映画は、
やはり自分には向いてない映画だと思うので、
敢えていってしまおう。

「わからんかった」。

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