いつか、テレビに戻ってきてほしい芸人さん。BBBムービー「アイアム・ア・コメディアン テレビから、消えた男」。
始まりの「I AM MEDIA」から「I AM A COMEDIAN」に変わる、
タイトルワークが秀逸で、いきなり「お!」と思わせてくれた。
一度、お仕事もさせて頂いたことも、あるけど、
当時は政治ネタとかやってなくて、
正直、おもろさも、おっさんにはあまり理解できなかった。
「早口やなあ」とついて行けそうにない思いだけがあった。
けど、その後の政治的な発言で、ずっと興味を抱いてた芸人さんではある。
ときどきは、先走りすぎた発言で「勉強不足やな」と思うこともあったけど、
勉強不足でも、発言することで、人に叩かれて、
自分の勉強不足を認識することもあるだろう。
結果的に発言したことで、勉強する機会を得ることになってるのだから、
発言することに躊躇しない村本さんの姿勢は、
間違ってないと思う。
そして、村本さんは、常に、庶民の側、弱い側に立って発言している。
ワシは、芸としての「笑い」の本質は、そこにあると思ってるので、
その意味でも、村本さんは正しいと思っている。
そのスタンスがあるから、障害者をネタにしても愛を感じる。
よく、あの権力思考の吉本興業が、
村本さんをマネージメントし続けているなあ、とは思うけど。

この映画の中で、村本さんは自分自身の弱さをも隠さない。
覚悟を決めてやっていても、いろんなことで揺らぐ。
そりゃそうだ。
人間って、そんなもんだろ。
いろんなものと戦ってるからこそ、
決意もいるけど、その分、揺らぎもする。
当たり前のことだ。
村本さんが、普通にテレビに出られるようになる時代が来たら、
それこそ、テレビというメディアの健全性
が確保された指標になるのではないか。
そういう意味でも、「応援する」とか「ファンである」とか言えるほど、
思い入れをしてるわけではないが、
ずっと見守っていきたい芸人さんでは、ある。