良元優作@難波屋。

昨晩はいつもの難波屋とは違う静寂とも言えるライブだった。
あるのは、遠くで聞こえる喧騒と、良元優作さんの演奏と。
喧騒は、静寂を強調する。
難波屋では初めて体験する時間だった。

それは珍しく立ちながらの「眼鏡橋」から始まった。
静かな曲だから、難波屋の響きの良さがよくわかる。
余韻が心地よい。
難波屋は、優作さん曰く「下町のブルーノート」。
そして「昨日見た夕日」。
難波屋でやると、ほんまに、このとなりのアパートで、
同じシーンが再現されてるような気になる。
最近の優作さんのライブは、どちらかと言うと女性の方が多いんだが、
見渡すと今日は、ほぼおっさん!さすが難波屋(笑)
少しあたたかった今日聴く「春の虹」。
なんかほんま春が近づいてくるような気がして、少し顔がほころんだ。
会場も静かなまま、あったまって来たようだ。
「月と金星」が絶品やった。余韻が、もう「美しい」の領域。
言葉がエッジを残して、溶けるように消えて行った。
「雨の降る日は」だったかな?聴くの2回目くらいかな。
軽快で気持ちええ曲。
なぜか突然、羽生結弦の話題。
「あれは相当、自分好きですよー」顔とポーズ真似、けっこう似てた(笑)
「遠い空」。この曲は聴くたびにかっこよくなっていくなー。
「ペンノレ」韓国民謡。
船出の歌らしい。昨日はたまたま旧正月の元旦。
ふさわしい曲だったなあ。
優作さん、ときどきこぶし回すことあるなー、と思ってたが、
こういう曲だと、そのこぶしがビシバシ決まる。
「天ぷら」。あーこの曲も、どんどん気持ち良くなって行くなー!大好き!
「緑のタイルのイカしたテーブル」。
軽快な流れで一部が終わった。

二部は「まあいいやで日が暮れて」から。
やっぱり西成は、優作さんの歌のリアリティが倍増する町やなー。
この歌を聴きながら思った。
特に「宇宙船がこの町からさらってくれるのを」のところ。
この町を愛しながら、だけどこの町を出て行くことを
夢見てる人たちがいっぱい、いるんやろうな。
「永遠にこのままのわけがない」。
二部になってだいぶ増えたとはいえ、
お客さんはちょっと少なめだったけど、
今日は、だからか、難波屋らしくない、大人なライブで、
しっとりと時間は進んだ。
ボトルネックで「へいへいブルース」。
この曲でもう高田渡さんや鈴木常吉さんを思い出すことはなくなった。
優作バージョンは、もう優作さんの歌。
「風につらつら」。ワシはこの歌を聴くと、
必ず優作さんと散歩した平野川が頭に浮かぶ。
昨晩のは、すごい名演で、本当に夏が恋しくなってしまった。
「星を見ながら」を作ったときの話、
ここでは言わない方がええと思うけど、
そういう流れから、こんな美しい曲が出てくる
良元優作という男の人間としての優しさと上質さを思う。
「上を向いて歩こう」の優作さんバージョンを聴くと、
歌で一番大事なんは、息づかいなんかもなー、と思ったりした。
それくらい、魅力的な息づかいだった。
だいぶ頑張ってMCして「へたくそな歌」。
絶品の「へたくそな歌」聴かせてもろた。
「あーこれは孤独の歌なんやな。
孤独で、誰かを、何かを、求めてる歌なんやな」思おた。
そんなこと思ったこと、今まであったかな?
思い出されへんけど、今日は強烈にそう感じた。
「道間違える」。なんかいつもと違うぞ?
あ、今日は、セリフでもラップでもなく、
メロディーで言葉を繋いでるんや。
めっちゃ印象変わって聴こえる。めっちゃ得した気分。
ラストは「石」。これがまた素晴らしかった。
孤独は孤独なんやけど、 その中で生きようともがく男が
見えて来るような気がした。

難波屋の良元優作ライブはもうひとつ楽しみがある。
ヨッシーさんのディレクションだ。
この印象的な音をPAで演出しながら、照明も操る。
それが優作さんの曲調や客の気持ちに合わせた、
生理的に心地よく、気持ちを増幅させる照明なのだ。
ライブ以外のことで盛り上がる騒がしい客には、
きちんと注意する。
この時間を、空間を、優作さんと作り上げて行く気持ち、
ひと言で言うと「愛」やなあ。
ワシも客として愛を持って臨みたいと心新たに思ったりした。

終わってからは、優作さん、さわさん、
桑原さん、川島くんと、
誰遠慮ない話を。
めちゃくちゃ楽しかったんだが、
何を話したのかも、
どうやって帰ったのかも、
覚えてないのでした(^_^;)
めっちゃ大人なライブでしたが、
最後まで大人ではいられないワシなんでした。

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