【ソウルメイト・イン・ソウル】⑤11月26日前半。

前日、二人して深酒したので、この日のスタートは昼から。。
いや、山ちゃんは午前中にホテルに来てくれたんだが、
ワシが二度寝してもうて、お待たせしてしもた。

とりあえずは、昼飯。
昨日、市場で見かけて美味そう!と思った、
餃子と小籠包の中間みたいな「饅頭」と
こちらで呼ぶものの入った汁物を食べる。
めっちゃ美味くて、二日酔いにもこの上ない!
しかし、ワシには、ちょっと量が多くて満腹に。
腹ごなしに王宮に歩いて向かう。

今回、銀杏の次に街路樹として見かけ、
公園などにもよく植ってたのは楓だ。
色は鮮やかな赤で美しいが、
葉っぱの一枚一枚は、日本のものより厚手で、
5本の指が太い印象。
日本の楓が白魚のような女性の指なら、
こちらの楓はワシの指と言ったイメージか。
こないだの東福寺の楓を思い出し、
日本の花鳥風月画を思い出した。
比べればの話だが、こちらの画は
日本に比べれば、男性的な力強さを感じ、
日本のは、繊細な女性らしさを感じる。
植生も、そこに住む人には
少なからぬ影響を与えるものなのだな、
と思った。独りよがりな感想かもしれんが。

山ちゃんが「王宮が見下ろせる場所があるんです」と
連れて行ってくれたビルの屋上の風景が最高で、
そこから動けなくなってしまった。
まあ、満腹ってのもあったんだが。
生憎王宮は火曜日がお休みだったのだが、
あの風景だけで、ワシは十分満足した。
建物は外から観られるし、
中にあるだろう文物は、昨日博物館でたっぷり観た。

オフィス街らしき街を歩く。
メインストリートは真ん中が公園になってて、
馬鹿でかい銅像が並んでいた。
ひとつはハングルを作らせた王様らしい。
それまで李氏朝鮮には漢字しかなく、
文字は特権階級の独占物だった。
ハングルができたことで、住民の知的水準は
どれほど上がったのだろう。
こういう風に、組織的にできた文字は、
世界でも珍しいのではないか。
ハングルは、まさに朝鮮民族が誇るべき宝だと思う。
もうひとつ将軍像があったが、この方は、
豊臣秀吉の侵略を阻止した英雄らしい。
大阪人に「太閤さん」と親しまれている豊臣秀吉だが、
韓国の人にしたら、いきなり攻め込んできた
悪夢のような人物なのだなあ、と歴史の裏表を見る気分。
そんな話でも、盛り上がれる山ちゃんという存在が嬉しい。

しばらく歩いて、地下鉄でソウル駅を目指す。
ソウル駅の旧駅舎は東京駅を造った辰野金吾さんの弟子の
塚本靖さんの設計らしく、なるほどよく似てる。
ソウル駅では軍人さんと、路上生活者らしき人をよく見かけた。
軍人さんは、休みの日で、帰ってきたりしてるんだろう。
この国は、休戦中だが、
未だ北朝鮮との戦争が終結はしてなくて、
徴兵制がある国でもある。
同じ民族同士の争い。
お互いの国の人たちが、どんな気持ちでいらっしゃるのか、
ワシの想像力では、とても追いつかない。
歴史的にも、この国は大国に翻弄され続けた民族でもある。
理解できないまでも、理解しようとすること、
日本がこの国にしてしまったことも含め、
理解しようとすること、
それが、お隣に住む国の住人として、
ワシが忘れてはあかんことやと思う。
そして、路上生活者は、皆一様に暗い、空な目をしていた。
発展を続けるこの国にも、忘れ去られたような人々がいる。
それは、どこの国でも同じかもしれない。
もちろん、日本も。
その人たちのことも考え続けなければいけない、と心に刻んだ。

とか言いつつ、ソウル駅に入ると、たまたまKTXが止まっていた。
ソウル〜大邱〜釜山などを結ぶ、韓国の新幹線だ。
ちょっとテッチャンのワシはキャッキャゆーて喜んだ。

ソウル駅から南大門市場は、巨大な高架遊歩道で向かった。
元車道だった道らしい。
眺めがよく、南大門始め、いろんな風景が見渡せるし、
植栽も美しい。
ええ道やなあ。
高所恐怖症のワシは、怖くて、端っこには、よう行かんかったけど。

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