全感覚祭、近づく。

GEZANのことを初めて知ったのは、確か10年ほど前、
中書島のMICAのママに「おもろいバンドだよ」と教えられたのだった。
当時はまだ「下山(GEZAN)」と名乗っていた。
オルタナ〜ハードコアで「下山」というネーミングの組み合わせに
何か文学的なものを感じて、ずっと心に残っていた。
けど、年齢的にハードコアがきつくなって来てる頃だったので、
YouTubeでときどきチェックするだけで、
ライブに行ったりはしなかった。
音楽を生で聴きたい気持ちはあったけど、
観客の激しさを想像すると、どうにも足が向けられなかった。

そのうち、ボーカルのマヒトゥ・ザ・ピーポーさんは、
青葉市子さんとNUUAMMというユニットでも活動し始めた。
青葉市子さんは何度かライブに行って、その独特の存在感に
心揺さぶられていたので、さらにGEZANが気になって来た。

昨年、GEZANのメンバースタッフが中心になって、
全感覚祭という祭をやってることを知った。
テニスコーツ、青葉市子さん始め、観たいバンドがたくさんあったが、
手術入院のちょい後だったので、「まだ野外はきついなあ」と
諦めたのであった。

その全感覚祭が今度の土曜、堺である。
入場料だけでなく、フードもフリーという前代未聞の祭だ。
これは、是非とも目撃しておかねばならない。

と、その前にどうしても観ておきたい映画があったので、
今日、行って来た。
GEZANのアメリカツアーをメインに撮ったドキュメンタリー映画
「トライブ・コールド・ディスコード」
「葛藤という名の部族」と訳されているようだ。

アメリカツアーでGEZANが出逢った圧倒的な現実。
麻薬で滑れなくなったスケーター、LGBTのコミュニティー、
まだそのあたりをツアーしてるときは、
彼らは楽しそうに感動の涙を流していた。
社会的弱者が身を寄せ合って生きていく姿に、
自分たちのスタンスを重ねて肯定もしていたのかもしれない。

しかし、厳しく差別されたネイティブアメリカンの街で、
彼らのままならない現実を知ったとき、
白人をまとめて憎む彼らの気持ちを理解できたとき、
それを肌で感じたとき、
GEZANは、動けなくなるほどのショックを受ける。
メンバーのひとりは帰国後、仕事を続けられなくなるほどに。
(まだ彼らは、音楽だけでなく、仕事をしながらやってるんだな)
素直で、傷つきやすい魂。

だけど、日常は止まってくれない。毎日は進んでいく。
世界中の誰も見たことのない日が、今日も始まる。

彼らがアメリカツアーで出逢った言葉が
彼らのアルバムタイトルなった。
「silence will speak」。
もう沈黙してる時ではないのだ。
ひとりひとりが自分の言葉で語り始めよう。行動し始めよう。
それが、彼らの結論だったのかもしれない。

ワシが感じたことをひとことで言うなら、
「こいつらのやることなら信用できる」ということだろうか。

ちょっとハードコアが多いのにビビりながらも、
ワシは、全感覚祭を全身で受け止めて来ようと思う。
ちょっと多めの投げ銭を握りしめながら。

動画は、映画のタイトルロールになってる曲と映像を。
オルタナと言いつつ、だいぶ聴きやすいです。

あと、マヒトゥ・ザ・ピーポーさんの曲で好きな曲も、どうぞ。

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