先島チンパンジー@ZUMI。

昨日は、道頓堀の橋の袂、ZUMIで、
樋口ヨシトくんと砂川貴之くんの
先島チンパンジー・ライブ。

まずは砂川くんのソロから。
前日の名古屋で一緒だったという
三重のドラマー、ともやさんも、
大阪まで来てくれて、ふたりで始まる。
砂川くん、宮古島生まれ、宮古島育ちで、
現在も宮古島在住だが、
前半はスカ・レゲエっぽいハッピーな曲から。
今日は、お子さんも多くて、
初めから、めっちゃ楽しそう。

客席には、砂川くん(スナッチ)の友人、
グラサンズの田渕徹くんも奥さん、末の娘さんと、おる。
(「徹が、娘とおる」ってダジャレ、思いついたことは、
ここだけの話に)

三曲目でスローな「海へ行こう」。
続けて、「ほどほど」。
スナッチの本質は、この辺に
あるのかもしれんなあ、と思う。
息の成分が少なく、ちょっと割れ気味の声なのだが、
それがなぜかキンキンせず、
実に柔らかく耳に届く。
不思議なことだなあ。
それは歌詞の優しさも関係あるんやろな。
優しいと言っても、甘ったれてるんじゃなく、
ちょっと離れたところから、
その人の弱いところを分かって、
ベタつかない言葉をそっとかける、
みたいな歌詞は、ありそうでないと思う。
押し付けがましくない、その人のことを
その人の身になって考えた優しさ。

おおディランのカバー!
「マイ バック ページ」かな。
若い人がこういう音楽やってくれるのは、
ほんと嬉しい。
それだけで嬉しいのに、こんなええ演奏を。
スナッチ、ありがとう!

おお、ヨシトくんもジャンベで入って来た。
途端に先島の群青かと思うほどの
青い空が広がった。
人を幸せにできるってのは、
才能のひとつなんだろうなあ。

スナッチのラストはヨシトくんのリクエストらしい。
いい歌だ。
苦しみながら、迷いながら、
時には疑うこともあるけど、
やっぱり自分の音楽を信じようと決意して
宮古島で、きちんと生きてる人がいる。
ワシが宮古島へ行く理由のひとつは、
ライブのスナッチではなく、
毎日を生きるスナッチを確認したいからかもしれない。

ZUMIは道頓堀の南側の袂のビルの最上階、10階。
窓からは、ドンキホーテの楕円観覧車や、
スイスホテルが見えてて、眺望抜群。
こんな見晴らしのいいとこで観るライブも、珍しいなあ。

そして、石垣島のヨシトくん。
今、八重山モンキーとソロのダブルレコ発で、飛び回ってる。
少し前、大阪で八重山モンキーのライブも観たし、
那覇の生活の柄で迎えたワシの誕生日、
たまたま那覇にいてたと言って、生活の柄に来てくれた。
実は同じ時期を福岡で過ごした20年近い付き合い。
こないだ、福岡でウリョンとツーマンやったらしく、
嬉しそうに、その話、してくれた。

ヨシトくんの歌は、
音楽をできる喜びに溢れている。
もちろん、辛いことも哀しいことも知ってて、
それを飲み込んだ上で、
それでも音楽の力を信じて、
喜びに溢れた歌を笑顔で吐き出す。
二曲目に新曲と言って始めた歌「イミソーレ」は、
そこにさらに力強さが加わっていた。
ヨシトくん、また新しい風景が見えてきたみたいだ。

ここのテーブル、木工細工の天板が面白くて、
カメラつけたまま、スマホをテーブルに立てると、
なんやクリムトの絵みたいに見えた。

ヨシトくん、サンレレに持ち替えて、
オリジナルのハワイアンソング?
ちょっとハイサイおじさん混じってた(笑)
お、同じくサンレレでノリのええ曲。
これ、なんかアイリッシュパンクっぽくて好きな曲や!
スナッチも客席で踊ってる(笑)

次は三線に持ち替えて「がんばれくいなの歌」。
スナッチもたまらずジャンベ叩き出す。
いやあ、楽しいライブですわ。

ヨシトくん、今石垣島に住んでるが、
もともと沖縄本島北谷の出身。
「タンチャメー」やり始めると
流石に年季入っててうまい。
どこからか太鼓の音が聴こえる。
ジャンベを横抱きにしてエイサーのように叩く人。
会場、盛り上がってきております!

と思ったら、次は今住んでる八重山の「月のかいしゃ」。
生まれたとこ、今いるとこが、
ヨシトくんの中に矛盾せず、自然に存在している。

そのままスナッチも一緒に
「TABI no UTA」、歌い出した。
これはもう先島チンパンジーや!
この二人、人間として好き合ってること、
ミュージシャンとして尊敬しあってること、
両方感じられて、
それは、ほんまに幸せなことやなあと思う。

あーなんて言う曲かなー、
大工さんもやってたアイルランド民謡、
大好きな曲やのに題名出てこん、
その曲をダブっぽく絡めた静かで柔らかい曲から、
そのまま同じタッチで「大きな輪」。
ヨシトくんの編曲能力も大したもんやと思う。
曲名、後で調べた。
「ロンドンデリーの歌」や。
こういう歌をさりげなくブッ込んでくるとこも、ええなあ。
「大きな輪」も、優しくて、ほんま大きな歌。
ヨシトくんの歌いたいことが、
たぶん全部、ここに詰まってる。

さあ、さっきもやってたけど、
ここからが本気の先島チンパンジーのコーナー。
ブルーハーツの「青い空」。
ああ、なるほど、数日前から
この歌が頭に繰り返し浮かんでたのは、
このライブがあるからやったのか。

グループ名は、だいぶ前からあったけど、
オリジナル曲のなかった、先島チンパンジー、
待望のオリジナル曲は、
軽快で景気のええ「イヒイヒイヒ」?「エヘエヘエヘ」?(笑)
まだ決まってなかったらしく、
歌の後、客席の多数決で「イヒイヒイヒ」に決定(笑)

ラストはスナッチのオリジナル「お月さん」の
先島チンパンジーバージョン。
スナッチ、ええ曲書くなあ。
しんみり、でも寂しくはなく、
ほっこりする気持ちでライブ終わる。

先島チンパンジー、
今のところ、持ち歌、これだけなんで、
アンコールなしでした(笑)

ヨシトくんもスナッチも、沖縄で生まれて、育って、
民謡をやってるわけではないけれど、
その歌の中には、確かに民謡を感じた。
伝統を守って、古くからの沖縄民謡をそのまま口伝のように
伝えることも、大切なことだけど、
それを自分なりに消化して、今ならではの沖縄の歌、
自分にしか歌えない島唄を作り、歌っていくことも、
同じくらい、大切なことなのかもしれないなあ、と、
昼間の熱気が少しおさまった御堂筋を歩く。
楽しかったライブを反芻しながら、家に向かった。

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