友川カズキ＠ムジカジャポニカ 。
いやはやとんでもない圧だった。
友川カズキさんのワンマンライブ。
会場は、なんだか久しぶりに感じるムジカジャポニカ。
今晩は超満員！
今日はええライブが山ほどあったので、
入りはどうやろ？と思ってたのだが、
友川さんのムジカライブで、
こんなに混んでるのは初めて。
と言うか、ワシが知ってる中で、
新しいムジカがこんなに混んでるのも、
一度観たことがあるかどうか。
ブームかなんかになってるのか？
と思うほどの混み具合だ。
序盤は相変わらず、MC多めの歌少なめ（笑）
そのMCがほんまにおもろい。
生きてることが、そのままネタになるような方だから、
何話してもおもろいんだけど、
知らん間に引き込まれてるその話術は、
けっこう巧みなのかもしれない。
そして、歌！やっぱり唯一無二の歌。
生きてることへの絶対的な肯定、
死があるからこその完全なる肯定、
それをありったけの声で、
歌い、叫ぶ。
微塵のためらいもない。
常に哀しみが、付いて回るのは、
必死で生きているから、
当然のことなのだろう。
生きていること自体が、哀しみと背中合わせなのだろう。
そして、その哀しみがあるから、
圧倒的に美しくもあるのだろう。
振り返ると、ムジカのカウンターが
昭和のゴールデン街のように見える。
だが、ナツメロを聴いてる気持ちは全くない。
生き残って、生き残って、
今の音楽として、ここに存在してる音楽なのだろう。
だから観客は、ご年配が多いが、
若い人も少なくない。
ゲストでドラムの方（ひさのさん？）がステージに。
この方がまた、情念でドラムを
叩かれるすごい方だった。
リズム楽器というよりは鼓動のようだ。
たまたま鳴った雷が音楽と同期したかのようだった。
「友川さんの歌には、このドラム！」
って感じの迫力あるドラムだった。
休憩挟んで二部は稲垣足穂の「星を食べた話」から。
次の曲では歌詞に村山槐多が出てくる絵描きの話。
友川さんがワシの好きなものを
モチーフにしてるというだけで嬉しいなあ。
今回一番聴きたかった
「祭りの花を買いに行く」をやってくれた。
懐かしくも美しい光景が浮かび、
そこに生きる人々が動き出す。
そう言えば、京都では祇園祭が始まり、
もう数時間で博多山笠の追い山が始まる。
このタイミングで、この曲聴けて、
ほんま嬉しいなあ。
この曲は、古くはちあきなおみさんや
浜田真理子さん、ムジカのせい子さんもカバーしてるけど、
どれも名演だ。
素晴らしい曲には、素晴らしいカバーがある、
と言う見本のような曲だ。
【ちあきなおみさん】
【浜田真理子さん】
せい子さんのは、残念ながら動画が見つからなかった。
「青いアイスピック」は初めて聴くが、
この国の現状を
ホームレスの立場から歌った曲。
短いけど、この国を描き切ってる気がした。
「青いアイスピック」
ホームレスの叩く
鍋の底の音が
この国のボスには聞こえない
聞こえないからいたしかたない
ホームレスの堕ちた
穴の深さ暗さ寒さを
この国のボスには判らない
おぼっちゃまだからいたしかたない
冬の空は青いアイスピックだ
時の吹きだまりに命の保障はない
なんともかんともいたしかたない国である
ホームレスのする
ラジオ第一体操の破れを
この国のボスには判らない
想像力の問題だからいたしかたない
冬の空は青いアイスピックだ
時の吹きだまりに命の保障はない
なんともかんともいたしかたない国である
ラストの曲は「家出青年」。
友川さんの歌は、生きていくこと。
生きていく上で、どうしても感じてしまう怒り。
怒らなければいけない哀しみ。
それらが渾然一体となって、
叫びとなって噴き出る。
パンクだ。これがパンクだ。
アンコールで、ミチロウさんと三上寛さんの話を。
三上寛さんの話で大爆笑（笑）
ミチロウさんとは、よく共演をされてたが、
若き日に、スターリンの前座でライブ出たとき、
臓物を買いに行ったことがある（笑）、
という話を聴かせてくださった後、
「ワルツ」を。
ワルツは友川さんの歌だけど、
ミチロウさんがカバーしてて
そっちの方がいい、と思って
友川さんは、しばらく歌ってなかったそう。
だけど、ミチロウさんが逝ってしまったので、と。
何よりもの追悼だろう。
遠藤ミチロウさんバージョンは、太田惠資さんの
バイオリン入りの美しいバージョンで。
最後の曲は「井戸の中で神様がないていた」でした。
タイトルからして、もうすごいなぁ。
ほんまに終わってほしくない。
最後の一音まで聴いていたいライブだった。
その思いはみんな一緒だったようで、
ダブルアンコール。
しかし、ワシは、「井戸の中で神様が泣いていた」の
ラスト一音あたりで、隣の方が急に倒れられて、動転していた。
なのにその人は、すぐに立ち上がり、
何事もなかったように、
「生きているって言ってみろ」を
大声で歌ってたのでした。
一人心の中で、「生きてるんかい！」と突っ込みましたよ。
やはりラストはこの歌やなあ！
ああ、最後に聴けてよかった！！
ものすごい迫力で、
終わってしばらくポカンとしてました。
終わってから、友川さんに山本太郎のこと、
聞いてみたかったんだけど、
ものすごい物販の売れ行きで、
友川さん、サインで忙しそうだったので、
ワシは、早めにムジカを後にした。
おまけで、友川カズキさんの金八先生出演シーン。
名曲「トドを殺すな」と「犬」を、
時の人、三原じゅん子さんが聴いてます。
武田鉄矢さんも三原じゅん子さんも、
この歌をどんな風に聴いてたんでしょうか。
もひとつおまけで「青いアイスピック」の歌詞を。
「青いアイスピック」
ホームレスの叩く
鍋の底の音が
この国のボスには聞こえない
聞こえないからいたしかたない
ホームレスの堕ちた
穴の深さ暗さ寒さを
この国のボスには判らない
おぼっちゃまだからいたしかたない
冬の空は青いアイスピックだ
時の吹きだまりに命の保障はない
なんともかんともいたしかたない国である
ホームレスのする
ラジオ第一体操の破れを
この国のボスには判らない
想像力の問題だからいたしかたない
冬の空は青いアイスピックだ
時の吹きだまりに命の保障はない
なんともかんともいたしかたない国である
